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Land the treasure - 虹ヶ咲 7th Live!のよもやま話

いつもナンバリングライブ後に書いている感想noteです。
その時々の考えを残し、後日振り返るため。

端的に言えば、虹ヶ咲 7th Live!は歩んできた道のり(物語)を振り返ることで現在のトキメキと輝きを共有し、次に向かう推進力を生み出す場でした。

"あなた"ひとりひとりとニジガクの対話を描いた6th Live!に対して、今回はこれまでの歩みをステージ側から宝物として再構築していく大胆なものでした。言うなれば、2期12話でエマが語った思い出(過去)→7th Live!(イマ)→これからの虹ヶ咲(未来)をライブで表現したものだったように思います。

そんな感じで、今回もライブ前中後で浮かんだトピック毎に整理しました。


虹ヶ咲に触れた時期で印象が変わるライブ

アニガサキ衣装のラバーフィギュアが伏線だったように、7th Live!はアニメシリーズの虹ヶ咲をキーに据えたライブでした。

アニメから入ってきた方には「遂に聞けた!」と新鮮な体験になり、かたやそれ以前、実際に虹ヶ咲 3rd Live!以降に参加した方は振り返りを通して想いを新たに出来たライブでした

そういう意味では、今回のライブが過去と大きく違うのは、これまで以上に観客が作品に触れた時期によって捉え方が変わることだったと言えます。
私の観点は後者です。

全27話に加えて映画が公開された今だから思い起こされること、3rd & 5th Live!当時に叶わなかった応援を挽回できたこと等々、自分と作品との間の思い出に根ざしたライブでした。

ただ、捉え方が違っていたとしても辿り着くのは、等しくこのライブへ来られて良かったという想いでしょう。それこそが宝物だったわけです。

思い出を振り返ることは、単に記憶を再生することではなかった


振り返ることで生み出されるのは単なる記憶の再生ではなく、新しいものが生まれることを教えてくれたように思います。
あの歌はやっぱり良いな、知ってる歌の新たな一面を見られたなとか。一部キャストさんからも語られていたように、今だから出来るパフォーマンスや見せ方がありました。

アニメ1期放送直前の東京テレポート駅

これまでの歩みがあるから今日のライブがある。その先には、これからもこの作品と歩み続けたいと感じる新たな願いや期待に変わっていきます。
それこそが今回の7th Live!が作り上げたものだと感じます。

もっとも、元々アニガサキはスクスタやキャストの活動といったあらゆる虹ヶ咲的な要素を取り込んで描かれています。その点において、今回のような過去を組み込む試みは初めてではなかったと言えます。

例えば、アニガサキ2期ではFirst LIVEを物語のなかで描いたことで、虹ヶ咲 5th Live!には再演されたFirst LIVEとしての役割を持ち、あとから入ってきたファンが改めて最初のライブを体験できる側面もありました。

とはいえ、それでも7th Live!を7th Live!たらしめたものは、ライブとして約4年分の規模で正面から再演したことに違いないでしょう。

セットリストから垣間見えたTOKIMEKI NIJI-VERSE

すっかり名前が出なくなったプロジェクト名。

おおまかに言えば、今回のセットリストは映画→アニガサキ→にじよんの軸を作品や時流を象徴する楽曲で挟み込む形になっていました。
開幕の「Just Believe!!!」「虹ヶ咲学園校歌」、そしてアンコール楽曲の数々です。

作品毎の世界観を持たせており、多角的に展開する持ち味を活かしているように感じました。指向性が強いセットリストは、新しく入ってきた方にも作品世界に触れやすい構成だったように感じます。

そういう意味では、名前こそ目にしなくなりましたが、TOKIMEKI NIJI-VERSEプロジェクトが指すものを体験として味わえたのが本ライブだったように思います。

この辺りは虹ヶ咲 6th Live!のNEXT SKY楽曲に没入しきれない残念さを感じていたため、今回はお釣りが来る勢いで作品毎に魅せてくれました。

ライブに根ざした幕間ドラマ

普段はふんわり場繋ぎの印象が強い幕間が、今回はライブコンセプトに根ざしている物語に。
幕間ドラマがライブを組み立て、トキメキの案内人となっていました。

もちろん、今回のライブはえいがさきとにじよんだけでは物量が足りず、同時に他媒体で大規模な供給がある訳でもありませんでした。その点では必然的に幕間ドラマの重要性が増していたようにも考えられます。

今回は幕間を介して何故このライブがあるかを伝え、観客が持っている”宝物”をステージや会場とキャッチボール出来る場を作り上げられていたのが楽しかったです。お互いの認識にブレがありません。

そして、宝物を見つけるまでのシリアスな物語と、後半の茶番劇とのコントラストも絶妙でした。幕間を挟んでえいがさき→アニガサキ→にじよんの世界観を表現しつつ、アンコール以降のはっちゃけたニジガクも楽しめる。全体を通してかすみんアリーナ(New TOKIMEKI LAND)として作り上げている構造も分かりやすかったですね。

