久しぶりの投稿
気づいたら、noteの投稿もずいぶんと途絶えていた。
もう9月も中旬を過ぎていてなぜか東京でこれを書いている。14日の夜に羽田に着いたのでまだ東京滞在は3日目。あれだけ指折り数えて出発日を待っていたのにもう今は東京にいるのか。体調を崩さなかったのが信じられないほど出発ギリギリまでシフトが入っていた。
あのベルリンでの怒涛の日々が嘘のように、毎日好きな時間に寝て、好きな時間に起きている。時差のせいか変な時間に目が覚めたりもするがそれも気にならない。ほとんど予定もないからだ。民泊のそれはもうこじんまりとした部屋で朝に飲むインスタントコーヒーですら美味しいと思える。人生とは不思議なものだ。
ウクライナ難民到着センターの仕事に応募し、面接に呼ばれたときに人事担当者に最後にこう尋ねられた。
「日本に7週間行くのは問題ないと思います。ただ、日本から戻ってまた仕事ができると思いますか?」
そのときは彼女の質問の意味がよくわからなかったのだが、今ではよくわかる。あまりにも環境が異なるからだ。5時に起きる必要も、夜勤もなく、帰宅が0時を過ぎることもない。街は清潔だし、理不尽なことで突然(ウクライナ語とロシア語の混ざった「スジェック」で)罵倒されることもない。自分とほぼ同様の価値観で動いている社会。そんな環境に7週間もいて、果たしてベルリンの職場に復帰できるのか、人事担当が聞きたかったのはおそらくそんなところだろう。
久しぶりに自分のペースで時間を気にせず街を歩き、気になった古本屋で本を眺める。知人に会ってカルチャー関連の話をする。留学中の娘とアニメのお店で買い物をする。
ここ2ヶ月はそういうことが日常生活の中でほとんどできていなかった。シフト制なので体力を奪われることも理由だがとにかくアウェイすぎる環境に精神的にも疲労していたのだと思う。文化を享受するためにはある程度のゆとりが必要なのだろう。
カットに行くことすらできていなかったので、これまたあまりよく考えずに滞在先から近いヘアサロンで髪をばっさり切ってもらった。ここまで短くしたのも久しぶりかもしれない。
それに家族を持つようになってからこんなに長期間、ひとりの時間を持てた試しがなかった。それくらい育児が始まると「ひとりの時間」を確保することが難しくなるのだ。おそらく、ベルリンに戻ればまた時間に追われる体力勝負の生活が待っていることだろう。
今のうちに読みたい本を読み、書きたい文章を書き、たわいのないことを考えたり気になる場所に行っておきたい。明日はカメラを片手に出かけてみよう。