脊髄小脳変性症(SCD)の診断

こんにちは.
神経科学の在野研究です.

最近,脊髄小脳変性症(SCD)の症例を担当する機会をいただきました.

SCDの典型的な症状として運動失調を呈しますが,様々な型があり,型によっては多彩な非運動症状(特に自律神経症状)を呈することがあります.
リハビリ職としては,SCDによる運動失調と二次的なDisuseが治療の対象となっていきますが,SCDの型により機能的な予後が異なるため,”型の鑑別”が非常に重要となってきます.
例えば,小脳失調優位の多系統萎縮症(MSA-C)の患者様の場合,進行がとても急激であるという特徴があります.また,声帯開大による突然死や,嚥下障害の進行による低栄養に備えなければならないため,運動機能面だけではなく,発声・嚥下機能に対するアプローチが必要です.


SCDの鑑別診断を行うにあたりもっとも重要な検査は,”遺伝学的検査””病理学的検査”です.

大まかな診断の流れとしては,

①遺伝学的検査で陽性(遺伝性,(SCA6など))
②病理学的検査で陽性(弧発性,(MSA-Cなど))

③遺伝学的検査,病理学的検査どちらとも陰性(CCAなど)

という流れで原因の特定を行なっていきます.
しかしながら,施設の設備や,ご本人様の生活環境などにより,これらの検査を行えない場合も多いかと思います.そのような場合は,”臨床症状から可能な限り型を予測する”ことが必要です.

臨床症状から型を推測するため,最低限知らなければならない情報を表にまとめてみました.SCDの方と関わる医療従事者の皆様へ,少しでもご参考になればと思います.

繰り返しになりますが,あくまでも大切なのは遺伝学的検査と病理学的検査です.

限られた環境の中で出来ることをやっていきたいですね.

それでは.

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