IFという並行世界を演算して
最近非通知着信が多い。数日前の夜中と今日は始業して間もないとき。非通知は受け付けない設定をしているから出ることは無いが気味悪さが際立つ。夜中になる電話や地震速報、LINEの送信取り消し等見ると動悸が止まらなくなったりと苦手なものが増えた。
もし、この選択をしていれば…そのようなもどかしい経験はしたことあるだろうか。
例えば、試験を受けて自己採点した時に最初に選択した答えが合っていたのに悩んでしまって違うのにしたら最初のが当たっていた。つまり回答を変えなければ得点が取れたというような経験だ。
このように人はたくさんの選択であったり人生が分岐していてどちらかを進むその繰り返しであろう。
仕事をしている時に窓から見えるビル群をぼんやり見てたまにもし…ってのを考えてしまう。
・もし、遠距離を続けていたら…
・もし、私が今の仕事をしていなかったら…
・もし、私が変わらず学生の身分を続けていたら…
・もし、双方が社会人だったら…
仕事については最後まで内定を持っていた会社と今の会社どっちにするか内定式が行われる数週間前までという最後の最後まで悩んだ。内定辞退した企業は私の経験や能力を見込んで10年以内に米国駐在員にしたいとかなり海外派遣を前向きに見ていた。(語学力大してない部類のはずだが、語学試験のスコアや留学経験からポテンシャルを感じたのだろうか?)
今の会社はほとんどの社員が東京に居られるがもう一方は国内事業所がいくつかあるため転勤する可能性があると。元カノとの今後を考えた私は今の会社にした。あの子に何かあった時にすぐに動けるのが東京であると判断したし、結婚も本気で考えていたぐらいだから全国転勤リスクで離れ離れになることをなるべく避けたかったからだ。それに結婚するならお金に困らない方が良いだろうなと考えて初任給も高く、給与曲線も高いであろう今の会社にした。
少しでも同じ方向を向けるように私は努力した。あの子のフィールドとは全く同じとは言えないけれども少しでも近い場所にいられる為に配属部署希望は近いものにしようとしていた。少しではなくて完全に同じ方向を向いていたら何か変わったのか。ずっと一緒にいられたのかな?
私はただ幸せな生活を送りたかった。今日こんなことあったって食卓囲んでちょっとお酒飲んで2人でのんびりと過ごしてそんな日々を描いてた。ただただ普通の心の底から温かくなるような生活を私は望んでいたのだ。贅沢な暮らしとかじゃない。ただ好きな人と楽しく幸せに笑うそんな生活を望んでいたのだ。
もし、あの子が思いやりを持っていたら。もし、私が戦場のような環境に耐えられて心に余裕があれば何か変わったのだろうか。同じ学生だったら分かり合えたのだろうか。あの子が住む街の近くで働くことができていれば何か変わったのだろうか。学生時代ではなくてどこか双方社会人で成熟した精神を持った状態で出会えていたら何か変わっていたのだろうか。
そんなIFを頭の中で思い浮かべて実際に自分が望むシナリオになる確率を考えようとした。
そもそも出会えただけで天文学的な確率なんだよな。宝くじで1等を当てるより難しい確率なんだ。そこから望むシナリオの確率なんて求められない。もっと低い確率であるのは明らかだ。
本当に凄いことだったんだ。だから今付き合っていて幸せと感じているカップルの人は私みたいに一人ぼっちになってIFの演算をしないで幸せに笑って生活してほしい。だって当たり前のようで天文学的な確率を勝ち取ったんだから。
そんなIFを考えても無駄なのは分かっている。関係は終わっているんだから。もしカミサマの悪戯で巡り合ってヨリを戻してもまた同じ結果になるだろうから私のしているIFという考えは無駄なのも理解してる。それなら職場と自宅を行き来する人生をしばらく過ごそう。実際1人の方が寂しいけど楽である。起きて仕事行って帰って寝る。自分の機嫌は自分で取れている状況で他の人の事を考える余裕はない。自分とは違って彼女持ちの人は時間を作っているし、出会いが欲しい人は合コンやマッチングアプリをしている。本当に凄いと感心している。
彼女持ちの同期が言っていたことだが、彼女欲しかったり居ると何かを削らないといけないと。実に金言である。(鋼の錬金術師でいう等価交換であろうし、経済学でいうトレードオフの原則だろう。)
どうか幸せであってほしい。遠く離れた街にいるあの子も街行くカップルたちも。
2024年7月30日執筆