第45話 ウォーターフォールグラフ(滝グラフ)分析❶基本と独自性
ウォーターフォールグラフ(以下WFグラフ)を活用した財務分析手法を解説するシリーズです。
これは滝グラフとも呼ばれ、上場企業の決算説明資料でも多用されるグラフのひとつです。まずは具体例として、ニトリの決算説明資料に登場したWFグラフを紹介させてください▼
損益計算書における昨年度と今年度の経常利益を対象に、各項目の変動を示していますね。「経常利益がなぜ前年比で25億円増加したのか?主要な要因は何か?」をパッと視覚的に伝えられるのがWFグラフの代表的な強みです。
また、ザイマニではWFグラフを作成&画像で保存するPythonプログラムを独自開発しました。上場企業各社のキャッシュフロー計算書(以下CF計算書)を図解化し、CFに特化した時系列分析や競合比較が可能となるツールです▼
本シリーズでは上記で紹介したようなWFグラフ、なかでもCF計算書のウォーターフォールグラフに焦点を当てます。シリーズ初回となる今回はWFグラフの基本や独自性を解説し、第2回ではWFグラフを活用した具体的な財務分析の実践・考察を行います。
非上場企業にはCF計算書作成の義務がないこともあり、BSやPLと比較してCF計算書の分析に特化したレポートやツールはあまり充実していません。
そんなCF計算書と相性の良いWFグラフの強みや使い所をしっかりと理解し、一歩先を行く企業分析やデザイン性の高いプレゼン資料・IR資料の作成を実現したいビジネスパーソンはぜひご覧くださいませ。
ウォーターフォールグラフの基本
まずはWFグラフの基本をしっかり整理しましょう。WFグラフには以下のような特徴があります▼
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