見出し画像

157【地方都市で中小零細企業が生き残る術】元銀行員・地方在住・財務コンサルタントの思索


はじめに

今回のブログは根源的なテーマを選びました。弊社は地方都市における年商10億円規模までの中小零細企業の経営者を対象とした、財務面を軸とした経営コンサルタント業を営んでいます。業績向上へのサポートに日々取り組んで行く中で、実は”地方の小さな企業が生き残る方法”について確信めいたものがあります。

ひょっとしたら企業だけでなく、様々な団体、学校、市町村などにも適用できる考え方ではないかと考えています。コンサルタントは学術的な研究者ではありません。むしろ学術の理論を現場に正しい形で落とし込みをかける立場の人間だと考えています。批評や講釈に終始することなく実践的な立場でなくてはなりません。研究成果のような明白なエビデンスはありませんが、実務の中で体得してきた知見だと捉えていただければ幸いです。

いきなり結論


せっかちな性分ですので、先に結論を述べます。中小零細企業が収縮していく地方という市場において生き残る術は、極論、この二つだと考えています。

1.経営資源の再編成と最適化

2.新たな付加価値の創造

「なーんだ。当たり前じゃん。」「わかってるけど、それをやるのが大変なんだよ!」といった感想が聞こえてきそうですが、結局この二つから逃げることはできないのではないでしょうか。

経営資源の再編成と最適化とは?

ちょっと失礼な表現かも知れませんが、年商10億円規模までの中小零細企業を分解していくと無駄と無理とムラのオンパレードであることが大半です。しかし、そのレベル感は千差万別ではあります。

少し踏み込んでその理由を考えればすぐに判明します。実は、そもそも、企業の維持が目的であって、経営における目標が非常にあいまいであることがよくあります。つまり、経営計画が無いまま経営を続けている企業が80%を超えているという実感です。ただ、ここで注目しないといけないことは、経営計画が無くとも存続できていたという事実です。こういった規模の企業は経営者がリーダーでありマネージャーであり、仕事を受注してくるトップ営業マンです。その他のメンバーは日々、必死で現場を回していきます。その結果12か月が過ぎた際に、納税しなければならないので否が応でも12か月で区切った経営成績を決算書類にまとめ、納税しているというのが実態です。つまり、経営計画を策定し最大限活用すれば更に業績を向上させる余地があるということです。

言い換えるとすれば、仕事を受注してサービスや商材を納品するという一連の行為に終始していて、経営全体をきちんと捉え、経営目標を定めた経営計画に沿って企業を経営し、自社にとって全体最適とは何かという発想が欠如している、何となく一生懸命で日々過ぎて気が付けば12か月という企業が多く存在しているという事実です。

とにかく経営資源が乏しい中、場合によっては経営者が現場に出てプレイヤーも担いながらどうにかこうにか経営を維持しているという大変な状態にあるのが中小零細企業の一般的な姿であると思います。

ただここで、経営計画をきちんと策定すれば無我夢中で取り組んできた経営を客観的に捉え、冷静に改善していくべき点を経営者は見つけることができます。ひょっとすれば、頭では何となく無駄や無理、ムラを感じ理解しながらも日々忙しく、課題解決になかなか着手できないという経営者も多いのではないでしょうか?

実は年商10億円規模までの中小零細企業にとって最大の経営資源は経営者の「時間」です。たいていの経営者は個人保証を差し入れして銀行などの金融機関から借入して企業経営に取り組んでいます。つまり、人生をかけて取り組んでいるという状態にあります。重要な意思決定は経営者自身の仕事です。意思決定において大きなミスを防ぐためにも、経営学の基礎的理論を踏まえたクロスSWOT分析などのフレームワークといった先人たちのテクノロジーを活かさない手はないと思います。その手助けを日々行っているのが弊社の事業です。

新たな付加価値の創造

経営計画を策定すれば、自社が置かれている市場という外部環境を冷静に見極めることができます。そして何よりもその市場におけるビジネスチャンスとなる「機会」を捉えて収益化できる自社の「強み」を複数、可視化できます。ただ、ご存じのとおりVUCAの時代と言われて久しく、要はつかみどころのない、あいまいで、状況によっては「過去の連続性に無い」時代が到来しており、未来に対して自社の正しい「打ち手」を考え実行していくことは非常に難しいと言わざるを得ません。しかし、経営者には現実から逃避し、足踏みしている時間はありません。正に時は金なり!です。

自前主義の限界・経営者は外に出よう!

