スコットランド紀行 Day1 準備・出発編
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「あの日々をもう一度」
2年前の夏、私をスコットランドに向かわせる原動力となったのはこの思いだった。
通常、旅行先を決める時には一度訪問済みの国の優先順位は下がる。
従ってこの北の地について当初は候補にすら入っていなかった。
しかし突如頭に降って湧いた「スコットランドを車で巡る」というアイデアに私の心は激しく揺さぶられた。
なんという妙案だ。自分の才能が怖くなった。
もうすでに思い出となっていたイギリス在住の日々。車に乗ることすら非日常のイベントとなって久しかったが、
休みのたびに車を走らせてどこかへと旅をしていたあの日々が、一瞬でも帰ってくるというのは魅力的な響きを持っていた。
かくして帰任から約2年、再びイギリスの地を踏む機会は訪れたのだった。
計画編
私が勝手に思うスコットランドの魅力といえば特に以下の3つだ。
①城
ヨーロッパの歴史ある建造物の中でも、城がとりわけ好きだ。
宮殿タイプの城も悪くはないが、岩ゴツゴツ系の要塞のような城のほうがロマンを感じる。
それが廃墟だったりした日にはポイントが倍になる。
スコットランドには1500以上の城があり、中でも(廃墟ではないが)西部の入り江が重なった小さな島に位置するアイリーン・ドナン城は初めてスコットランドを訪れた際にポストカードで見て以来、記憶の片隅にとどまり続けていた景色であった。
②自然
スコットランドは壮大な自然もその魅力の一つだ。
厳しい自然環境にさらされた大地は、他ではお目にかかれない絶景の宝庫である。
特に南西部ロッホアーバー地方にある渓谷、グレンコーの息を呑む絶景は、旅のハイライトとして外せない場所だった。
こちらも初めてスコットランドを訪れた際にポストカードを買っていたので、きっとその時から惹かれていたのだろう。
③ウイスキー
スコットランドの名物の一つといえばスコッチウイスキーなのは言わずもがなである。
スコットランド各地に点在する蒸留所では、それぞれに特徴的なウイスキーが生産され、樽の中で刻を重ねながら世に出る時を待っている。
特に私の最も好きなウイスキーを造るロイヤル・ロッホナガー蒸留所は、一度は訪れておきたいと願う聖地のような場所であった。
ひとまずそれらを中心に、グレートブリテン島本土の行きたいところをモリモリに詰め込んで旅程を作る。
所要日数13日。
さすがに無理だ。
泣く泣く調整して11日に圧縮。
どうにかこれくらいの日数なら、と休みの許可を取り、
あとはとにかく観光情報を読み漁り、細かい旅程を詰めていったのであった。
地図にするとこのようになる。
北東部にある第3の都市アバディーンからスタートし、最北端を目指した後、南下して首都エディンバラを目指す。
出発編
今回の旅ではキャセイ・パシフィック航空を利用し、香港経由でイギリスへと向かう。
食べ合わせの悪い軽食を摂って、いざ飛行機へ。
羽田から5時間弱、飛行機は香港国際空港へと着陸する。
2時間弱の乗り継ぎ待ちの間、名物の担々麺を食す。安定の美味しさだ。
折しも香港は民主化デモの真っ只中であった。一時は空港もその渦中にあったそうだが、私が訪れたときには至って静かなもので、社会の喧騒とは無縁なような穏やかな景色が広がっていた。
そしてさらに飛行機に揺られて13時間。
ロンドン・ヒースロー空港へと到着する。
帰任以来のロンドンに否応なしにテンションの上がる私。
Welcomeおじさんとも2年ぶりの再会だ。
入国審査へ。いつの間にかデフォルトで電子ゲートが使えるようになっていた。
早速街へ出たくなる衝動にも駆られるが、今回の目的地はロンドンではないのだ。ターミナルを移動すると、軽食を取りながら時間を潰す。
SNSを見ていると興味深い画像が流れてきた。
ちょうどいいタイミングだ。せっかくならば滞在中にビンゴを目指すことにした。
そろそろ時間だ。最初の目的地、アバディーン行きの国内線に乗り込む。
約1時間半で飛行機はスコットランド第3の都市アバディーンに到着する。
アバディーンの地は私を優しく迎えてくれた。
ポルトガルの時とは打って変わってなんのトラブルもないスムーズな往路だった。
車を借りる関係上、ホテルを空港近くにとっていたので、ここからは徒歩だ。さすがはスコットランド、9月上旬でも夜は肌寒かった。
さらには小雨が降ってくる中、震えながらホテルへ。
チェックインを済ませるとベッドへと倒れ込む。
いよいよここからスコットランドの旅が始まるのであった。
Day2に続く。
最後までご覧いただきありがとうございます。
次回はアバディーンの街と、海沿いに立つ廃城を旅します。
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