デザイン思考で採用動画を提案したらお客さんに拍手された件【図解&実績動画あり】
この度は私の記事をご覧いただきありがとうございます。
自己紹介
私は、キャリアコンサルタント兼動画ディレクターとして、主に企業の採用動画制作のお手伝いをしています。
本業はWEBディレクター、また企業動画ディレクターをしており、今まで100社以上の企業動画のお手伝いをしてきました。
二足の草鞋として、キャリアコンサルタントもやっております。畑違いのキャリアコンサルタントでもある理由ですが、私自身の苦しんだキャリア人生において、キャリア支援の重要性を身をもって感じたからです。また、現在日本は世界ワーストで「仕事に熱意がない」国となっています。その課題感からです。詳しくは別のnoteで書いております。もしよかったら読んでください。
採用動画は、制作会社に相談する企業がほとんどだと思いますが、採用戦略の側面が強く、その企画・コンセプト作りは、まずはキャリア面も理解したキャリアコンサルタントに相談すべきと考えます。
その点、キャリアコンサルタントの視点と、動画ディレクターの視点の両方を持っていることが私の提供できるメリットになると思っています。
この記事の目的
「デザイン思考」とは、多くのサービス開発で使われている、ターゲットのことを深く観察し、そのニーズを深掘りすることでアイデアを作っていくサービス開発の手法です。
今回、この手法を採用動画のコンセプト作りに活用してみました。
実際に、お客様に提案している動画を少しご覧いただけます。最後に「拍手」をもらえるほど評価いただきました。
この記事は、動画にある通り、採用動画に「デザイン思考」を活用した事例をご紹介していきます。これから採用動画を作ろうとしている人事、経営者、また制作者にお役に立てるものになっていると思います。
デザイン思考とは
そもそもデザイン思考とは、主にサービス開発で使われている手法です。
共感する>定義する>考える>プロトタイプを作る>評価する
の5つのステップがあります。サービス開発において、ターゲットを深く理解し、彼らの課題をしっかり考えた上で、完成形ではなくまずは「ベータ版」でもリリースしていって、改良していく、という手法です。
ただ、今回採用動画のあくまで「コンセプト」作りの段階のため、
前半の3つのステップ、
共感する>定義する>考える
を中心に活用します。ターゲットをとにかく深掘りしていく、というステップです。
デザイン思考を採用動画に活用すると
採用動画のコンセプト作りにデザイン思考の5つのステップを活用すると、最初の3つのステップはこのような考え方になります。
共感する=顕在ニーズ:採りたい人材において転職における課題
定義する=潜在ニーズ:言われてみればそうだな、と思う課題
考える=インサイト:採りたい人材が気づいていない課題
ここまで深掘りすると、自ずと動画の構成が見えてくる、ということです。
ただ、ご承知の通り、採りたい人材=採用ターゲット設定が前提必要であり非常に重要です。そこは、以下の図解のように、ジョブマッチング、カルチャーマッチングの両面で、現在活躍している優秀な社員を具体的に思い浮かべながら、言語化していくと良いでしょう。デザイン思考は、このターゲット設定がまずしっかりされていることが重要です。
こちらの採用ターゲット設定については過去の記事でも書いています。
ペルソナ設定ともいいますが、年齢、性別、に加え性格、価値観、趣味、普段読んでる雑誌まで、本当にその人物が思い浮かぶまで定義することが重要です。社内の優秀な人材を複数具体的に思い浮かべて、彼らの共通点を洗い出すとやりやすいと思います。例えば、
「うちで優秀な人材の共通点って、みんな勉強家だよね」
「なんとなくだけどみんな素直だよね」
など、共通点を挙げていく作業です。
顕在ニーズ
採りたい人材が明確になったら、次に彼らの気持ちになって、
彼らの転職する上での課題はなんでしょう?
このことを考えるのが最初のステップです。
これは、具体的に想定した人物にインタビュー、アンケートをするとより解像度が増すと思います。また、普段彼らに接している中で、感じる彼らの課題を思い出してみてください。
今回の事例ですと
・人事制度が整っている会社に行きたい
・同じ想いに共感してくれる仲間がいる職場に行きたい
・独立したいと思える研修制度、育成マインドのある会社にいきたい
・結婚、出産、育児にもサポートがある職場に行きたい
などが挙げられました。比較的想像できるニーズ、課題にあたります。
潜在ニーズ
続いて潜在ニーズ。
言われてみればわかる課題、ニーズのことです。
これは、アンケートやインタビュー、また彼らの気持ちになって考える中で「ぽろっとこぼれる本音」です。顕在ニーズと違い、深く観察して初めて見えてくるニーズでもあります。
今回の事例ですと
・ノルマ達成よりも目の前にお客様に喜んでもらうことに集中したい
・給料は今より高いところに行きたいし、頑張れば増える環境がいい
など、あまり普段言えないようなこと、つまり「ぶっちゃけた本音」がこれらに当たります。
インサイト
最後にインサイト。日本語で言うと洞察です。
まず「ニーズとインサイトは違う」ということ。
ニーズとは「需要」や「欲求」のことです。
「●●がしたい」「●●が欲しい」のように表面化されています。
インサイトとはユーザー自身が自覚していないものです。
顕在化されているニーズに対して、ユーザーの無意識下にあるという意味で、インサイトはニーズよりももっと深い場所に存在すると言えます。
