ホテルワーク体験記・京都紅葉編
私は時折、数日間自宅を離れてホテルワークをしている。
ほんのり旅行気分も味わえ、普段と異なる環境で仕事ができるので、たまの気分転換には最適なのである。
これはいくつかの場所でホテルワークをしてきた中で、良かったと思う場所について取り上げていくシリーズである。
今回は古の京の都のホテルワーク体験記をお送りしよう。
今回のオフィス
11月の後半ともなれば、京都も紅葉真っ盛りのシーズンである。
そんな折、私は京都の街へと降り立った。
最後に京都をまともに観光したのは、高校の校外学習以来であろうか。
私にとって京都というのは、単に実家への帰省に際して新幹線を乗り降りするための場所、という扱いであった。しかし実家が移転した今となってはそれすらも無くなり、本当に久しぶりに京都の地を踏むことになった。
さて、そんな私が今回のホテルワークに選んだのはABホテル京都四条堀川である。
https://www.ab-hotel.jp/kyoto/
比較的新しめのビジホ、と言った趣である。
アクセス
ホテルの最寄り駅は阪急の大宮駅となる。
京都駅から向かう場合は、バスで四条堀川まで向かうのが最も楽な移動手段になるだろう。
市内の繁華街や観光名所に出るにも便利な立地と言える。
アクセス:4
部屋
部屋は至ってシンプルなビジネスホテルのそれである。シングルルームBの広さは12.8平米と、決して広々としているわけではないが、ビジホだと思えば特段窮屈さも感じない。
デスクには十分な奥行きがあり、仕事をする上でも差し支えがない。
2018年オープンなので全体的に設備が新しく、隣室の音が漏れ聞こえることもほぼ無かったため、快適に仕事をこなすことができた。
部屋:4
価格
一泊の値段は約9,000円弱であった。
また、当時は全国旅行支援の期間中であったため、そこから更に40%が割引されたので、実質的には5,000円強と、秋の京都にしてはかなりリーズナブルだったと言えるだろう。
しかし、このホテルに決める上で私が逡巡したポイントが1つあった。
それはテレビ問題である。
私は仕事でもプライベートでもPCはデュアルディスプレイ派であり、拡張ディスプレイが使えないと途端に不安になるタチの人間である。
そのためホテルワークをする際には、ディスプレイとして使うために、テレビがデスク上に置かれているホテルを選ぶようにしているのだ。
ところが、このABホテル四条堀川は、最近のビジネスホテルにありがちな壁埋込みタイプのテレビが採用されていたのだ。
宿選びの段階でこの問題は認識しており、一度は他のホテルを探してみた。
しかし、相手は旅行支援期間中の秋の京都である。
ようやく見つけたテレビオンザデスクのホテルでは、既に旅行支援の販売が終了しており、3泊するとその価格差は2万円ほどになることが判明した。
2万を取るか。マルチディスプレイを取るか。
悩んでいた私のもとに天啓が舞い降りた。
「差額の2万でモバイルディスプレイを買えばいいんじゃね?」
いわゆるコペルニクス的転回である。
なんと既成概念にとらわれない自由かつ画期的な発想だろうか。
もはや天才のそれに近いと言わざるをえない。
社会人生活も10年を超えると、日常において褒められることなど、そうそうありはしない。
せめて自分くらいは自分を評価してあげよう。そう思って自分を絶賛した。
こうして私はまた一つ、ホテルワークの制約から自由になったのである。
薄型でかさばらないので、今後も積極的に活用していきたい。
そしてお役御免になった壁掛けテレビでは、日本代表がドイツ代表に大金星を挙げる様が映し出されたのであった。
値段:5(ただし、旅行支援補正込み)
風呂
仕事の疲れを癒やし、リフレッシュするという観点で風呂は重要である。
その点において、このホテルは大浴場があるのが優秀だ。
やはり足を伸ばして風呂に入ることができるというのも、普段できない切り替え手段であるので、大浴場の存在はありがたい。
また、ただの沸かし湯ではなく、月替りで日本各地の温泉の湯質が楽しめるらしい。
さらに、外には壺湯の露天風呂も存在していたが、いかんせん小さいのであまり長居ができないのが欠点であった。
風呂:4.5
周辺環境
ホテルが位置するのは、市内中心地である。
コンビニはもちろん、飲食店にも事欠かない。
また、徒歩圏には徳川家康が築城を命じ、のちには大政奉還の舞台ともなった二条城もある。
気分転換や、朝晩の散歩などで訪れてみるのもよいだろう。
周辺環境:5
食事
ホテルの食事、特に朝食も楽しみの一つである。
ABホテル四条堀川でも朝食は和洋バイキングを楽しむことができる。
しかし、今回は食事なしプランにしたので、朝食の評価を行うことはできない。
今回食事なしプランにした理由の一つとしては、京都の喫茶店でモーニングを楽しみたかったからである。
京都市民は一人あたりのコーヒー消費量で滋賀県大津市に次いで全国2位につけるなど、コーヒーをこよなく愛しており、多くの喫茶店でモーニングコーヒーとともに趣向を凝らした朝食を楽しむことができる。
私が特に目をつけていたのが、老舗の名店イノダコーヒである。
1940年創業の老舗喫茶店もご多分に漏れず、モーニングが人気メニューとなっている。
ABホテル四条堀川からは歩いて20分近くの距離であるが、せっかくなので平日の朝、訪れてみることにした。
挫折した。
というか並んでいては、朝の打ち合わせに間に合わない。
泣く泣く断念し、帰りに別の喫茶店でモーニングにありついたが、普通に十分満足できる内容だった。
日を改めて休日の朝、再度イノダコーヒへと訪れた。
今日も今日とて行列ができていたが、時間を気にしなくていいので列に並ぶ。
30分ほど待っただろうか。ようやく席につくことができた。
ショーケースを彩るケーキ達にもそそられるものがあるが、初志貫徹でモーニングを頼む。
クロワッサンにたっぷりの卵と野菜、そしてコーヒーにオレンジジュース。
ボリュームたっぷりの大満足の朝食である。
他にも激戦区である京都のモーニングを巡って楽しむのも一興と言えるだろう。
食事:5
おまけ
京都を訪れたのは紅葉の時期であった。
金閣も龍安寺も嵐山もそれぞれ色づき、生憎の天気ではあったものの見頃を迎えていた。
だが、今回京都を訪れた一番大きな理由は人と会うためであった。
趣味を通じてネット上で知り合った友人たちとの会合(俗に言うオフ会)が京都で開催されたのである。
2年ほど定期的にオンライン飲み会で酒を酌み交わしながらも、その実一度も対面したことがなかった友人たちと初めての対面。しかも、過半数が関東在住にも関わらずなぜか誰も住んでいない京都での開催というツッコミどころの多い会であった。
会場は京焼肉の店であった。
京焼肉とは普通の焼肉とどのように違うのだろうか?調べてみたが、答えは分からなかった。まぁ京都で食べる焼肉だから京焼肉、で何もまちがってなどいないだろう。
ハイクオリティな肉を前に疑問は霧消した。
その後、バーへと移動してウイスキーを嗜み、
さらに、私が上京してすぐの頃、関東にはないと知ってショックを受けたものランキング第2位のジャンカラ(ジャンボカラオケ広場)へと移動して遅くまで盛り上がった。
週の真ん中にこんなことをやっていては、翌日ホテルから臨んだ打ち合わせのプレゼンがグダグダになってしまうのも当然の帰結としか言いようがなかった。
最後までご覧いただきありがとうございました。