恋とは…
〇〇:ふわぁ〜…(眠たい…)
俺は齋藤〇〇。高校2年生だ。
今日も眠たい体を起こして学校に来ている。
〇〇:(といってももう昼なんだけどね。)
と、心の中で呟いていると…
「また、フラれた〜〜〜!!!」
そう言いながら、教室に入ってきたのは同じクラスの久保史緒里である。
彼女は恋愛気質なのか知らないが、好きな人ができたら、告白し断られ続けている。
「大丈夫だっていつものことじゃん!」
史緒里:そうだけど…ってそんな事言わないでよ〜“美波”〜
久保と話しているのは梅澤美波。
彼女の親友兼良き相談相手だ。
俺も隣の席になった時、良くしてくれた人だ。
だが、時々さっきのような毒舌が出る時がある。
美波:っていうか、最も距離を縮めてからじゃない?いきなり、告白だなんて…
史緒里:た、確かにそうだけどさ。好きになったら後のことを考えることができなくて…
美波:まぁ、史緒里の性格上そうかも知れないけど…。
不思議だ。
久保は肌が白くて透明感があるし美少女だ。
それに梅澤もそうだが、彼女はこの学校のマドンナ的存在で男女問わず人気がある。
普通は誰かと付き合っていてもおかしくないのだ。
この説明で俺が久保の事を好きなのかもしれないと思ったかもしれないが、そうではない。
第一、彼女いない歴=年齢の俺には恋というものが分からないのだ。
それに恐らくだが、先程の久保のイメージは皆にあるものだ。だから、大抵の人は久保と釣り合わないと思う人が多々いると思う。
男1:久保さん、また振られたみたいだな。
男2:告られた人良いよな…俺だったら、一発オッケーするのに…そしたら…グフフ
男1:おいおい。変なこと考えるなよ。
男2みたいに下心がある人は除いて、今のところは集めていないようで安心している付き合ったらロクなことないしな。
その日の放課後
俺は図書室の整理をしていた
どうやら、今日担当の図書委員がお休みでそれ以外の委員も部活で空いてないという理由で何故か俺がやることになった
〇〇:(まさか、用がないことが理由でこんなことになるなんて…早く終わらせよう。)
すると、
「あれ?齋藤くん?」
〇〇:ん?
声が聞こえた方に顔を向けると…
史緒里:こんなところで何してるの?
久保がいた
〇〇:何って、図書室の整理だけど?
史緒里:え?でも、齋藤くんは図書委員じゃないよね?
〇〇:あぁ。実はな…
史緒里:それは災難だったね。
〇〇:仕方ないよ。先生に頼まれたんだし、しっかりやっとかないと。
史緒里:齋藤くんって意外と真面目だよね。
〇〇:意外とってなんだよ。
史緒里:フフッ
〇〇:っていうか、そう言う久保はなんで図書室に?
史緒里:私は勉強だよ。来月、テストがあるでしょ?
〇〇:確かに…ってもう勉強してるんだ。偉いな。
史緒里:そうかな?普通じゃない?
〇〇:う〜ん。どうだろうな?人によっての普通って基準が違うと思うからな〜。
史緒里:あ、否定はしないんだ。
〇〇:当たり前だろ?人の普通を勝手に否定するのは余りにも可哀想だし、今までやってきたことが間違えていたのかと思い違ってもあれじゃん?
史緒里:齋藤くんって、結構客観的な考え方なんだね?
〇〇:かもな。
史緒里:あ、私も手伝ったほういいかな?
〇〇:いや、大丈夫だよ。久保は頼まれてないだろ?
史緒里:でも…
〇〇:心配してくれてありがとう。でも、頼まれたことは最後までやり遂げたいからわ気にすんな。
史緒里:う、うん。
そして、俺は作業を再開し、久保は勉強をし始めた
その時、ちょこちょこと久保がこっちの方に視線を向けていた
〇〇:(どうしたんだ?時々視線が俺の方に…)
そう思いながら、俺が久保の方に顔を向けると…
史緒里:!?///
久保はびっくりしたのと同時に顔が赤くなりながら、視線を机の方に向けた
その行動を見た瞬間
〇〇:(ん?…まさか…)
俺は久保の行動を見て何かを察したのだった
〇〇:(終わったぁ〜!!何か飲み物を…)
不意に久保の様子が目に入り、ひたすら勉強していた
〇〇:…(頑張ってるな…)
そう思いながら、俺は図書室を出ていき自動販売機でペットボトルの飲み物を買い再び図書室に戻った
史緒里:カキカキ
〇〇:ほっ。ヒタッ
俺は買ってきたペットボトルを久保の頬に触れさせた
史緒里:ひゃっ!!
〇〇:(笑)
史緒里:な、何?
〇〇:ごめんごめん。ほら。
史緒里:え、これって…
〇〇:久保が勉強頑張ってるから、飲み物を買いに行ったついでに買ってきたから。
史緒里:いいの?
〇〇:おう。
史緒里:あ、ありがとう///
久保は顔を赤くしながら、飲み物を受け取った
〇〇:はぁ…
史緒里:え?ど、どうしたの?ため息して…
〇〇:いや………何でもない。
史緒里:いやいや、その間!!明らかにおかしいでしょ?
