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薬剤師のリアルなキャリア戦略|年収推移&昇進の実体験を公開

1. 「このままでいいのか?」と悩んでいるあなたへ


薬剤師として働くなかで、ふとこんな疑問が頭をよぎることはありませんか?

✅ 「このまま調剤薬局で働き続けて、年収はどこまで上がるんだろう?」
✅ 「管理薬剤師って実際どんな仕事?昇進すると何が変わる?」
✅ 「エリアリーダーやさらにその上って、どうやったらなれるの?」

私も、かつて同じように悩んでいました。

新卒でMRになり、その後調剤薬局へ転職。管理薬剤師、エリアリーダーを経て、現在は在宅医療責任者として働いています。
この間、年収は 550万円 → 900万円 に上がりましたが、単に収入が増えただけではなく、数え切れないほどの壁にもぶつかってきました。

「キャリアの選択肢が知りたい」
「リアルな年収推移が知りたい」

そんな方に、私の経験が少しでも参考になればと思っています。
この記事では、成功談だけでなく、「ぶつかった壁」や「失敗談」 も交えながら、キャリアのリアルをお伝えしていきます。


2. キャリアと年収の推移(実例)

MR職1〜2年
調剤薬局で一般薬剤師をしていたのが2年ほど
管理薬剤師を経験したのが4年
エリアリーダーは4年
そこからは在宅医療責任者をしています。

ワークライフバランスを重視しながら年収を上げる」、ただその一点にこだわり続けた結果がこの推移となっています。

薬剤師の平均年収は550万円ほどとなっています。しかし、働き方・立ち回り方を意識していただくことで、800〜900万円ほどは誰でも届きます。

薬剤師は真面目で、人前に立つのがあまり得意じゃない方が多いように思います。
でも、実はとても素敵な仕事っぷりの方が多いです。
それを周りの人に分かってもらえる立ち回りをしてもらえるだけで、年収は大きく変わっていきます。


3. MR時代:「薬剤師免許があれば食いっぱぐれない」は幻想

新卒でMR(製薬メーカーの営業職)になったとき、正直「薬剤師免許を持っていれば、どこに行っても大丈夫」だと思っていました。

でも、現実は違いました。


医師の前に立つも、まったく話を聞いてもらえなかった経験

医局前で1時間医師を待って、やっと話せたと思ったら、
「忙しいからまたね」
たった3秒で終わる会話でした。

「いやいや、聞いてくれないと薬の情報提供なんてできないじゃん……」
でも、医師にとってMRは数ある業者の一つでしかありません。

ある日、上司に愚痴をこぼしました。
「全然話を聞いてもらえません」

すると、返ってきたのは、こんな言葉でした。
「お前の話、医者にとって必要か?」

自分は薬剤師だど自負していたこともあり、正直、悔しかったです。
「必要だから話してるんです!」と言いたかった。
しかし、よく考えたら、相手にとって”必要な話”じゃなかったのかもしれません。


「自分が伝えたいこと」ではなく、「相手が知りたいこと」が大切

それからは、ただ薬の説明をするのではなく、
「この先生は何に困っているのか?」を考えるようにしました。

医師の趣味を調べ、雑談から入る。
「先生、昨日の試合見ました?」
「◯◯先生がこんな処方をしていましたが、どう思いますか?」

すると、少しずつ会話が弾むようになり、ようやく薬の話も聞いてもらえるようになりました。

伝える」のではなく、「関係を築く」ことが営業の本質なんだ と、このとき初めて気づきました。


4. 調剤薬局勤務:「冷たい薬剤師ですね」と言われた日

MRを辞めたのは、「もっと直接、患者さんの役に立ちたい」 と思ったからでした。
でも、調剤薬局で働き始めたばかりの頃、患者さんに言われた一言が忘れられません。

なんだか冷たい薬剤師さんね

あのとき、何がいけなかったのでしょうか。


MR時代の話し方が、薬局では通用しない事実

MR時代は、「短時間で要点を伝える」ことを徹底していました。
だから、服薬指導も「この薬は〇〇の成分が入っていて…」と端的に説明していました。

でも、それは患者さんにとって「無機質で冷たい印象」だったのです。

薬の説明が終わると、
患者さんは無表情で「ふーん」と言って立ち去りました。

その場に残された私は、
「……これ、MRのときのお医者さんの反応と変わらなくない?」と思いました。

結局、相手が「求めていること」を考えないと、何も伝わらないのです。


5. 管理薬剤師:「指示を出せば、みんな動いてくれる」なんて幻想

入社2年目、管理薬剤師になりました。
「ついに、自分の店舗を持つ立場になった!」と意気込んでいましたが、すぐに壁にぶつかります。


指示を出しても、誰も動いてくれない現実

ある日、年上のベテラン薬剤師に「これをやってほしい」と頼みました。
でも、返ってきたのは意外な言葉です。

それ、やる意味ある?

