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ホテルワーク体験記・東京重役編

私は時折、数日間自宅を離れてホテルワークをしている。
ほんのり旅行気分も味わえ、普段と異なる環境で仕事ができるので、たまの気分転換には最適なのである。

これはいくつかの場所でホテルワークをしてきた中で、良かったと思う場所について取り上げていくシリーズである。
今回は1泊3万円の高級ホテルワークを行った体験記だ。

今回のオフィス

コロナ禍で打撃を受けたホテル業界は、新たな需要としてワーケーションプランでの顧客受け入れを積極的に行っていることが多い。
それは、名門と呼ばれるホテルでも例外ではない。

今回私がホテルワークの場所に選んだのは、ホテルニューオータニ東京である。

ニューオータニといえば言わずと知れた高級ホテルであるが、そこでもワーケーションプランが設定されているのだ。

そのお値段、1泊3万3千円(税込)也。
残念ながら私は日給換算で3万円ももらえるほどの仕事はしていない。
完全なる赤字である。

それでも私がホテルワーク先として選んだのは、いくつかのポイントがあったからだ。

ポイント①滞在時間

通常1泊2日の場合、午後にチェックイン翌朝チェックアウトとなるため、1泊でホテルワークというのは現実的ではない。

しかしニューオータニのワーケーションプランの場合チェックインは朝8時、チェックアウトが翌日夜8時と最大36時間の滞在が可能なのである。
つまり、1泊の値段で2営業日分滞在できるわけだ。

ポイント②食事

ワーケーションプランには朝食が付く。

通常価格4,000円の高級朝食だ。
更に、10,000円分のミールクーポンがつくので、昼食などに使うことができる。

丸2営業日滞在できて豪華な食事を楽しめるのであれば、トータルで悪くないのでは?
こうして私は紀尾井町へと向かった。

では、ここからは実際にホテルワークを行っての個人的な評価をいくつかの観点から5段階で行っていきたい。

アクセス

ニューオータニが位置するのは東京のど真ん中、千代田区紀尾井町である。
1964年の東京オリンピックに合わせて訪日客の受け入れを目的として作られただけのことはあり、その立地は申し分がない。

東京メトロの永田町・赤坂見附・四ツ谷・麹町など複数の駅から徒歩でアクセスが可能である。

アクセス:5

価格

値段は先述の通り1泊33,000円(税込)である。
決してコスパがいいとは言い難いだろう。

しかし、少なくとも私はこんな機会でもなければ泊まることはないだろう、と思い、経験として泊まることにした。

なお2泊3日60時間ステイで6万円というプランもあったが、流石にもう1日滞在するだけの財力は持ち合わせてはいなかった。

価格:2

部屋

平日朝八時、早速紀尾井町へと向かい、チェックインを済ませる。
用意された部屋はメイン棟に隣接するガーデンタワーであった。
早速エレベータで25階の部屋へ。

ベッドの奥のスペースが仕事エリアになっている。
もちろん普通のレイアウトになっている部屋もあるだろう。しかし、私はデュアルディスプレイ依存症なので、TVがデスクと離れた位置にあると困るのだ。
そこで、「TVをモニターとして使えるようにできるならしてほしい」と予約時に伝えておいたところ、上記のようなレイアウトの部屋を用意してくれていた。流石は御三家の一角である。

このような部屋をあてがわれては、気分はすっかり執行役員である。
思わずパターゴルフのマットを設置したり、壁に毛筆でしたためられた謎の格言を飾ったり、巨大なダルマを配置したくなる執務エリアであった。

Wi-Fiの速度も申し分なく快適であった。
そしてモニターとして40数インチのテレビである。
ただ残念だったのがTVが古いものであったので、大きさこそ十分なものの、解像度が高くなかったのためあまり快適とは言えなかった点だ。

とはいえ、全体としては十分に満足できるクオリティと言えるだろう。

部屋:5

風呂

風呂に関しては、残念ながら大浴場などないので、至って普通のユニットバスである。
ガーデンタワーは1974年竣工なだけあって、最新鋭の設備とは言い難い。それでも不便さを感じさせず、また充実のアメニティがあるあたりは流石ニューオータニと言えるだろう。

風呂:3

周辺環境

千代田区という立地から、ホテルの周辺に飲食店などは事欠かないが、やはり特筆すべきはホテル内の充実ぶりだろう。

ホテルニューオータニといえば、館内にブランドショップやレストランを多数配置したプラザ型のホテルの元祖である。
ホテル内でショッピングを楽しむことも可能だ。
とはいえ、私にはコンビニとカフェくらいしか縁がなかったが。

そしてもう1点、ニューオータニを象徴すると言ってもいい施設といえば、日本庭園である。
都内の一等地にして約4万平方メートルという広さを誇る庭園は、かつて加藤清正の下屋敷や井伊家の庭園としても愛された約400年の歴史を有している。

