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【AIに物語りを作らせる!】 物語にキャラ設定を組み込む。
前回の記事【AIに物語りを作らせる!】 キャラ設定を作る。で既存の物語のキャラクターを土台にして、新しいキャラクターを作る方法を紹介しました。
今回は、それまで作っていた桃太郎の続編「桃太郎2」の物語に、その新キャラ設定を組み込んでいきます。
まずはあらためて、最初に作った桃太郎の続編の原稿を確認していきましょう。
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かつて鬼ヶ島を制した英雄、少年桃太郎。しかし、彼が鬼を倒してから数年後、桃太郎の村に再び恐怖が訪れる。夜ごとに村人が消え、残されるのは血の跡と奇妙な桃の香り。
桃太郎は犬、猿、キジと共に再び立ち上がるが、彼らは桃太郎に重大な秘密を打ち明ける。かつて桃太郎が鬼ヶ島で倒した鬼たちは、実は呪いによって鬼の姿に変えられた他の村人たちだった。この事実に打ちのめされた桃太郎だったが、村を救うため、再び立ち上がる決意をする。
そこに現れる新たな味方、謎めいた青年月太郎。彼は桃太郎に協力を申し出る。一方、敵側には闇鬼が登場。彼は鬼ヶ島で唯一生き残った鬼であり、桃太郎への復讐を企てていた。
桃太郎たちは、闇鬼が引き起こす恐怖に立ち向かうが、物語のクライマックスで月太郎の衝撃的な正体が明らかになる。月太郎は実は闇鬼の弟で、桃太郎を陥れるために近づいたが、桃太郎との絆に心を動かされていた。
最終的に、月太郎は桃太郎を救い、自らは兄と共に消えることを選ぶ。これにより村に平和が戻るが、桃太郎は深い悲しみと孤独を抱えることに。彼はかつての鬼たちが呪われた村人だったという事実に苦しみながら、新たな伝説を刻むことになる。
AIに「物語を作って!」と指示を出すと、大まかなストーリーを組んではくれますが、各キャラクターの個性は見えてきません。そこで前回生成したキャラクターをこの原稿に反映させていきます。
生成したキャラクターは前回の記事を参照して下さい。
このキャラクターを原稿に組み込むためには以下のようなプロンプトを入力します。
このキャラクター設定を前提にして、「桃太郎2」をリライトしてください。
また以下の条件を守ってください。
・人物の性格を言葉で説明しないでください。
・人物の性格は彼らの行動で表現してください。
・小説として完成させてください。
例によって、アウトプットさせる際の条件が重要になってきます。
なぜなら、この条件を出さないと、
桃太郎は犬、雉(キジ)、猿を再び集める。忠実で勇敢な犬は桃太郎の側にいつも寄り添い、誇り高い雉は自ら進んで偵察を引き受ける。いたずら好きで計算高い猿は、陽気に振る舞いつつも、状況を鋭く分析する。
とキャラクターの特徴をそのまま言葉で表現してしまうからです。これだけを読むと、ものすごくつまらない物語に思えませんか?
たしかにキャラの性格は説明されているけど、彼らの顔が見えてこない。彼らをリアルに感じない。
……ここで物語を作る上で、とても重要な教訓があります。それはキャラクターの個性を、言葉で説明しない、というものです。
「勇敢な桃太郎は」と言葉で説明してしまうと、キャラの性格は読者(観客)には伝わりません。というか、逆に興ざめしてしまいます。なぜなら「勇敢な」はあなたの意見だからです。「それってあなたの感想ですよね?」なわけです。
でも、このような表現だったらどうでしょう?
「まだ村人は捕まって間もない。生きている可能性は十分にあるはずだ。桃太郎は鬼の寝息が聞こえる洞窟の中を、明かりもないまま手探りで進んでいった。」
桃太郎の存在を感じられるようになったのではないでしょうか?
キャラクターの個性はエピソードで表現されることで、はじめて読者に存在を感じられます。「勇敢な桃太郎」という説明ではなく、エピソードで語ることでその勇敢さがリアルになるのです。
そのために付け加えるのが
・人物の性格を言葉で説明しないでください。
・人物の性格は彼らの行動で表現してください。
という条件となります。
では、AIによって新しく生成された原稿を見てみましょう。
かつて鬼ヶ島を制した英雄、桃太郎。彼は平和だった村に再び訪れた恐怖の影に立ち向かう決意を固めていた。夜ごとに消える村人たち、そして血の跡と桃の香り。これらの謎を解くため、彼は再び旧友たちを集める。
犬は桃太郎の側に忠実に寄り添い、彼の決意を支えていた。猿は樹上から村を見渡し、不審な動きを見逃さないようにしていた。一方で、キジは高いところから見張りをしながら、村人たちを励ますために美しい声で歌を歌った。
ある夜、桃太郎たちの前に謎めいた青年、月太郎が現れた。彼は静かな口調で桃太郎に協力を申し出る。桃太郎は彼の提案に耳を傾け、共に行動することに決めた。
そのころ、村の外れでは闇鬼が彼の復讐計画を進めていた。彼は冷静に村の様子をうかがい、次々と村人を鬼に変えていった。
おじいさんとおばあさんは、村人たちを落ち着かせようと、日々慰めの言葉をかけていた。彼らの優しさは、恐怖に怯える村人たちにとって大きな支えだった。一方、村長は状況を把握し、村人たちに対して冷静に指示を出していた。
桃太郎たちは、闇鬼との戦いに備え、各々が得意とする技を磨き上げていった。そしてついに、闇鬼との決戦の日が訪れた。月太郎の助言により、桃太郎たちは闇鬼の隠れ家を突き止める。
戦いの中で、月太郎の真の目的が明らかになる。彼は実は闇鬼の弟で、桃太郎を陥れるために近づいたのだった。しかし、桃太郎たちとの絆に心を動かされた月太郎は、最終的に兄を止めるために自らを犠牲にする。
桃太郎たちは勝利を収めるが、月太郎の犠牲に深い悲しみを感じる。村には平和が戻り、桃太郎たちは再び英雄として讃えられるが、彼らの心には月太郎の勇気と犠牲が永遠に刻まれるのだった。
まだまだ読み物としては不十分ですが、あらすじとしては機能するレベルになりました。
一旦このバージョンに名前をつけて、この後も呼び出せるようにしておきましょう。
この物語のバージョンを「桃太郎2.1」とします。今後、「桃太郎2.1」と指定したときにはこのバージョンを参照してください。
と指示することで、今後別のバージョンを作っても、この版に戻ってきやすくなります。
さて、今回もカバー写真を作りました。
桃太郎2.1を少年漫画にしたとき、そのコミックスの表紙にふさわしいイラストを製作してください。16:9で、イラストに文字を含めないで下さい。
この3回で見てきたように、AIで物語を作るには一歩一歩のステップを確認しながら行っていく方が精度の高いものができあがります。
とはいえ、実際の手間としてはここまで10分ほどでできるはずです。
次回はこのあらすじから、より詳しい物語を生成するプロンプトを見ていきましょう。
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