
#6 転職、就職について悩んでるあなたに
僕は今まで19歳から社会人になり今までの16年間、9回転職して、10回引っ越しして色んな国や土地で料理人携わる様々な仕事をしてきた。
その経験から、これからの社会人や転職に悩んでるあなたに、
自称ジョブホッパーのプロとして辞めるタイミングやその時の考えについて何か少しはいいアドバイスになれるよう書いてみようと思う。
1番最初は地元熊本のホテルで四川料理を6年修行。
10年でやっと1人前になれると言われてるのに面接では1年で出来るだけ吸収して福岡に行きたいと思っていると正直に話した。
すると、
『お前、舐めているのか』
と言われた。
おぉ、これが社会というものか。
と思ったがとりあえず認められるようになるまでやってやろうと言う気持ちに切り替えた。
当時はなかなか珍しい、中華の料理人がホテルの社長というレストランの内定を無事にもらい
入社式で新入社員が1人1人挨拶する中で自分の番が回ってきた。
自分の名前を言った後
『僕は社長の座を奪います』
と言って座った。
ちょっとざわついてるのを感じ、顔と名前を覚えてもらえて僕の作戦は成功した。
そこから地獄の様な日々が流れ、あっという間に1年が過ぎようとしていた。
1年間何をしてたかというと、ほぼ鍋を洗っていただけだった。
なぜかというと、厳しすぎる環境で、
僕も含め3人いた同期は逃げ出してあっという間に3カ月で僕1人になっていた。
最初は3人で振り分けてやっていた仕事を1人でやるという鬼タスクになり、
あぁ、もうダメかもしれないと泣きながら帰ってたのが今ではいい思い出。
考えを改め、このまま鍋だけ洗ってたんじゃ上に行けないと思い、
必死で上の仕事も盗んで、やらなくていいような更に上の仕事もみんなが帰った後に残ってやってたから、
その頃の記憶はあまり覚えていない。
そして待ちに待った後輩を迎える日がきた。
人が抜けた分いきなり3人の後輩が出来て、1人で子供を3人みるようなあり得ない状況に陥った。
1人に何か教えたら、また違う後輩に同じ事を教えてくれと言われる
更には教えたのに、全然違うとんでもないやり方で仕込み始める後輩もいた。
教えるだけならまだしも、教えながら自分の仕事をやらないといけない。
教える時間にかなりの時間を取られていた。
もう諦めて自分の仕事を後回しにしてとりあえず仕事の仕方を教えた。
今思うと教える事の難しさや、情報を共有する大切さを後輩達から学ばせてもらった気がする。
ありがたい事にみんな出来る後輩達だったのでしっかり教えたら、自分の仕事も手伝ってくれるようになりスムーズに行くようになった。
それからたくさんの後輩が出来て、3年目に突入しそろそろ転職を考え始め、ビビりながら考えを料理長に伝えた。
『まだ甘い』
当時若手の辞め方は逃げ出すしかなかったが、僕は今まで育ててもらいお世話になった会社にはまた顔出しに遊びにこれるような付き合い方をしたかったから、
切り替えて結果を出すという方向にシフトした。
それは2年に1度ある料理の大会で結果を出す事。
夜中にTSUTAYAで料理本を読み漁り勉強した甲斐もあり運良く40歳以下の前菜部門で先輩達を差し置いて賞を取る事ができた。
よし、そろそろといけるかと思いもう一度退職希望を伝える。
『まだ甘い』
やっぱまだ甘いかー!
と思い2年後諦めずまた大会に応募し無事予選を通過。
東京での決勝を控えた中もう一度自分の意思を伝える。
3度目の正直でそこまで言うならとやっと認めてくれた。
辞めるのに2年以上も掛かったが、振り返るとやはりその間に凄く大事な事を勉強させてもらえた。
お陰で年末のお節を手伝わせて貰ったり、今でも社長とランチに行ったりできている。
これが1つ目の僕が言える転職タイミング
最低限自分という人間が他者に認めてもらえてから転職するという事。
これは特に大きい企業に対して当てはまる事かもしれない。
そして僕は熊本から東京に上京し、表参道で学生時代の友人と右も左も分からない若造達が1年半という期間限定の屋台を自分達で始める。
期間が決まってるならやり切る、そう決心し勢いだけを持ってスタート。
そりゃーもう、凄かった。
また改めてこの時代の話を書こうと思うが
ぶつかって、揉めて、ケンカして、お客様に支えられ、仲間を集めて、助けてもらい、店舗を増やし、またケンカ。
最高に濃密だったけど楽しかった。
期間限定のはずが、延長が決まりそのまま残るか悩んだ。
ただ、東京に出てきてすぐ感じた事が海外の人達の多さ。
色んな海外のお客さんが来てくれて、どうしても海外に行きたくなった。
何の人脈もなく、英語も出来ないまま世界一周する事を1年過ぎた頃から本気で考え始める。
お店もやっと起動に乗ってきた中、そのまま店舗を持つという事も出来たが自分の気持ちに正直に従い1年半でお店を辞めて
バックパッカーになり1人で海外放浪へ出る事を決心。
人生何度かどうしても道を選ばないといけない時がくる。
そう言う選択を迫られる時は、安心する道か難しい道という風に捉えて
必ず難しい事を選ぶ。
そうする事でリセットされ、成長に繋がるんではないかと。
これが2つ目の僕が言える転職するタイミング。
やりたい事が見つかればすぐやる。
自分の心に正直に従う事が後悔しない生き方なのかなと自分なりに思ってる。
僕は世界の食文化をこの目で見て、必ずどこかで働いて帰ってくるとう目標を立て旅に出た。
バックパッカーをやってる間に色んな人に知り合い、そして運良くお金を盗まれ、更に色んな物を盗まれ、
途方に暮れてるとフランスで働かないかと誘われ、旅を辞めてフランス語も分からないままパリでお店を立ち上げるプロジェクトに参加し働き出す。
フランスで難しいと言われるサラリエビザを運良く貰えて、シェフになってお客様も仲間も集まってお店は起動に乗った。
なんならそのままずっとフランスで働き続けることも出来たけど、1年を過ぎた辺りで違和感を感じる様になってきた。
毎日違うことや新しい事をやってても、何故かどこかで慣れを感じる時がある。
そういう時こそ地位も環境もリセットする時期。
そう。
仕事に慣れてきたと感じる時が僕が思う3つ目の転職のタイミングだと思ってる。
To be continue
まとめ
①思ってる事は隠さずしっかり伝える
(もし海外で生き抜いていきたいと思う人はマストなスキル)
②第一印象に“変な奴が来た“というイメージを植え付ける(後々あいつはあいつだ仕方ない。と大目にみてくれる可能性が上がる)
③同期が辞めて仕事量が増えたり、仕事を振られたら、やらされてると思わず最初から自分
の仕事なんだと思い込む
④新しい仕事を教えてもらった瞬間から、次の世代にいつでも、どんな状態でも教えられるように常に準備をしておく
⑤逃げ出す事は絶対にしない。転職する際は最低限認めてもらい必ず笑顔で送り出してもらえる様に。そしていつでも帰れる場所にしておく(どんな上司であろうとも同じ人間。諦めなければ必ず分かってくれる)
⑥会社の外で結果を出す
⑦世の中は狭い。どこで何が繋がるか分からないからたまにお世話になった場所には顔を出す
⑧簡単な道か、険しい道の選択を迫られた時は難しい方を選ぶ
⑨環境、立場、ポジションに慣れて居心地が良くなってきたらリセット(転職)するタイミング