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金もデュアルランドも持っていないがレガシーデッキを組む

「《打開》を《ゴルガリの墓トロール》の【発掘6】で置換して気持ちよくなりてぇな」

きっかけはそんな、なんとなく舞い降りたフワッとした思いつきだった。

皆さんはドレッジというデッキをご存知だろうか?
親の仇のように嫌っている人もいれば、私のように好むプレイヤーも居るだろう。

あえてご存知ない方(未来のドレッジユーザー)のために説明すると
ドレッジ(デッキ)とは【発掘N】というキーワード能力を持ったカードを墓地に送ることで高速で墓地を肥やし、墓地からクリーチャーをリアニメイトし、高速で殴りきるコンボ系ビートダウンデッキの系譜である。

フェアデッキたちが使わない(最近はそうとも限らないが)墓地という領域を、さながら自分の手札のように扱うこのアーキタイプは様々なフォーマットで数多の禁止カードを輩出した。

フルパワーのドレッジデッキは正に最強と呼ぶにふさわしいデッキだ(個人の見解です)


ここで冒頭に戻ろう。
「《打開》を《ゴルガリの墓トロール》の【発掘6】で置換して気持ちよくなりてぇな」
これがどういうことなのかというと

Breakthrough / 打開 (X)(青)
ソーサリー
カードを4枚引き、その後あなたの手札からカードをX枚選び、残りのカードを捨てる。

Golgari Grave-Troll / ゴルガリの墓トロール (4)(緑)
クリーチャー — トロール(Troll) スケルトン(Skeleton)
ゴルガリの墓トロールは、あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚につき、その上に+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。
(1),ゴルガリの墓トロールから+1/+1カウンターを1個取り除く:ゴルガリの墓トロールを再生する。
発掘6(あなたがカードを1枚引くなら、代わりにあなたはカードを6枚切削してもよい。そうしたなら、あなたの墓地にあるこのカードをあなたの手札に戻す。)
0/0

本来は癖が強く、使い勝手の悪い(せっかく4ドローしてもXを大きな値にしないと手札が残らない)《打開》だが、墓地に《ゴルガリの墓トロール》がある状態で唱えると
『6枚墓地を肥やしたあと手札の《ゴルガリの墓トロール》を墓地に捨てられる』超強力カードに変わるのだ。

もちろんこの手のデッキなら6枚も墓地に落とせば次の発掘カードが墓地に落ちるので、最高の回りなら《ゴルガリの墓トロール》×4=24枚の墓地肥やしになる。
ドレッジの説明でも書いたがドレッジは「墓地を手札のように扱う」デッキだ。
ならば墓地肥やしはドローに近しい行為と言えるだろう。
実質24枚ドロー(に近い動き)だと言えばこの気持ちよさが伝わるだろうか。

さて私はカード同士のシナジーが好きだ
シナジーが作用してデメリットがメリットに反転する構築は最高だ

この《打開》というカードは
・能力の癖の強さ(癖がメリットになる気持ちよさ)
・ドロー枚数の多さ(シンプルな強さ)
・デッキとのシナジー(発掘と組み合わさった爆発力)
・Breakthrough / 打開というカード名(かっこいいよね)
どれを取っても素晴らしい。
私がMtGで一番好きなカードと言っても過言ではない。


さて、ここからが困った点なのだが
残念ながら私が主にデッキを組んでいるモダンフォーマットに《打開》は存在しない
それどころか《ゴルガリの墓トロール》も
誘発能力でゾンビトークンを生成する《黄泉からの橋》も
フラッシュバックでリアニメイトする《戦慄の復活》も
2ドロー2ディスカード《信仰なき物あさり》も
全て禁止である。

無論、これらのカードなしにドレッジデッキを組むことは可能。
、、、だがそれでは意味がない。

だって
「《打開》を《ゴルガリの墓トロール》の【発掘6】で置換して気持ちよくなりてぇ」んだもの


ならば答えは一つだ。
レガシーデッキを組もう。

そう、それが私がレガシーデッキを組もうと思った動機なのだ。


「デュアルランドもLEDも高すぎるだろ、、、給料にMtG手当てつけてくれ、、、」


MtGプレイヤーの金銭感覚はだいたいバグっている。
かくいう私もその一人だと思うが、
、、、流石にデュアルランドの値段は真顔になる。
最安値でも4枚揃えようとしたら、、、

、、、どうやら私はまだ狂気が足りていなかったらしい。
まだまだMtG沼の若輩者だ。

そして《ライオンの瞳のダイアモンド》通称LEDも同じくらい高価だ。

ボーナスを全部注ぎ込む?それが出来れば苦労はしねェ


はてさてMtGを始めたころに即座に手を出さなかった自分が悪いのか、
はたまた現在大富豪になっていない自分が悪いのか、、、

私のような金も地位も名誉もないカジュアルプレイヤーはレガシー環境への参入を諦めるしかないのか、、、

諦めが私の脳裏によぎった時、360度回転した私の脳味噌が別の答えを提示した。

「いや、《ゴルガリの墓トロール》を墓地に置いて《打開》を唱えるのに《underground sea》も《ライオンの瞳のダイアモンド》も要らないじゃん。《湿った墓》から唱えよう。だってカジュアルプレイヤーなんだもの」



そう、入賞デッキリストを眺めながらデッキを考えると「入賞レベルのデッキでなければいけない」という先入観を抱きがちだが、そもそもの構築動機はただ一つ
《打開》を唱えて気持ちよくなりたいだけなのだ。

それにそもそもテンポを取ってライフ2点差で勝ち負けが決まるようなアーキタイプでもない。
《湿った墓》をライフ2点払って出そうじゃないか。

入賞レベルでなくてもドレッジデッキのポテンシャルなら(多分)そこそこレガシーデッキたちと渡り合えて、もちろん《打開》も唱えられる。

簡単なことだったのだ。
高額カードなんて無くても好きなデッキは組めるし組んでいい。
必要なのは正に思考の《Breakthrough / 打開》だった、というわけだ。


さあレガシーを組もう
他の誰のためでもなく、自分が好きなカードを使うために


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