一瞬、言葉を失いました。
管理薬剤師になったのだから、指示を出せば当然みんな動いてくれる——そう思っていたのですが、現実は違います。

むしろ、「管理薬剤師になったばかりの若造が、何を偉そうに指示してるんだ?」という雰囲気すら感じました。


上司は「部下を動かせ」と、無茶なアドバイス

「指示を出せば動くはずなのに、なぜか動いてくれない」
そんな状況が続き、上司に相談しました。

返ってきたのは、「お前、もっとしっかり指示しろよ」 というアドバイスとも言えない言葉。

「いやいや、指示はしてるんですよ。でも、動いてくれないんです」
そう思いながらも、何が問題なのかを考え続けました。


「自分が正しい」ではなく、「相手にどう伝わるか」

あるとき、ふと気づきました。
「みんな、やりたくないから動かないんじゃない。『納得してないから』動かないんだ」

このままではダメだと思い、まず 「どう思いますか?」 と相手の意見を聞くようにしました。
「なるほど、でもこういう理由で、これをやるとメリットがあるんですよ」と説明を加える。

すると、少しずつ 「この人の話なら聞こうかな」 と思ってもらえるようになりました。

管理薬剤師は、「偉くなった人」ではなく、「チームの力を引き出す役割」なんだと気づいた瞬間です。


6. エリアリーダー:「休みの日も電話が鳴り続ける」負担

管理薬剤師を4年経験し、エリアリーダーへ昇進しました。
複数の店舗を管理する立場です。

「もっと戦略的な仕事ができる!」と期待していましたが、現実は全く違いました。


休みの日も、電話が鳴り続ける毎日

エリアリーダーになった途端、毎日、何十件もの電話がかかってくるようになりました。

「A薬局でスタッフが足りません」
「B薬局でクレーム対応が必要です」
「C薬局の数字が落ちています」

昼休み、帰宅後、そして休日。
電話は途切れることがありませんでした。

家族との食事中に着信が入り、慌てて席を立つこともしばしば。

「……これ、管理薬剤師のときより大変じゃない?」

戦略を考えるどころか、毎日、「火消し役」 になっていました。

「このままじゃ、長く続かない」
そう思った私は、ある決断をします。


仕事を仕組み化しないと、ひたすら続く消耗

「問い合わせが増え続ける理由は、現場の判断力が足りないからだ」

そう考え、各店舗に「サブリーダー」を配置することにしました。

「細かい相談は、まずサブリーダーに相談。それでも解決しなかったら俺に連絡」
こうルールを決めたことで、問い合わせの8割が店舗内で解決されるようになったのです。

ようやく、本来の仕事に集中できる環境が整いました。


7. 在宅医療責任者:「この人は現場を知らない」と思われる苦悩

エリアリーダーとして結果を出し、次のステップとして 在宅医療責任者 になりました。

でも、この昇進は、これまでとはまったく違う悩みを生んだのです。


「この人、現場を知らない」と思われる葛藤

ある日、薬局の管理薬剤師と話していたとき、こんなことを言われました。

結局、あなたたち(本部)は現場を知らないんですよね

正直、ショックでした。
管理薬剤師やエリアリーダーとして 「この人に言われたら納得できる」 という関係性を築いてきたはず。

でも、在宅医療責任者になり、本部の仕事が増えるにつれて、現場の薬剤師との距離が広がっていたのです。

気づけば、自分の言葉が、現場の人間に響かなくなっていました。


伝え方を変えた:「数値とエビデンス」を活用

それまでのように、「こうした方がいい」と感情で伝えるのではなく、
「このデータを見てもらえますか?」
「国の方針的に、今後はこうなる可能性が高い」
と、具体的な根拠を示すようにしました。

結果、「そういう視点なら納得できます」と言ってもらえることが増えたのです。

「偉くなったら、みんなが言うことを聞いてくれる」なんて幻想でした。
役職が上がれば上がるほど、どう伝えるかが大事になるのだと実感しました。


8. 「キャリアに正解はないが、選択肢はある」

薬剤師のキャリアは、「調剤だけ」ではありません。

• MRの世界を経験してみるのもアリ
• 管理薬剤師として経営視点を学ぶのもアリ
• エリアリーダーになり、組織全体を動かすのもアリ
• 在宅医療に特化し、新しい働き方を作るのもアリ

でも、「どんな選択肢があるのかを知らないと、選ぶことすらできない」 のです。

今のキャリアにモヤモヤしている人は、
「他の道もある」と知ることから始めてみませんか?


9. キャリアの選択肢はまだある——「副業」という道

ここまで、私が経験してきた薬剤師としてのキャリアパスをお話ししました。
しかし、キャリアの選択肢はこれだけではありません。

近年、「副業」 という道を選ぶ薬剤師も増えています。
本業の収入を補うだけでなく、自分の専門性を活かしながら新しい分野に挑戦する手段です。

私自身も、副業を通じて新しい視点を得ることができました。
「本業だけでは満たせないものがある」「収入の柱を増やしたい」——そんな方は、副業も視野に入れてみるとよいかもしれません。


10. 「在宅医療薬剤師ラボ」で学ぶ在宅医療

私は現在、在宅医療の現場で培った経験を活かし、「在宅医療薬剤師ラボ」 というメディアを運営しています。

このメディアでは、
✅ 在宅医療の実践的な知識
✅ 薬剤師が在宅医療に関わるメリット・キャリアの可能性
✅ 訪問薬剤師としての働き方・成功事例
✅薬剤師のキャリア・副業のリアル
✅介護者・医療従事者向けの知識提供
など、現場で本当に役立つ情報を発信しています。

✔ 「在宅医療に興味はあるけど、何から始めればいいかわからない」
✔ 「訪問薬剤師の具体的な仕事や収入について知りたい」
✔ 「これからの薬剤師キャリアを考えるうえで、選択肢を広げたい」

そんな方に向けて、役立つコンテンツをお届けしています。

在宅医療という分野は、これからの薬剤師にとって大きな可能性を秘めています。
「自分に合った働き方を見つけたい」という方は、ぜひ一度覗いてみてください!

最後までご覧いただき有難うございました。

副業に興味がある方はこちらの記事も参考にしてください。

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