お土産メモリーズ・台湾編
私には旅行から帰った後に必ず行う1つの習慣がある。
買ってきたお土産を机上へ一堂に並べ、写真に納めるのである。
なので、私の旅行写真フォルダは必ず並べられたお土産の写真で締めくくられている。
つまり異国から連れ帰った思い出の断片達を写真に収めたその瞬間、いよいよ私の旅は終焉を迎えると言っても過言ではないかもしれないし、過言かもしれない。
これはそんな終焉の証に着目した、旅の思い出を掘り返すシリーズである。
随分とご無沙汰になってしまったお土産シリーズだが、久しぶりに書いてみるのは先日訪れた台湾編である。
期せずして延長された6泊7日の旅の戦利品がこちらだ。
超定番
最も定番の台湾土産といえば、やはりパイナップルケーキ(鳳梨酥)だろう。
クッキー生地に包まれたパイナップル餡が何とも言えない美味しさの逸品である。
定番なだけあって、様々な店やブランドでそれぞれに趣向を凝らしたパイナップルケーキが販売されており、選ぶのも一苦労だ。
高級なものから安価なものまで様々だが、大別すると鳳梨酥と土鳳梨酥に分けることができるようだ。
どちらもパイナップルケーキなのであるが、餡に違いがある。
鳳梨酥は、伝統的な製法で餡にパイナップルのほかに冬瓜が含まれている。
そのため、比較的マイルドな味わいで餡も滑らかになっている。
一方で土鳳梨酥は100%パイナップルだけで餡ができているのが特徴だ。
食べてみるとパイナップルらしい酸味が感じられ、果肉感のある餡といえる。
どちらが良いかは完全に好みだし、いずれを選んでもさらに高級なものから安価なものまでいろいろなラインナップがあるので、ばら売りや試食などでお気に入りの逸品を見つけるのがいいだろう。
あえて私のおすすめを挙げるならば、福田一方鳳梨酥のパイナップルケーキを推す。
福田一方鳳梨酥は、台北市内・寧夏夜市の近くに店を構えている。
この店最大の特徴は、その場で熱々のパイナップルケーキを食せることだ。
その場で買うとオーブンから焼きたてを取り出して提供してくれる。
焼きたてでサクサクの生地と繊維感のあるパイナップル餡が何とも言えなくおいしい。
お土産として即買いを決めた瞬間である。
持ち帰り用に普通に包装したものも販売されている。
焼きたてのサクサク感は流石にないが、しっとりしていてもそれはそれで美味しい。4種類の味が選べるので、オリジナルだけで攻めるもよし、食べ比べするのもまた良いだろう。
そこそこ定番
パイナップルケーキの次に定番といえばヌガー、特にヌガークラッカー(牛軋餅)だろう。
甘いヌガーを塩気の効いたネギ入りクラッカーで挟んだ逸品で、甘さとしょっぱさのバランスが良く、いくらでも食べれてしまうお菓子だ。
ネギとヌガーが合うのか?と思うかもしれないが、これがまた何とも言えない相性の良さを出している。
これもいろいろな商品があり、ヌガーの硬さや甘さ、クラッカーの塩気などがいろいろあるのでお気に入りを探してみるのも楽しいだろう。
お菓子類以外でいえば台湾茶なども定番と言っていい。
烏龍茶や東方美人茶といった定番の中国茶系や、台湾中部の蒋介石が愛した秘境・日月潭産の紅茶など幅広いラインナップから選ぶことができる。
コスパを重視するならばスーパーマーケットなどで購入するのもよいし、専門店でちょっといいお茶を買うのもアリだ。
私は台北の永康街に位置する小茶栽堂でお茶を見繕った。
店内の写真を撮るのを失念していたが、おしゃれな店内で試飲もしながら選ぶことができ、またパッケージも鮮やかでちょっとしたお土産には適しているといえるだろう。
台湾の奇跡
その他食品部門としては調味料やインスタント麺があげられる。
ラーメン系で激推ししたいのは、本編にも登場したKiki麺である。
台湾に数店舗を構える四川料理店KIKI餐庁が手掛ける袋麺は、スーパーマーケットでも手に入り、クオリティが高い。
なお、スープに使ったラーメンではなく、いわゆる「まぜそば」に該当するものである。
前回の訪台時に右の椒麻拌麺(花椒チリ)だけを購入していたが、ほかの味も食べてみたく複数種類購入した。
他にも味があるようだが、残念ながらこの2種類しか見つけられなかった。
