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【失敗列伝】何なんだよ!夏時間って?

「笑ってください!」「楽しんでください!」「心を癒してください!」「ただし、絶対にマネしないでください!」

『 阿鼻叫喚!トレード失敗列伝 』は、私のFXトレードでの数々の「失敗」を、その時の情景が浮かぶようにできるだけ生々しくお伝えするため、実況形式でお届けさせていただきます。

とんだ過ちを犯したのは、あなただけではありません。
私もイヤというほど、たくさんの過ちを犯しました。

頭をかきむしったり、机をドンドン叩いたり、PCに八つ当たりしたり、後ろを振り返って誰かいるか見たり、過呼吸になったり、絶望の淵に何度も突き落とされました。

誰もが通る「いばらの道」だと思いますが、できればそれを通らずに済むに越したことはありません。

同じ過ちを繰り返さないための手助けになれば幸いです。


今回のお題目は「何なんだよ!夏時間って?」です。

FX口座をお持ちの方には、証券会社から「米国夏時間(サマータイム)終了に伴う取引時間の変更について」といったお知らせメールが届いているかと思いますが、みなさんは夏時間(サマータイム)についてご存知でしょうか?

「聞いたことはあるけど、詳しくは知らない」という方もいらっしゃるかもしれませんので、簡単にご説明します。

この制度は日本にはありませんが、主に欧米諸国で実施されており、春から冬の到来前の日照時間が長くなる期間を「夏時間(サマータイム)」とし、日中の明るい時間を有効活用することで、夜間の照明などのエネルギーを節約し、経済活動を促進しようというものです。

具体的には、例えば冬場の18時00分はすでに暗くなりますが、夏場の18時00分はまだ明るいため、夏時間の間は時計の針を1時間進め、19時00分を18時00分として活動しようというものです。

アメリカでは、毎年3月の第2日曜日の午前2時に時計を1時間進めて午前3時とし、夏時間が始まります。そして、11月の第1日曜日の午前2時に時計を1時間戻して午前1時にし、冬時間(標準時間)に戻します。

では、FXトレードにおいて、この夏時間への移行がどのような影響を及ぼすのでしょうか?

まず一つ目は取引終了時間が早くなることです。
夏時間になると取引終了が1時間早くなるため、金利差がマイナスの通貨ペアを保有したまま取引が終了すると、ロールオーバーでスワップ金利分の損失が発生してしまいます。

二つ目は米国の経済指標の発表時間が1時間早くなりますので、こちらは非常に重要になります。
例えば、米国・雇用統計の結果発表は標準時間(冬時間)の場合、日本時間で22時30分ですが、夏時間では21時30分と1時間繰り上がって発表されます。(夏時間は時計の針を1時間進めている訳ですから、標準時間(冬時間)の22時30分は夏時間の場合、21時30分になるという理屈です)

このため、冬時間から夏時間へ変更される際には経済指標の発表時間が1時間早くなりますので、”22時30分直前までトレードしよう!”とポジションを持っていたら、発表後に逆方向へ動いた場合、大きな損失を被る可能性があります。

いずれにしても、毎日必ず証券会社の公式サイトなどで、その日の経済指標の発表時間を確認する習慣をつけることが大切です。

実はFXを始めた頃、私は時間の切り替え(夏⇔冬)について知りませんでしたので、痛い目を見ることになります。それも冬時間から夏時間への移行時期ならともかく、夏時間から冬時間への移行時期での失敗という考えられないお粗末なものでした。

その時の状況を説明しますと、その日は第1週の金曜日で米国の雇用統計の発表(夏時間で21時30分)を控えていました。

私はFXを始めたばかりの頃に、雇用統計で大きな失敗を経験していたため、発表日時はしっかりと把握していました。それも、受験勉強のノリで頭に叩き込んでいましたので、証券会社の公式サイトを確認することすらしませんでした。さらに、証券会社からの冬時間への変更についての案内メールも見逃してしまい、予想外の事態に直面することになります。

それでは、その時の様子を実況形式でお届けします!
少々誇張した部分もありますが、ご容赦ください。


【 キャスト 】

「返り討ちのFXトレーダー」・・・ 私
「ドル円五郎」・・・ ドル円
「ナレーター」・・・ くぼたひとしい

(友情出演)
「時報」
「米国労働省労働統計局(BLS)」


【 実 況 】

「返り討ちのFXトレーダー」
”さぁ~て!今日は第一金曜日の雇用統計発表日だ!結果を見極めてから一気に勝負するぜぇ~!”


「ドル円五郎」

”旦那、連敗続きで損失額も積み上がってるんで、今日は止めといた方がいいですぜぇ!”


「返り討ちのFXトレーダー」

”うるせぇ!誰のせいでここまで損失が積み上がったと思ってるんだぁ!”
”早く取り返さないと、またうつが発症するだろうがぁ!”


「ナレーター」
返り討ちのトレーダーは、積み上がった損失額を早く取り戻すことに躍起になっていました。”


「ドル円五郎」

”そういえば、今日は雇用統計の発表の日だな!”
”どうでもいいけど、激しい動きだけは勘弁して欲しいよな!”
”ありゃ毎回体に堪えるんで、少し脱力でもしておくかぁ!”
”脱力タイムで、ず~るずる!”


「返り討ちのFXトレーダー」

”おっ?下がりそうだな!だろうな!、ここ2日間は上がりっぱなしだったからな!”
”よぉ~し!軽くショートでもいれるかぁ!”
”いや!ダメだ!、21時30分の雇用統計発表を見極めてからだ!”
”焦るな!焦るな!今は我慢するんだ!”


