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123【営業黒字がマストな理由】地方在住経営コンサルタントの思索
写真は岡山市北区天神町にあるRSK山陽放送本社です。入口の展示スペースで、甲子園優勝校と県内各校のユニフォーム展が先日、開催されました。
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タイトルを読まれて、
「そんなの当たり前じゃん。」
「本業の利益が黒字じゃないと、ダメ企業・ダメ社長の烙印を押されちゃうでしょ?」
「営業外収入で経常黒字になっても説得力ないでしょ?」
といった類の感覚を少しでも持ってもらえたら、問題ない経営を長く続けられている経営者さんだと思います。
しかし、今回は何故、営業黒字が必須(MUST)なのかを財務コンサルタント目線で、少しだけ深堀りして説明を試みます。
もし良ければ、最後までお付き合いください。
返済原資という概念をまず理解する
「返済原資」という言葉は銀行などの金融機関の審査において判断軸の一つとなる「返済財源」のことを指します。つまり、何のお金で返済するか?ということです。
そもそもお金に色は無いのですが、銀行目線での基本的な考え方には、とにかく返済してもらわなくては困る!という思想が根底にあり、更に返済の根拠として何のお金を持ってくるのか?という視点が常に存在し、お金を色分けして考えます。
小難しく聞こえれば恐縮ですが、融資審査する立場の人間は理路整然と、明確に「何をもって返済するのか?」を考えなくてはなりません。
長期融資はフリーキャッシュフローで返済するという原則
何事にもルールや原理原則が存在するように、融資にも同様のことが言えます。
短期融資(融資期間1年以内)は売上が返済原資となる。
→たいていのケースが経常運転資金に対する融資。
長期融資(融資期間1年超)はフリーキャッシュフローが返済原資となる。
→たいていのケースが設備資金。運転資金の融資は、本来短期融資すべきところを、金融機関が手間を惜しんで長期融資にしてしまっている場合と、多くのコロナ融資と同様に実質的に赤字の補填資金が目的となっている場合があります。
※その設備投資が、どれだけのフリーキャッシュフローを生めるのか?という視点が新設備導入や更新の際には大切になります。
金融機関によっては複数年の平均値や、調整後の実質的法人税等を考慮し、調整後CFと呼ぶこともあります。弊社では、一番シンプルな考え方を用いています。
フリーキャッシュフロー(FCF)=経常利益+減価償却費ー法人税等
過度な節税(利益繰り延べ)にはご用心
決算内容を気にする経営者さんの方が逆に、利益の繰り延べを検討するという傾向があります。その裏にあるのは「毎期必ず黒字になるとは限らない!」という良い意味での不安を持ちながら真摯に経営に取り組んでいるからこそと言えるでしょう。
過去、様々な利益繰り延べ商品(節税)商品がありました。金融機関が勧めるものから、一般事業者が販売」するものまで様々です。
・航空機、船舶オペレーティングリース
・足場
・生命保険
・ドローン
・マイニングマシン etc
ただ、結局は欧米のように遡って否認は基本的にないものの、当局によって「それはダメ」という税制改正が入ります。要はイタチごっこです。
原理原則としては、堂々と税金を払った上で内部留保していく方が、現金は多く残っていきます。
しかしながら、企業も生き物であって、
・数年後に明らかに営業赤字になることが予想されるので、利益のいわば調整弁が欲しい。
・承継計画を策定したので、目標となるコントロールしたい株価がある。
といった色んな状況が想定されます。
税務の領域は非常にセンシティブで、専門外の内容のため深くは語れませんが、こればかりはケースバイケースとしか言いようがありません。
一過性の赤字は堂々と説明しよう
金融機関からの目線で言えば、
「一過性の赤字で、根拠が明確。」
である場合は、そこまで厳しいスタンスになることはありません。
更に、事前通告が経営計画を元に、1年先に行われていたとすれば尚更です。
たた、覚えておいていただきたいことは
・2期連続営業赤字
・債務超過
この2点に陥ると、金融機関には緊張感が走り、新規融資ともなると、保証協会付が基本であり、追加担保の差し入れもそれなりに交渉してくることが想定されます。要は態度が硬化していきます。
経営計画やしかるべき書面を元に一過性の赤字要因の根拠を明確に示しましょう。
まとめ
経営者として知っておくべき融資の基礎を整理すると以下の内容です。
①経常運転資金の融資は短期で借りるべき。
②設備資金の返済期間は減価償却期間に基本は合わせる。(無駄な課税を押さえられる・元金返済分のキャッシュを理論上確保できる。)
③運転資金を長期で借りる場合は、赤字補填資金と考える。返済原資はFCFであるため、営業黒字を真摯に目指す。
本業が黒字、つまりは営業利益が返済の原資の元と言えるので、フリーキャッシュフローの源泉がおぼつかない状態であるということは、その企業が健康体ではない!という状態に他なりません。営業外収入は毎期バラつきがあるのが一般的なので、やはり本業が黒字こそ健全な経営の基礎と言えます。この点がタイトルに対する結論です。
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株式会社なかむらコンサルタンツ
代表取締役 中村徳秀
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