ここまでくると、インタビューやアンケートでも出てきません。あくまで担当者が洞察していく作業になります。顕在ニーズ、潜在ニーズを深掘りしていく中で「実はこうなんじゃないか?」という予想する作業です。
この作業は正解はないと言われています。ただ、手法としては以下の4点を考えると良いと言われています。
1:「なぜそうしたか」を考えるー「目的」と「手段」の関連性。
例:「美容系に転身したいから転職した」といった発言について、「転職」は手段なのか、それとも目的なのか。深堀りしていくと「成長できる環境に行く」目的のための手段だった、という新しい目的が見えてきたりします。
2:矛盾や葛藤に注目するーあえて矛盾点を見つけ出す。
例:「厳しい環境で成長したい」と言いながら「福利厚生は大事」。こうした矛盾の裏には、理性と感情の間にある、人間の葛藤という感情が隠されています。「ぶっちゃけどっちも叶う職場が一番いい」と言った本音です。
3:ネガティブ要素をポジティブに変換してみるー意識的に反転させる視点例:「忙しい」というネガティブを「『やりたい』と言ったものはやらせてくれる裁量権の大きさ」と言い換える。
4:人間の欲求と照らし合わせてみるー人間の根底にある普遍的な欲求に注目
例:「マズローの欲求5段階説(自己実現>承認>社会的>安全>生理)」の「自己実現」という欲求に訴えかける、「将来的には独立を支援できる社内企業制度」。
以上4点を考えるとインサイトにたどり着きやすいと言われています。
今回の事例では、
・ひとりひとりに寄り添える「美容鍼灸スペシャリスト」へ転身する決意の背中を押して欲しい。
というインサイトに行きつきました。
何度も言う通り、インサイト設定には正解はありませんが、筋の良いインサイト、筋の悪いインサイトで、企画の成否がかかっている大事な要素です。大事なのはどれだけ深く考えるか、と言えます。
採用動画のコンセプト
インサイトまで決まれば、あとは動画のコンセプトは自然と決まってきます。今回の事例は、
インサイト=美容スペシャリストの転身に背中を押して欲しい
コンセプト=美容鍼灸転身を全力で応援します
となります。
このコンセプトに沿って、動画の構成を考えていけば良いのです。
例えば、
「わたしの美容鍼灸師転身ストーリー」として先輩社員のインタビューを軸に、普段働いている様子をインサートで見せる映像。インタビュー内容は「美容鍼灸師として転身してよかった、なぜなら・・・・」という転身成功ストーリーになるような内容で構成。
と言った具合です。
採用動画の絵コンテも見えてきます。
以下大枠の一例です。
ここまできたらあとは撮影準備に入ります。
大枠の構成後の動画制作の手順は以下の通り。
動画は準備が8割、と言われていますが、お分かりいただけるかと思います。その準備で一番大事なのがこのコンセプト作りからの構成作りです。
この部分をいきなり制作会社に丸投げするのではなく、まずはしっかりターゲットを設定し、デザイン思考でインサイトまで落とし込む作業が重要なのです。
冒頭にもあった通り、私はキャリアコンサルタント兼動画ディレクターとして、この採用動画の企画コンセプト作り、を重要視してお手伝いしています。ご興味のある方は是非こちらのサービス紹介ページをご覧いただき、お問い合わせください。
簡単なご相談からでも結構です。
ご連絡はTwitterのDMまで
https://twitter.com/zakisan_carecon
まとめ
採用動画にコンセプト作りに「デザイン思考」を活用してみました。
デザイン思考とは、
共感する>定義する>考える>プロトタイプを作る>評価する
の5つのステップがあります。採用動画ではこの最初の3ステップを活用して
共感する=顕在ニーズ:採りたい人材において転職における課題
定義する=潜在ニーズ:言われてみればそうだな、と思う課題
考える=インサイト:採りたい人材が気づいていない課題
を考えます。
その前に重要なのが採りたい人材=採用ターゲット設定です。自社の優秀な人材を複数思い浮かべて共通点を上げていくのがおすすめです。
顕在ニーズは、彼らにインタビュー、アンケートをとり、抱えているニーズを出していきます。例えば、人事制度が整っている会社に行きたい など比較的想像できるものです。
潜在ニーズは、彼らの「ぽろっと出る本音」を集めます。例えば、給料は今より高いところに行きたい といったぶっちゃけた本音です。
インサイト(洞察)は、顕在・潜在ニーズとは違い、もっと本質の「彼らも気づいていないニーズ」を考える作業です。コツとしては4つの手法があります。
1:「なぜそうしたか」を考える ー「目的」と「手段」の関連性。
2:矛盾や葛藤に注目するーあえて矛盾点を見つけ出す。
3:ネガティブ要素をポジティブに変換してみるー意識的に反転させる視点4:人間の欲求と照らし合わせてみるー人間の根底にある普遍的な欲求
インサイトは正解がないため、どれだけ深く考えるかが重要です。
インサイトがわかれば動画のコンセプト、構成、絵コンテとスムーズに進めることができます。例えば今回であれば
インサイト=美容スペシャリストの転身に背中を押して欲しい
コンセプト=美容鍼灸転身を全力で応援します
構成=「わたしの美容鍼灸師転身ストーリー」
となります。
動画は準備が8割、その中でも一番大事な準備がコンセプト作りです。
制作会社にいきなり丸投げではなく、まず社内で
採用ターゲット設定>顕在ニーズ>潜在ニーズ>インサイト
まで行うことをお勧めします。
もし不安でしたら、キャリアコンサルタント兼動画ディレクターの弊社にご相談ください。
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