「時報」
午後9時29分50秒をお知らせします!、ピッ!ピッ!ピッ!ポーン!”


「返り討ちのFXトレーダー」

”よぉ~し!カウントダウンだ!くるぞ!くるぞ!どっちだ!どっちだぁ!”


「時報」

”午後9時30分ちょうどをお知らせします。ピッ!ピッ!ピッ!ポーン!”


「ドル円五郎」
脱力タイムで、ゆ~らゆら!”


「返り討ちのFXトレーダー」
おやっ?動きがないなぁ~?”
”どうしたんだぁ?何で動かないんだぁ?”
”...............…?”
”なんなんだよぉ~!緊張させやがってぇ!”
”そういうことだな!大した結果じゃなかったってことだろう!”


「ナレーター」

”他の経済指標であればいざ知らず、雇用統計では殆ど変動無しということは非常に稀です。”
”今でこそ、返り討ちのトレーダーは成長を遂げ、雇用統計の結果を証券会社の公式サイトで必ず確認するのですが、この当時は、結果の確認どころか、事前の確認も怠る始末でした。”
”しかも、雇用統計の発表には以前の苦い経験から、受験勉強のノリで脳にしっかりと「第1金曜日の21時30分」だけが深く脳に刻まれていたことが仇となり、その後、なんの疑いもなくポジションを持ってしまうのでした!”


「返り討ちのFXトレーダー」

”仕方ねぇなぁ!この動きじゃ値幅は期待できねぇが、少しでも取り返しておくかぁのショート5枚”


「ドル円五郎」

”脱力タイムで、ず~るずる!”


「返り討ちのFXトレーダー」

”お~!ずるずる下がり始めたな!”
”含み益も結構増えてるじゃねぇかぁ!”
”よ~し!今日は下落で勝負だぁ!”
”いけぇ~!構わねぇからフリーフォールしやがれぇ~!”


「ナレーター」

”その後も、返り討ちのトレーダーのポジションの含み益は徐々に膨らんでいきました。そして、高揚感が高まる中で今日のその時がやってきます。”


「時報」

”午後10時30分ちょうどをお知らせします。ピッ!ピッ!ピッ!ポーン!”


「米国労働省労働統計局(BLS)」

”いやぁ~!みなさん、今回は非農業部門雇用者数と失業率、共に予想を大幅に上回りましたぁ!”
”米国経済も、これでひと安心です!”
”FRBさん、金利少し上げてもいいかもよぉ~!”


「ドル円五郎」

”何ですってぇ!ロケット噴射しろ!ですってぇ?”
”ほんと、扱いが荒いんだからぁ~”
”はい!はい!はい!わかりやしたよ!勢いよく上がればいいんでしょ!”
”グイ!グィ!グイーン!天まで突きあげろぉ~!”


「返り討ちのFXトレーダー」

”なんだぁ?この火柱は?”
”ウイルスにでも感染したのかぁ?”
”...............…..…?”
”おい!おい!おい!含み損がエライことになってるじゃねぇかぁ~!”
”一体何なんだよぉーーー!”


「ドル円五郎」

”旦那!何言ってるんすかぁ?”
”今日は月初め第一金曜日の雇用統計結果の発表日じゃねえですかぁ!”
”結果が良すぎて、あっしもこき使われてたまったもんじゃねぇですぜぇ~!
”第一金曜日はいつも疲れやす!”


「返り討ちのFXトレーダー」

”てめぇ!なに!寝ぼけたこと言ってやがるんだぁ!”
”雇用統計の発表は、1時間前に発表済みだろうがぁ~!”


「ドル円五郎」

”旦那こそ、何言ってるんすかぁ?”
”先月から夏時間から冬時間に移行してるじゃねぇですか!”


「返り討ちのFXトレーダー」

”なんなんだよ!その夏時間、冬時間って?”


「ドル円五郎」

”えっ?まさか!知らなかったってことねぇですよねぇ!”
”経済指標の発表が夏時間から1時間遅くなるんすよ!”


「返り討ちのFXトレーダー」

”そんなの知る訳ねぇだろうがぁ!”
”勝ってに決めんじゃねぇ!”


「ドル円五郎」

”証券会社から案内メールが来てるはずですぜぇ!”
”ちゃんと確認したんすか?”


「返り討ちのFXトレーダー」

”こっちは仕事で忙しいんだよぉ~!そんなメールなんか見てる暇ある訳ねぇだろうがぁ!”
”そんなことより、この含み損どうしてくれんだよぉ~!”


「ドル円五郎」

”早く切らないと、あっしはまだまだ行きますぜぇ~!”
”なんなら、ドテン買いっつうのはどうですかぁ~!”


「返り討ちのFXトレーダー」

”調子のいいこと言ってんじゃねぇぞぉ!”
”切ったら証拠金無くなっちまうだろうがぁ~!”


「ナレーター」

”返り討ちのFXトレーダーはこの後、絶望の境地で損切を行いました。累積損失額も過去最高額を更新するのでした。”


今回の教訓

雇用統計の発表だけでなく、あらゆる経済指標の発表時間は、必ず毎日証券会社の公式サイトなどで確認する習慣を身につけましょう。何度確認しても損はありません

一度の見落としが大きな損失につながることもあるので、確認するクセをつけることが大切です。さらに、証券会社からの案内メールも軽視せず、必ず目を通すようにしましょう。小さな注意が、大きなミスを防ぐ鍵になります。

この記事が少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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