正直に言えば、大部分の企業が新たな付加価値を創造せずとも、既存の商品・サービスを広げていくために、根拠ある経営計画に基づく、経営資源の再編成・最適化を愚直に行うことで業績を向上させていくことは充分に可能であると考えます。その理由は先にも述べましたが、無駄や無理やムラの存在です。

ただ、これから市場全体が収縮(シュリンク)していく社会において、国外との取引がない場合は、えぐい言い方をすれば、新たな価値を創造しなければ”座して死を待つ”状態になる企業もあることでしょう。

ここでいちコンサルタントとしての私の持論は”経営者よ外にでよう!”です。もともと中小零細企業の経営資源は非常に少なく、社内のやりとりでは新たな新結合であるイノベーションを起こしづらい環境にあります。そしてここで有効打のひとつとなるのが、社外との連携から生まれる「オープンイノベーション」です。

時間の使い方は、経営計画を整備した上でタイムスケジュールをきちんと行い、仮説を立てて意図的に、オープンイノベーションが起こりやすい環境に経営者が飛び込んで行くことを強くお勧めします。

例えばMBAを取得する過程で社外に優良な繋がりが無数にできることもあります。業界団体のみならず、全国規模の経済団体に所属して意識的に新たな結合を求めることもよいでしょう。自社にベストなやり方を見つけるまでは行動あるのみではないでしょうか?繰り返しになりますが、経営者には社内で机にかじりつくのではなく、座学ではない「フィールドワーク」的時間を計画的にもつことを推奨します。

まとめ

・経営資源の再編成と最適化をするには、まずは経営計画の策定を。

・経営者は再編成と最適化の後は、意図的に社外に”新結合”を求めよう。

・経営資源の再編成と最適化及びオープンイノベーションによる新たな付加価値の創造があれば長期的な繁栄も可能である。
ーーーーーーーー
【融資・財務コンサルタントの仕事をかみ砕いて言うと…】

岡山県倉敷市という地方都市で、独立系の融資・財務コンサルタントというニッチな業態を生業としています。

得意な分野はやはり「融資」です。貸すと借りるの両方を経験し、その道のコンサルタントとして活動している人はまだまだ少ないと思います。

実務としては、インタビュー・対話形式をメインで、銀行などの金融機関の評価が高まる、改善施策を行動計画にまで落とし込んだ「経営計画」を作るお手伝いとなります。実はこの「経営計画」を作っていく中で、自社の情報を体系的に整理するというメリットを得られます。そして、銀行から自社の財務状況がどう評価されているのか?(財務格付と言います)を算定するノウハウが弊社にはあります。この財務状況がどういう状態なのかをコンサルテーションの中で、分かり易く説明させていただきます。少しだけ踏み込んで言えば、この財務格付の算定プロセスの中に、自社の改善ポイントを見つけることができます。

「経営計画」以外には、銀行借入の再編プランを作り、金融機関への説明資料を経営者と一緒に作成し、場合によっては銀行の許可を得た上で、交渉の場に立ち会わせていただくことも頻繁にあります。銀行融資の再編だけでびっくりするくらいの資金繰り改善に繋がることが多くあります。

色々と書きましたが、年商10億円規模までの中小零細企業の経営者には、頼りになる右腕的幹部社員もいなかったりするケースが一般的です。つまり、私(弊社)は外注幹部社員としての役割を担うことになります。

融資・財務改善を軸としたコンサルタントは多いようで実は少ないと考えられます。このnoteを読まれたことも何かの縁ですので、自社の財務面や戦略面でモヤッとしていることがあればお気兼ねなく、質問などお問い合わせください。メールとfacebookへのDMでどうぞお気軽に。

直近3期分のご決算書類と借入返済予定表を無料で分析後、
45分無料経営相談承ります。

nori.nakamuraconsul@gmail.com

以下、個人facebookです。

※KOKUYO社が運営する経営お役立ちサイトでコラムを寄稿しています。もし良ければこちらもごらんください。無料でダウンロードできるツールもあります。

今回もお読みいただきありがとうございました。

軽く読んで少しでも参考になる点あればぜひ「スキ」をお願いいたします。

少しでも共感いただける部分がありますように。

もしフォローいただければ嬉しい限りです。

株式会社なかむらコンサルタンツ
代表取締役 中村徳秀



いいなと思ったら応援しよう!