7つの丘の街・リスボン 【ポルトガル紀行Day2】
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この記事はポルトガル旅行記の2日目です。
こちらの前日の記事の続きとなります。
波乱の幕開けとなりながらも、どうにか無事ポルトガル入りし迎えた2日目。昨日と全く同じ服装で、観光に臨む。
どうやらロストした荷物も今日中には手元に届きそうとの連絡があった。
今日は終日首都リスボンの観光だ。
リスボンはこんな街
リスボン(Lisboa)はイベリア半島西部、テージョ川の河畔に位置するポルトガルの首都である。都市圏の人口は300万人を超え、これはポルトガルの総人口の約1/4を占めている。
その街としての歴史は古く紀元前1200年にさかのぼり、ローマ・イスラムなどの支配を経た後、大航海時代にはアフリカやアジア、南米との交易の拠点として栄えた。その頃に建造された建築物のいくつかは「リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔」として世界遺産にも登録されている。
サン・ジョルジェ城
まずは高いところからリスボンの街を眺めるべく、サン・ジョルジェ城に向かうことにした。
リスボンは、7つの丘の街と言われるとおり、起伏に富んだ街だ。
だからか、階段にはエスカレーターがついているところが多く、高齢者にも優しい街になっている。
とはいえ、エスカレーターなど無かった時代、街中を移動するのも一苦労だっただろう。文明とテクノロジーに感謝しながら登っていく。
サン・ジョルジェ城は紀元前カエサルの時代に要塞として建設され、その後リスボンの支配者の歴史とともにその居住者を変えてきた要塞だ。
場所によっては城というよりもはや遺跡といった様相を呈している。
そんなリスボンの歴史とともに歩んだといえるこの城からは、美しい街の様子を一望することが出来る。
10ある塔のそれぞれから街を見渡してみると、それぞれの方向に異なる美しさがあるのだ。
各時代の為政者達もこのように美しい街を見下ろしていたのかも知れない。おっちゃんナイスポーズだ。
ポルトガルらしい昼食を
ポルトガルの名物の一つといえばサルディーニャ(イワシ)が挙げられる。イワシの缶詰にもオリーブオイル漬けやトマトソース煮込みなどバリエーション豊富でお土産にも便利な一品となっている。
そんなイワシを昼食にと訪れたのがMISS CANというお店だ。
ここでは、オリジナルデザインの缶詰を買うことも出来るし、ドリンクと一緒にその場で味わうことも出来る。
昼間からサルディーニャとビール。そしてオイルの有効活用のためにパンやチーズを頼む。なんて素晴らしいゴールデンウィークなのだ。
休みとはかくあるべし。今日は安息日だ。
都合の良い宗教観で休日をエンジョイする。
店員さんとは問題なく英語が通じたし、英語メニューもあったので、特に意思疎通に困ることはなかった。
どうしてこの店を知ったんだ?と聞かれた。どこかの日本のサイトで取り上げられていて興味を持ったのだ。そんな話をしたところ、大層嬉しそうだった。
市電のある風景
私がリスボンという街に興味を持ったのは10年以上前、何かの雑誌の1ページだった。そこではSONYの一眼カメラを携えたガタイの良い黒人男性が笑顔でリスボンの街の写真を撮っていた。
一眼の広告だったのか、あるいは何かの特集だったか、今となっては思い出せないが、その被写体になっていた坂道を走る市電の姿が強く印象に残ったことを覚えている。
リスボンには現在5つのトラムの路線がある。
そのルートの中には、狭い通りをすり抜けるように走るものもあり、それがまた画になるのだ。
特に、カテドラル(リスボン大聖堂)前を走る姿が良い。
また、市電の他に3つのケーブルカーが坂の多いリスボンの高低を結んでいる。
このBica線、距離にしてわずか240メートル。下りなら正直歩いたほうが早いレベルではあるが、急な坂をゆっくりと進んでいく。
リスボンの街、上から見るか?下から見るか?
坂を降り、テージョ川沿いまで歩みをすすめると、コルメシオ広場へとたどり着く。
広々とした広場の中心には18世紀の王ドン・ジョゼ1世の銅像が立つ。
後ろの白いアーチは凱旋門だ。
先程は上からリスボンの街を見下ろしたが、逆に低地から見上げる家々も乙なものだ。
黄昏のリスボン
高低差の大きいリスボンの街には展望台の数も多い。
その場所によって見える景色が異なることも当然だが、向きによって午前中に訪れるのが適していたり、夕刻が適していたりする。
私が夕暮れ時に訪れたのが、サン・ペトロ・デ・アルカンダラ展望台だ。
この噛みそうな名前の展望台、消臭力のCMのロケ地にもなっているので、見覚えがある方もいるかも知れない。
夕日を浴びるリスボンの家々が美しい。右手には午前中に訪れたサン・ジョルジェ城が見える。
ただ、この展望台には大変残念なことが1つある。
このように肝心の景色がフェンスで遮られてしまっているのだ。
写真を撮る分には、レンズを間から出せば良いのだが、肉眼で眺めるにはどうしても気になってしまう。
オレンジジュース屋台のお姉さん曰く、工事が行われるはずが、中断されてずっとそのままになっているそうだ。
せっかくの景色なので、どうにか対応してほしいものだ。
ジュースは美味しかった。
気を取り直して夕食だ。
夕食はホテルのあるバイシャ地区のJoão do Grãoを訪れた。
人気店らしく、かなりの盛況ぶりだったが、かろうじてテラス席に座ることが出来た。
シーフードが売りのようだ。なぜ魚にレモンをねじ込んでいるのかは謎だ。
とりあえずリゾットを頼むか、とスモールサイズのリゾットを注文する。足りなければもう少し何かを追加すればいい。
鍋いっぱいのリゾットがやってきた。
スモールとは。
どうにか食べきったが、明らかにシェアするサイズ感なので注意が必要そうだ。味は大変美味しかったので、コスパに優れているとはいえる。
リスボンのマグネット
リスボンのマグネットがこちら。
カテドラル・ベレンの塔(Day4で訪れる)・凱旋門と代表的な建物の下を市電が走る、リスボンらしいマグネットになっている。
荷物との再会、そして
ホテルに戻ると、ロストしていた荷物が届けられていた。1日ぶりの感動の再会だ。
やれやれよかったと思ったもつかの間、何かがおかしい。
まずスーツケースに巻いていたベルトがない。
そして鍵が開いている。しかもこじ開けられている。
イベリア航空に問い合わせたところ、保安上の理由で開けられたのだろう、とのことだった。
幸い中に貴重品は入れておらず、特に無くなっているものもなかった。
後日修理代金はイベリア航空から補償された。(ベルトは補償されなかった。)
しかし、鍵がこじ開けられてしまっており、鍵をかけることが出来ない。
まだ移動は続くので、これはたいへん困る。
だが幸いにしてファスナータイプのスーツケースなので、南京錠か何かをつければ対応可能だ。翌日どこかで手に入れることにした。
翌日はリスボンから日帰りでユーラシア大陸最西端、ロカ岬を目指す。
Day3に続く
最後までご覧頂きありがとうございました。
以下の記事に続きます。
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