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大切なお茶の時間

このイースター休暇。通常であればポーランドかチェコの山かバルト海辺りに出かけているはずだが、昨年に続き今年も叶わぬ夢。

どこにも旅行に行けないのであれば何をしよう。気付いたらほぼ毎日のようにお茶をしているような気がする。

今日は近所のフランスカフェでケーキのテイクアウトをした。息子とふたりでケーキを選びながらこんな話をした。

つぶれて欲しくないお店は応援の意味でも、もう少しテイクアウトするようにした方がいいかな。

うん。明日もケーキ買おうか、ママ。あ、やっぱり(週に)1回にしよう。

というわけで、できることなら週1でケーキをテイクアウトすることになった。なんとなく。

そして、それをみんなで食べた。やはりカフェとは違うとはいえ、みんなで色々とたわいない話をしながら食べるケーキは美味しい。

どこにも行けない分、定期的に会うようになった人とはより一層近くなったような気がする。それはそれで旅では得られない大切なことのように思える。

子供たちを見ていても、特に娘は決まった友人とほぼ毎日会っているので、家族ぐるみで仲良くなっているようだ。

失うものもあれば得るものもある。人生とはそういうものなのだろう。

家に戻り、データが重すぎて開くことのできなかったバックアップデータの写真を見ていたが、仕事でもプライベートでも移動の多かったことが一目瞭然。特に撮影の仕事は頻繁にロケ先へ出張へ行っていたので、パッと見てなんの撮影だったかすぐには思い出せないくらいだった。

そうだ、少し前まではそういう生活を送っていたんだよなぁ。

今のような状況になってからまだ1年ほどしか経っていないのに、なんだかもうそういった以前の生活が信じられないくらい昔のことのように感じる。1年に1度は家族、あるいは子連れで日本に帰り、休暇が来れば近場の山や海に遊びに行く。そういったことだ。

旅行に行かなくても、クリスマスマーケットで乗り物に乗ったり、お祭りの屋台で買い食いをしたり。日々の生活の中にもイベント的な楽しいことは山ほどあったのだ。

写真の中の世界と今の世界のギャップに改めて驚いてしまう。

現状を嘆くばかりでは仕方ないので、日々、体力・気力維持のために定期的に走ることを心がけたり、進歩の見えやすい語学学習にコツコツ取り組んだり。地味な作業かもしれないが、今できることを淡々とやりつつ先の見えにくい大変な時期を乗り切れればいい。

例えば、気の置けない友人との大切なお茶の時間を楽しみにしながら。



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ベルリンのまりこさん
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