第50話 ROIC徹底解説❸ROICツリーによるバリュードライバー分析の実践
財務指標ROIC(ロイック)について徹底解説するシリーズ第3回です。第1回および第2回ではROICの強み・弱みにそれぞれ焦点を当てることで以下の2点をわかりやすく解説しました。
上記を踏まえた上で、今回は企業分析者視点によるROICツリー分析の実践回となります。アナリスト視点での分析となるため、使用するフレームワークはROIC逆ツリーではなく、トップダウン(左→右)となるROICツリーです▼
今回はROICツリー分析を活用する際に見るべきポイント・考え方や、具体的な分析例を共有します。ROICツリー分析の要点を理解し、業務やその他の意思決定に活用したい方はぜひご覧ください。
なお、ザイマニのROICツリーでは投下資本回転率側のツリーにて、運転資本を流動資産と流動負債の差分でざっくり算出しています。
厳密には本シリーズ第1回で触れたように運転資本=売上債権+棚卸資産ー仕入債務で計算する方が望ましいですが、よりシンプルに計算・競合比較が可能となるためこの方法を採用しています。
それでは本編スタートです▼
ROICツリー分析の着眼点
企業分析者がROICツリーで財務分析や競合比較を行う場合、押さえておきたいポイントは以下の4つです▼
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