見出し画像

近所のホームドクター

近所の診療所には入れ替わりで新しい医者がやってくるのだが、今の先生が自分にとってこれまででベストな家庭医である。この先生、なんと言っても話が面白い。

今日は念のためにチェックアップの血液検査とまとめてTieterbestimmungという抗体検査の結果報告だったのだが、開口一番にこう言われた。

「あなたにはMasernの抗体反応が出ませんでした。日本はきっちり予防接種がある国だし、麻疹にかかったというお話も聞いているのでまさに予防接種の失敗例ということになりますね。残念。」

Impfungsversager(予防接種の失敗)なんていう言葉は初めて聞いた。しかも先生、相当その結果が面白かったようなのである。

「まぁ、よくあることなので。100人に3人の割合で反応が出ない人がいるんですよ。だから今のあなたは保育園や医療施設、その他、人と関わりのある仕事はできません。接種証明書がないから・笑」

その3%やらに入ってしまったのか。そういうわけで、今日はなんと麻疹の予防接種を打ち直した。もちろん接種パスは持参していなかったので、次回の診察時に持参して書き込んでもらわなければ。

「1回接種したあとに反応が出ることもあるので1回でもいいし、4週間後に2回目を接種してもいいですよ」

血液検査の結果の方はといえば、前回は全く問題なかったのだが、今回は鉄分不足がひどく、コレステロール値が上がっていた。鉄分不足を補うための錠剤を処方してもらう。最近は月経時の血液量が増えているのでそれも原因なのかもしれない。運のいいことに来週は産婦人科の予約が入っているのでそこでテーマにするようにとアドバイスをもらった。

さて、気になる心拍数だが、こちらはシャリテ病院のスポーツ医療を当たれというアドバイス。血液検査の結果を見ると鉄分不足はもとより、貯蔵鉄であるフェリチンの値が下がりすぎている。まさかのスポーツ貧血なのか!?先生が以前そこで働いていたということで是非チェックアップを受けてみてほしいとのこと。そことは別にKardiologieでも念のためにエコーなどをするように言われた。スポーツ医療の方はランニング時の数値なども測ってくれるようなのでいいアドバイスをもらえそうだ。どうやら「鉄欠乏性貧血」というものに当たるらしい。

心拍数の話をしたからだろうか、先生は聴診器を手に取った。今日はずいぶん診察に時間をかけてもらった気がする。あれとこれとそれと、それも。受付で頭の中を整理するのに戸惑ったほどだ。なぜか検便キットまで持たされてしまった。上の説明からだと消化管出血の有無の検査のためだとわかる。

「やることがたくさんあるよね。ここまでやったら来た甲斐があったでしょ・笑」

先生、どこまで冗談なのか本気なのかはよくわからないがとにかくできることは全部やらせてもらえているような気がした。前回、日本の人間ドックの話題が出たからかもしれないなぁ。そんなことを思いながら課題を抱えて帰ってきた。また新たにふたつ予約を取ることから始めなければいけない。シャリテの方は問い合わせフォームから、循環器内科はDoctolibかな。早めに予約が取れますように。1箇所で全ての検査が終わる日本の人間ドックのシステムはやはり優秀である。

いいなと思ったら応援しよう!

ベルリンのまりこさん
サポートは今後の取材費や本の制作費などに当てさせて頂きたいと思います。よろしくお願いします!