〇〇:…流石にバレるか。じゃあ覚悟して聞いて下さい。
史緒里:う、うん。
〇〇:久保。今、俺に好意を持ってるでしょ?
史緒里:え///
〇〇:(あ、また赤くなったよ。)
史緒里:そ、そそそ、そんなことないよ!!!
〇〇:うん。明らかに動揺してるな。
史緒里:うぅ///
〇〇:それが久保の悪いところだぞ。
史緒里:え?
〇〇:この際だからいうけど、久保って結構照れやすいよな。
史緒里:うっ…梅にも良く言われる。
〇〇:まぁ、今まで照れてたのが変なやつじゃなくて良かったけどさ。
史緒里:え?どういうこと?
〇〇:じゃあ、例えば仮に誰かが久保の事を好きになったとします。いきなり、どこかに呼び出されて告白されました。でも、その誰かは久保とはあまり関わりがありませんでした。久保はその時どう答える?
史緒里:さ、流石にまだ関わりがないから、断るかな?
〇〇:でしょ?久保も言わば同じことをしてるんだよ。
史緒里:で、でも…もしその人が告白する前日に他の人と付き合うことになったら?
〇〇:それは考えすぎだよ…
史緒里:や、やっばり?
〇〇:それにもしそうなったとしても、それは彼らがそう決めたことだから応援してあげるのが適切なんじゃない?
史緒里:た、確かに…
〇〇:それに、仮に付き合えたとして今まで見せていなかった本性を出してきたらどうする?
史緒里:見せていなかった本性?
〇〇:まぁ、簡単に言えば下品なことだな。付き合う前までは良い人ぶって付き合ってからは本性を出していやことをさせられるとか…
史緒里:それは齋藤くんの考えすぎじゃ…
〇〇:まぁ、それは関わりが長い場合だったら良いけどな。でも、あまりない人だったらそうする可能性があるだろ。
史緒里:た、確かにそうかも…。
〇〇:だから、こういう恋愛関係はまずお互いの関係性を深めることが重要なんだよ。
史緒里:ジー…。
〇〇:な、何だよ…。
史緒里:齋藤くんって恋愛に詳しいんだね。
〇〇:え?
史緒里:だって、そこまで考察してる感じ、流石に普通じゃないよ。
〇〇:あぁ。まぁ、そうなのかな?
姉ちゃんが読んでる小説を俺も読んでるけど、ほとんど恋愛小説だからかもな。とは言っても、実際の恋愛経験はゼロだから、あくまでも予想でしかないけどな。
史緒里:な、なるほど…。
〇〇:まぁ、だから気をつけろよ。
俺はもう帰るから。
史緒里:あ、うん。またね。
史緒里:(齋藤くん…///)
ー翌朝ー
〇〇:行ってきまーす。
俺はいつも通りに学校に向かって登校していると、
〇〇:ん?
目の前には…
史緒里:おはよう。齋藤くん。
久保さんが立っていた。
〇〇:お、おはよう…。
史緒里:今日も寒いね〜
〇〇:だな…ってなんでここにいるの?
史緒里:待ってたの…
〇〇:誰を?
史緒里:その…齋藤くんを///
〇〇:え?
史緒里:私ね。昨日の事で思ったことがあるの。
〇〇:思ったこと?
史緒里:齋藤くんはさ、私の事を心配して昨日あんなこと言ってくれたんだよね?
〇〇:まぁ…そうだな。
史緒里:私ね。それがすごく嬉しかったの。
〇〇:え?
史緒里:私、齋藤くんとは他に好きなった人と同じくらい関わりがなかったんだけど…みんなと違ってここが…胸がギュッってなってね、あのこと言われる前から、勉強してても作業している齋藤くんがどうしても気になって気づいたら目で追いかけてたの。
〇〇:(え…これって…)
史緒里:別れた後も、君の事が頭から離れなくなってた。
〇〇:(まさか…)
史緒里:私ね。本当に齋藤くんの事が好きになったみたい…もちろん。恋愛っていう意味で///
〇〇:…。
史緒里:でも、昨日、齋藤くんが言ってた通り、まだ、私達って余り関わりがなかったじゃん。
〇〇:まぁ、確かにな。
史緒里:だから、友達から…始めてもいいですか?
〇〇:…。
史緒里:ウルウル
史緒里は今でも泣きそうなくらいのうるうるな目で俺に訴えかけている
〇〇:…まぁ、友達くらいなら。
史緒里:ほんとに!?
〇〇:あぁ。昨日、久保と話してて素直に言うと楽しかったしな。
史緒里:そ、そっか///
〇〇:まぁ、改めてよろしくな。
史緒里:うん。よろしく!!
俺と久保は昨日の何気ないような会話がきっかけで友達になった。
史緒里:じゃあさ。今から一緒に登校しない?
〇〇:え?
史緒里:友達になったんだから、良いでしょ?ニコッ
〇〇:っ!!
史緒里:ん?どうしたの?
〇〇:いや、何でもない…
史緒里:そ、そう?
〇〇:あ、あぁ。
史緒里:じゃあ、行こうよ!
〇〇:仕方がないな…
俺は久保と一緒に学校に登校していった
〇〇:(な、何だよ…今の久保の笑顔…可愛かったな///)
どうやら、俺も久保に恋してしまうのは時間の問題かもしれない
To Be Continue…?