#52 わたしは多面体
小山田壮平の純粋な心が好きだけど、彼は多面体だ。混じり気のないものばかりではないこと、盲目にファンをやっている私だって知っている。
「題材の一人?」
昨日の夜に言われたこの言葉は、心臓の大動脈部に深く突き刺さった。
私が書くために色んな人間を知りたくて、性格を、人生を知りたいから色んな人と出会って話したい、だから社交的なんだと言うそんな話をしていたら言われた。悔しいけど、私の人間性は疑われて確かに当然だ。
純粋に人を想ったり愛したり、大切だと思う右脳の横で、左脳は恐ろしく冷静に人間のことを分析し、カテゴライズし、言語化している。
そうして蓄えた人間のメモを増やして、新しい架空の人物が出来ていく。確かにそれが夢に囚われた私の人生であり人となりである。
だから好きでありながら万人皆、たしかに題材の一人ではあるよ。認める。それに抵抗感がある場合、私は切った方がいいね。
人間性を疑われすぎて昨日からとっても悲しくて憂鬱である。
言葉を尽くしても私は足りない様な口先の不器用な人間であるので、書いて伝えてきたけど、それにも昨日は限界が来ていた。
ある程度疑ったら、そのあとは手放しに信じるのも愛情なんじゃないのか。
自分じゃない人の気持ちなんて分かりっこないのに、自分の気持ちも私はちょっと前からずーっと、分かっていない。
今とても混乱している時期なんだと思うよ。
仕事が始まり、夢への拍車もかけているこの頃は、自分に向き合ったりするのを蔑ろにし易くもある。
そろそろ次の公募を書かなくちゃ。
ずっと孤独でいる気はないし、私がワイワイガヤガヤしたいのはいつでも寂しいからだから、人との繋がりは時間をかけて掴みたい。
でもその一方で、人を傷つけるくらいなら恐ろしく人間分析を始める左脳はひた隠しにしなければならず、そうなると夢関連のことはますます無邪気に語れなくなる。そしたら私はどこに行き着く、そして誰だ?
私の多面体はいつか許されるのか、それとも誰かに嫌な感情を与える前に一人でずぶりと孤独の沼に浸かるべきか。
なんてことを夢うつつにずっと考えていたら、今朝は長く眠ってしまい、起きたら嫌な汗をべっとりかいていて、シャワーを浴びた。
どうして人間はいつまでもこう生き辛いだろうか。
悲しく目覚める朝ばかりなんだろうか。
きれいなものになりたくて、ブーケを買った。
部屋に飾る日を楽しみに待つ。
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