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【AIに物語りを作らせる!】 ストーリーの章立てをするプロンプト。
前回「【AIに物語りを作らせる!】 物語にキャラ設定を組み込む。」という記事では、「鬼滅の刃」のキャラクターを土台にして新しく作ったキャラクターを、桃太郎の続編に入れていきました。
あらすじを生成する
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キャラ設定を生成する
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あらすじにキャラ設定を組み込む
実時間だとおそらくここまで10分かかるか、あるいは数分で終わってしまうかもしれません。
ただ、まだまだ内容は大味です。
しかも今のところ、AIはこの作品がホラー作品ということを忘れているみたい。「AIあるある」として、AIは時間がたつと前に指示していたことを忘れてしまうんですよね。
今回はホラーであることももう一度AIに耳打ちしつつ、大味なあらすじを抜け出して、物語の骨格を一瞬で強くするプロンプト(AIに出す指示)をご紹介します。
目次を生成するメリット
AIに物語を創作させるのに、目次は必要不可欠です。絶対にあったほうがいい。
理由は二つあります。
第一に、AIを使う使わないにかかわらず、目次があった方が物語全体を俯瞰できるようになります。どこにどのようなエピソードを盛り込むか、どのキャラクターにどこで見せ場を作るか、など調整をしやすくなります。物語が長くなればなるほど、複雑になればなるほど、作家にとって目次は重要なものになってきます。
書き手にとって目次は物語の地図のようなものです(さらに詳細な地図がプロットです)。これはAIに物語を作らせるときも同じです。
第ニに、AIが一気に長文を書くことを苦手としているためです。よくあるのは「全部で2,000字で書いて」と指示しているのに、涼しい顔して400字程度でさらっとアウトプットしてきたりすることです。
「あれ、指示を間違えちゃったかな?」
なんて優しく間違えを指摘して、もう一度「2,000字で」と指示しても「すみませんでした」とひどく恐縮しつつ、平気な顔でまた400字で書いてくる。おいなめてんのかお前。とイラッとしますが、現状ではChatGPT-4は長文でのアウトプットが苦手なことは間違いありません。
そこで全体のあらすじを生成した後で、章立てをして目次を作らせるのです。すると、あらすじを各章に分けて、物語全体の骨格をChatGPT-4は作ってくれます。目次なので文字数は少ない。そのためAIは存分に本領を発揮できます。
僕らは生成した目次を利用して物語を俯瞰し、足りない部分、加えたい要素などがあれば、その点を含めてもう一度目次を生成させます。
効果的に目次を生成するプロンプト
では実際に「桃太郎2.1」の目次を生成してみます。
この段になって、AIに自分の役割を指示するプロンプトが効いてきます。これは既にプロンプト・エンジニアリングでは広く知られている技術ですが、物語の目次製作でも同様にこのプロンプトは有効です。
たとえば同じ物語を作らせるにしても
歌舞伎のプロデューサーとして作って
インド映画の監督として作って
とでは、AIがアウトプットしてくる物語はガラッと変わります。片方はなんとなく歌舞伎っぽく、もう片方はなんとなくインド映画っぽくなるわけです。すくなくともAIはその指示に重きを置いてアウトプットしてきます。
プロンプトとしては
あなたは[○○○(AIに振り当てる役割)]です。
「桃太郎2.1」を章立てして、目次を作って下さい。
ただし、この物語が[○○○(ジャンル)]であることを念頭に作成して下さい。
となります。
ここでジャンルを指定しているのは、よりアウトプットの精度を上げるためです。もちろん無くても目次は生成できます。
ためにし、100年以上前のロシアの文豪のつもりで、桃太郎の続編の目次を作ってもらいましょう。
あなたは19世紀のロシアの文豪です。
「桃太郎2.1」を章立てして、目次を作って下さい。ただし、この物語が文学作品であることを念頭に置いて下さい。
すると、このような目次ができあがります。
19世紀のロシアの文豪として、「桃太郎2.1」の章立てを行い、文学作品としての目次を作成します。この物語は深みのあるテーマ、複雑なキャラクター、そして鮮やかな描写を持つ作品として構築します。
桃太郎2.1 目次
第一章: 暗雲立ち込める村
桃太郎と村の再会
突如訪れる謎の影
第二章: 過去の戦いの真実
犬、猿、キジとの再結集
秘められた過去の告白
第三章: 月太郎、現る
