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仕事をしない人やドイツ語を話せない同僚

ここのところ気温が上がったり下がったりするベルリン。今朝はカフェで友人と会うことになっていたので、子どもたちが起きてくる前に朝食もとらずに近所のカフェに向かった。出かける前に窓を開けて外気を取り込んだら、ひやっとした空気が流れ込んできた。今朝は上着が必要なくらい涼しかったのだ。

昨日、仕事で捻った手首は1日固定して湿布をして寝たらほぼ痛みが取れていた。テーピングと湿布を外して様子を見たが問題なさそうだ。ただ、明日は念のためバレーボールをするのは控えようと思う。

20度前後の気持ちのいい朝。カフェに行くとひやっとしているのに半袖でテラス席に平気で座っている人が割と多かった。店内をのぞくと友人たちがもう来ていた。職場とは違いみんな時間に正確なのだ。さすが日本人である。

まだ新しい職場について話をしていなかった友人にざっくり一通り伝えると「えぇ!?」と驚いていたのと「やっぱりそうだよねー」というふた通りの反応が返ってきた。ひとつめはドイツ語ができない外国人が多く働いているということや時間になってもブリーフィングに現れない同僚がほとんどだということ。ふたつめはやる気のある同僚が少ないこと。ベルリンの一定の職場に共通する現象なのかなんなのか。首を傾げるより他にはない。「時間に正確で勤勉なドイツ人」なんていうイメージ像はすでに遥か昔のことなのだ。そもそもドイツ人だけの職場なんて珍しいくらい、もう時代が違うのである。

友人の職場でも言われたことしかやらない実習生の話が出た。言われなくても自分で考えて動ける人の方が少ないくらいで、言われたことだけをやり、やったらやったでドヤ顔になっているんだそうだ。仕事がそれほどできないのに偉そうに椅子にどーんと座っている人、というのは私の職場にもいるような気がする。スタッフの入れ替わりが激しいため、まだそこまではよく見分けがついていないのだけれど。ところが不思議なことにそういったやる気のないスタッフや仕事をサボることばり考えているスタッフのことがそれほど気にならないのである。最初だけかもしれないが慣れたとしてもそれはそれ、これはこれで線を引いて終わるような気がしている。それにピリピリとしてやるような仕事内容でもない。

B2のドイツ語のワークブックを持ってきていたシリア人の同僚がブリーフィングの前に言っていたことをふと思い出した。「ここがドイツに来て初めての職場なんだけど、最初の方はブリーフィングでリーダーがものすごいスピードでドイツ語を話すので何を言っているのかさっぱりわからなかった。リーダーに『分かった?』と聞かれても『分かった分かった』と適当に答えるだけ。だからそのあとで配属された場所に行って、やり方を身振り手振りで教えてもらってやっと理解できたし、もちろん今は全てを把握しているから問題はないんだけど、本当にドイツ語だけはさっぱりだったんだよね」

この話を聞いたときに懐の広いドイツの組織がまだあるんだなぁ、とベルリンの良さ、みたいなものを久しぶりにしみじみと感じたのである。ドイツ語がそれほど話せない外国人を採用する、というのはなかなか大変なことだと思うからだ。ただ、自分も初めは実用的なレベルで話せるわけでもなかったので、そのことについて責める気もしないし、助けられることは助けてあげようという気持ちでいる。とにかく雰囲気のいい職場なのだ。



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