第43話 サンキー図による財務分析の実践❶セブン&アイ・ミンカブ・松竹
サンキー図を活用して上場企業の財務分析を実践するシリーズです。具体的にはセブン&アイ・ミンカブ・松竹のサンキー図を紹介しつつ、ザイマニが特に面白いと感じたポイントや、深掘り調査をしたポイントを解説していきます。
なお、サンキー図の概要や独自性は「財務分析の新常識|サンキー図による決算書の図解化」をご覧くださいませ(こちらの記事は全文無料です)。
シリーズ初回となる今回は損益計算書のサンキー図に焦点を当てます。基本的には日本会計基準を採用している企業群を対象に、5つの利益のプラスマイナス符号に注目して掲載企業を選定しています。
例えば、売上総利益がプラス、営業利益・経常利益がマイナスにも関わらず税引前利益と当期純利益がプラスの企業(+,-,-,+,+)はないのか?もしあるなら、どんな要因でこのような利益関係になるのか?などを分析します。私たちの身近にある企業も登場しますよ。早速はじめましょう▼
分析① 5つの利益がすべてプラス|+,+,+,+,+
年度によって多少の変動はありますが、ザイマニに掲載されている約3,700社のうち、約70%の損益計算書がこの形をしています。要するに、上場企業の約7割が「事業が好調で最終的な利益も黒字」ということです。
今回はその中でもセブン&アイ(セブンイレブン)のサンキー図を分析します▼
特に海外コンビニ事業の売上が全体の約75%を占めている点については全く知りませんでした(みなさんはご存知でしたか?)。ここで国内・海外のセブンイレブンの出店数が気になったので調べてみました▼
国内は21,402店舗。世界中で83,759店舗とのこと。国内の店舗数は全体の約25%。国単位で見ると日本への出店数が最も多いですね。
次に気になったのが各セグメントの利益です。サンキー図には載せていないため、ここは有価証券報告書を調査しました▼
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