謎の青年との出会い
隠された意図
第四章: 闇鬼の脅威
村の恐怖と闇鬼の計画
おじいさんとおばあさんの憂い
第五章: 月夜の下での戦い
決戦の準備
月太郎の真実
第六章: 最後の対決
闇鬼との激戦
月太郎の決断
第七章: 平和への帰還
村の平和の回復
英雄たちの苦悩と希望
終章: 時を越える伝説
桃太郎の新たな誓い
未来へのメッセージ
なるほど。
これとは別に、今度はハリウッド映画のプロデューサーとして目次を作ってもらいます。
おそらく忘れていそうなので、ホラー作品であることも思い出させましょう。
あなたはハリウッドの映画プロデューサーです。「桃太郎2.1」を章立てして、目次を作って下さい。
ただし、この物語はあくまで「ホラー作品」であることを念頭に置いて下さい。
桃太郎2.1: The Horror Returns - 目次
第一章: 不吉な再会
桃太郎の平穏な日々
夜の村、消える人々
古い仲間、新たな決意
第二章: 謎の青年、月太郎
月太郎の登場
神秘的な力と提案
不安と期待の中で
第三章: 闇鬼の影
闇鬼の復讐計画
村人たちの恐怖
予期せぬ襲撃
第四章: 隠された真実
鬼たちの正体
おじいさんとおばあさんの告白
村の深い秘密
第五章: 月太郎の裏切り
月太郎の真の目的
信頼と裏切り
混乱と対立
第六章: 最後の戦い
闇鬼との直接対決
月太郎の決断
勝利と犠牲
第七章: 桃太郎の新たなる旅立ち
村に戻る平和
深い悲しみと新しい誓い
未来への一歩
この目次は、「桃太郎2.1」をホラー作品として映画化する際の章分けを示しています。各章では、物語の進展と共に高まる緊張感と恐怖を表現し、観客を物語の深みへと引き込んでいきます。
ハリウッド映画のプロデューサーに作ってもらった方が、やはりエンタメ度は高そうですね。すでに全体像はあらすじで作っているので、章立てすることでさらに物語の流れをはっきりさせることができました。
目次から物語を生成する
この目次で立てられた章の中で、具体的にどんなことが起きていくのか。一度章立てをしたことで、AIにもう1段階細かい物語を作成させられます。
この目次をもとに物語を書いてください。
「桃太郎2.1」の物語を、先ほど作成した目次に基づいて書きます。ホラー作品としての雰囲気を保ちつつ、各章の要素を取り入れます。
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### 第一章: 不吉な再会
桃太郎は平和な村で穏やかな日々を送っていたが、突如として村人が夜ごとに消え始める。血の跡と奇妙な桃の香りが残される中、彼は犬、猿、キジと共に再び立ち上がる決意を固める。
### 第二章: 謎の青年、月太郎
ある夜、謎の青年月太郎が桃太郎の前に現れる。彼は特別な力を持っており、桃太郎たちに協力を申し出る。村の不安は高まる中、桃太郎は月太郎と手を組むことに決める。
### 第三章: 闇鬼の影
一方、村の外れでは闇鬼という名の鬼が恐怖の計画を進めていた。彼は村人たちを次々と鬼に変え、村に恐怖を撒き散らす。村は次第に混乱に陥る。
### 第四章: 隠された真実
桃太郎たちは、鬼たちの正体が実は呪われた村人だという衝撃の事実を知る。おじいさんとおばあさんがこの秘密を明かし、村の過去の罪が明らかになる。
### 第五章: 月太郎の裏切り
月太郎の真の目的が明らかになる。彼は闇鬼の弟であり、桃太郎を陥れるために近づいていた。信頼と裏切りの間で、桃太郎たちは葛藤する。
### 第六章: 最後の戦い
桃太郎たちは闇鬼との直接対決に挑む。激しい戦いの末、月太郎は兄を止めるために自らを犠牲にする。勝利は得られるが、大きな犠牲を伴う。
### 第七章: 桃太郎の新たなる旅立ち
村には平和が戻るが、桃太郎の心には深い悲しみが残る。彼は新たな誓いを胸に、未来への一歩を踏み出す。
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この物語は、ホラー要素を織り交ぜながら、「桃太郎2.1」の世界を展開しています。各章では緊張感が高まり、最終的には主人公の成長と新たな始まりを描いています。
この次の段階では、各章を個別にアウトプットさせることによって、さらに詳しく物語を掘り下げることになります。
が、この段階ですでに修正したい部分が何点か出てきています。各章を個別に書かせる前のこの段階で気になる点を洗い出し、より自分が求める「桃太郎2」の生成目指しましょう。
この目次を使っての調整が、AIを扱う作家(あなた)の個性となってきます。
その方法はまた次回に!
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