乾麺と液体スープが入っており、3-5分茹でたら麺にスープを絡めて出来上がりである。
定番の椒麻拌麺(花椒チリ)は花椒の爽やかな香りと辛さが口の中に広がり、麺の歯ごたえと相まってどんどん食べ進めたくなる味だ。
しかし、しっかりとした辛さがあるので辛いものが苦手な人にはお勧めはしない。
その場合、葱油拌麺(ねぎオイル)が良いだろう。こちらは辛みがなく、葱の香りが広がる癖の少ない味わいである。
台湾の袋麺といえばレトロなパッケージの科学麺や王子麺、統一麺といったブランドが定番だが、袋麵界の超新星としてKiKi麺をお勧めさせていただきたい。
なお、一応日本でも手に入れることができるようだ。
調味料系といえば、台湾限定ほんだしもいいお土産になる。
味の素が販売する正真正銘のほんだしだが、台湾には限定のホタテ風味ほんだしがあるのだ。
ホタテの味わいが利いたほんだしも一度は味わってみるのがいい。
なお、1袋単体で販売されているものと3袋箱入りがあり、3袋入りのほうが割安である。
外身のパッケージを見る限り全く同じデザインなので、「ならば3つ入りを買って中身をばらまこう」と考えたくなるのだが、注意すべき点として単体で売られている袋と箱入りの袋はデザインが異なる。
箱入りの袋は、いうなればカップスープの袋のように色味の無いデザインなので、お土産にするには見栄えが良くなく、賞味期限等の記載もないので、もしバラマキにしようとするのであれば、割高でも単品を買った方が無難だ。
酒
酒を土産にする場合何といっても台湾ビールが第一の選択肢だろう。
スタンダードなものから、フルーツ系までいろいろあるので買って帰るのも悪くはない。
他方、台湾ビールは日本でも手に入るので、わざわざ重たい思いをしてまで買って帰る必要もないともいえる。
そうなると、ほかに考えられるのが近年世界的に評価の高まっている台湾ウイスキーも考えられるかもしれない。
ド定番はカバランだが、定番がゆえに日本でも入手しやすい。
その点で行けば、カバランほどの知名度がないオマーなどは日本で手に入りづらかろうが、ミニボトルを見かけなかったので購入しなかった。
そんな中、台湾ウイスキーではないが、日本では買えないという意味で個人的に激プッシュするのが、スコッチウイスキーのシングルトンである。
シングルトン自体は日本でも取り扱われている。
しかし、シングルトンは複数の蒸留所をまたいだ1つのブランドとなっており、国や地域によって取り扱われる蒸留所が異なっている。
近年日本ではダフタウン蒸留所のシングルトンが流通しているが、台湾ではグレンオード蒸留所のシングルトンが販売されているのである。
詳しくはグレンオード蒸留所を訪れたこちらの旅行記で。
個人的にはダフタウンのものよりグレンオードのものが好みなので、コンビニでもグレンオードが買える台湾の環境がうらやましく、ミニボトルをお買い上げして帰国した。
雑貨類
その他雑貨の類は多岐にわたるので、取り上げていくときりがないのではあるが、ナイロン糸で作られた鮮やかな漁師バッグはエコバッグや小物入れなど大小様々な用途で使えるものがあるので、選択肢に入るだろう。
私が見た限り、迪化街にあった昔ながらの店が品ぞろえが最も豊富だったので、近くに行った際にはのぞいてみるとよいかもしれない。
そのほか、おしゃれ度の高い雑貨屋は永康街に多い印象を受けた。
お土産屋自体は西門付近にも多く存在する。
が、西門の店が良くも悪くもTHEお土産屋、という感じなのに対して、永康街はおしゃれな雑貨屋、という印象の店が多く、よりお土産選びを楽しめるかもしれない。
おわりに
食品を中心にいろいろ取り上げてきたが、スーパー・コンビニで手軽に手に入るものから特定の店でしか手に入らないものまで、いろいろ買いそろえた結果が
こうなった。
流石に買いすぎた感がしないでもないが、まぁいいだろう。
人は足りなくて悩むよりも、多すぎて処理に悩む方を選ぶ生き物なのである。
余れば自分で消費すればよいのだ。
こうして、旅の記憶の欠片たちを写真に収めて、それについて語り終えた今、ついに私の台湾旅は終焉を迎えたといっても過言ではないし、過言かもしれない。
最後までご覧いただきありがとうございました。