昼休みなど、ちょっとした気分転換に庭園を歩いてリフレッシュができるのは魅力的だ。
池泉回遊式と呼ばれる、池を中心に配置してその周囲を散策できる庭園は、ホテルの庭園とは思えない本格的な庭園散策を楽しめる。

きっとお見合いで「あとは若いものに・・・」という段になると、こういったところを散策して雑談をするのだろう。

「錦鯉がいますね。錦鯉といえばM-1見ました?私は"もも"推しだったんで残念でしたねぇ。思うに彼らは最初大事に行き過ぎましたね。もっと早く畳み掛けておけばねぇ(早口)」などど情緒のカケラもない話題しか思いつかない私に縁談成立の気配はない。

周辺環境:5

食事

①朝食

今回のホテルワークにおいて最も楽しみとしていたのが、食事である。
先述したとおり、ワーケーションプランには4,000円相当の朝食が付く。

ルームサービスも含めて5種類の場所で、それぞれ絶品・最強・老舗・絶景・優雅という美味しんぼ感あるコンセプトの朝食を楽しむことができるが、私が選択したのは絶品の朝食であった。

ワーケーションプランでは選択できる朝食に制限があるので注意が必要だ。 

絶品の朝食はガーデンタワーのロビー階ラウンジでいただける。
身だしなみを整えて会場へ。東横インの朝食会場へ向かうのとは心持ちが違う。

日本庭園を見渡せるラウンジで、シェフの作る卵料理や自家製焼き立てパンをいただく。
なんと優雅な一日の始まりだろう。
1食でヤマザキチョコチップスナック30袋分の絶品朝食を堪能した。

②昼食

そして、同じくワーケーションプランには1万円のミールクーポンが付与されるので、昼食・夕食に利用可能である。
昼食に活用してみることにした。

館内のレストランで利用することもできるが、高級ホテルで一度はやってみたいことといえばルームサービスだろう。
この機会を逃す手はない。

ここで課題に直面する。
ミールクーポンは5,000円券2枚が発行される。
そしてお釣りは出ない。
つまり、昼食1食で5000円を食べ切らなければならないのだ。

お釣りが出ないだけで、使い切らなければいけないというルールはない。ただ、貧乏性な私がそれを許さないだけである。

Round 1

メニューを眺めながら長考に入る。

ホテルの昼食といえば、クラブハウスサンドというイメージがあった。
お値段2,600円。安い。注文決定。

そこには普段「100円で得られる満足感を考えたら味玉より大盛りだよね」とかみみっちいことを考える男の面影はない。

サラダも頼んでおこう。
温野菜オリーブオイル沿え。1,000円。決定。

困った。まだ1400円も残っている。
コーヒーを頼んでもいいが、勿体ない気がする。
そんな私の目に力強い味方が映る。
プリン・ア・ラ・モード 1,400円。
完璧だ。

こうして昼食フルコースが完成した。
電話で注文することしばし、うやうやしく台に乗せられた昼食がやってくる。

どう見ても頼みすぎである。
しかし注文したものを残すなどという無作法は許されない。
大変美味な昼食を堪能できたが、午後の仕事に差し支えるレベルの食べ過ぎとなったのは言うまでもない。

そして、ルームサービスには料金の他にサービス料10%が付与されるので、4500円頼めばサービス料込で約5000円になると気づくのはもう少しあとの話。

Round2

2日目。前日の反省を胸に再度ルームサービスを検討する。
やはりメインの値段が安いと品数を増やして対応せざるを得ないので、3,000円以上のメインディッシュを注文することが望ましいと言えるだろう。

その観点からメニューを確認する。
ニューオータニ伝統のカレー 3,100円
私は伝統とか秘伝とかそういった言葉にめっぽう弱い。
ひとまずカレーを軸に組み立てることにした。

サイドメニューは何で行くべきだろうか。再びメニューに目を落とす。
ニューオータニ伝統のビーフコンソメ 1,400円
私は伝統とか伝説とかそういった言葉にめっぽう弱い。
これも注文することにした。

今日も今日とてベテランと思われるスタッフの手によって昼食が運ばれてくる。

ホテルニューオータニ57年の伝統詰まった昼食である。
ホテルワーク5,000円ランチの最適解としておすすめさせていただきたい。

食事:5

おわりに

ホテルワークを行う上では、ある程度滞在先は経済的であることが望ましいと言えるだろう。
しかし、時には優雅な環境に身を置き、高層オフィス街と肩を並べて働くことで、また違った視座で仕事ができるかも知れない。

最後までご覧いただきありがとうございました。
来年も週1ペースで更新していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。


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zak
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