個人的には6th Live!の幕間に不定感を抱いた経緯もあり、侑と”あなた”が同席しながら一体的に楽しめた今回は、とても腑に落ちる作りになっていて嬉しかったです。むしろ、これが公式が導いた最適解なのかなと感じています。

海獣とは何者だったのか

かすみんワンダーランドを荒らし回った海獣。

海獣で検索した結果

度々宝物を奪いに荒らし回ることから、おそらく目に見える物的な宝物があると思って探し回っていたのでしょう。ワンダーランドで生み出される楽しみや輝きに引き寄せられるも発見出来ず、幾度も探し回っているように見えます。

NEW TOKIMEKI LANDへの再建を通して宝物が"内にあるもの" (非物質的なもの)であると辿り着いたかすみたちは、海獣が再び訪れた際に攻撃せず宝物を知ってもらおうと話して終わります。

この解釈に則れば序盤の転覆→漂流の流れも、物的な憧れはいずれ壁に当たるという示唆だったのかもしれません。
栞子ちゃんの〆がとても巧かったですね。

これが本当の、怪我の功名ですね。

7th Live! 幕間ドラマ

物語としてはそれ以上でもそれ未満でもないと考えられます。
ただ、よもやま話として書いてみるならば、実際楽しんでる人達を攻撃してくる魑魅魍魎が存在します。あくまで虹ヶ咲(NEW TOKIMEKI LAND)の楽しさを知ってもらおう(=迎え入れよう)とするところが作品の"らしさ"で印象的でしたし、その器の大きさを見習いたいと感じました。

ともすれば同じシリーズ内のファンから攻撃されることもあるわけで、そうした時にどのように受けとめることができるか、難しい話です。

また、一歩踏み込んでみると、応援を続けていくなかで往々にして楽しかったものがそう見えなくなる場面はあり、宝物が陳腐なものになる時もあります。理由は内面的なものから外部的なものまで様々でしょう。
その為、幕間を一歩引いて捉えてみると、常に一定とは限らない宝物の輝きについて考えることもまた重要なんだろうなぁと思いました。

体験としての"TOKIMEKI Runners"

アニガサキを振り返る形で16曲ノンストップで披露された楽曲たち。応援する側としてこれまでのライブで最も激しいパートだったように感じます。

スクールアイドルに胸を高鳴らせ夢に向かっていく同好会メンバーの姿を歌っている「TOKIMEKI Runners」は、今回のライブになぞらえれば、16曲ノンストップの進行そのものが彼女達の歩んできた道筋 (ランニングコース)と捉えました。


情緒を破壊されて途中でペンライトを振れなくなると覚悟していたら、むしろ「振れなくなったら負け」だと開き直って見届ける時間になりました。ライブはステージと観客の対戦の場です。

そうして再建・完成されたNEW TOKIMEKI LANDの締め括りに歌われたのは、他ならぬ「TOKIMEKI Runners」でした。
一方では余韻を与える隙のないもったいなさを感じますが、一方ではひとりを選ばせる隙を与えずに次々と輝きを響かせていく虹ヶ咲らしさに溢れていた16曲でした。

「TOKIMEKI Runners」PV公開から6年

かつて出来なかった応援も含めて、すごく特別な時間になりました。
あの時間と場所、そして抱いた感情こそがまさに宝物です。

ポスト「Love U my friends」としての「Fly with You!!」


ナンバリングで初めてお披露されなかった「Love U my friends」。

LUmfは"あなた"へ感謝を伝える定番曲であることから、日替わりでも披露されなかったことは意外でした。

ただ、通しで披露された「Fly with You!!」はあなた一人一人と虹ヶ咲の歩みを描いており、歩みの中には当然互いへの感謝が含まれていると考えるのが自然です。だからこそ、今は離陸した飛行機がどこに向かっていくか、感謝は自明のものとして、次へ歩み続けることを表現することになったようにも思いました。

個人的に、6th Live!のよもやま話では「Fly with You!!」がみらハとLumfを受け継ぐ歌だよねと書いていたことから、悪くない読みだったのかもしれないなぁと思いました。

公式の写真がとても良い

背景映像と合わせたタイミングが決まってて素晴らしかったです。
edgelineさんの記事に沢山載っています。

個人的に広告を撮るときに背景と合わせて狙うことも多く、その難しさを知っていると、掲載されている写真はキャストさんの移動も含めて事前に確認して撮られているのだろうと感じました。

フラスタに写真を提供させて頂けた

ご相談を頂いてフラワースタンドに使用する写真を提供させて頂きました。
キャラやキャストさんに贈る想いの一端を担えたことが嬉しく、お声がけ頂いてすごく嬉しかったです。(実はフラスタは初めて)

美ら海水族館滞在後にご相談を頂いたため、カット回収的な資料回収の写真しか撮っていなかったら提供できる素材がなかった可能性も高く、普段から色んな観点で撮影しておくものだなぁと思いました。

そして舞台は沖縄から大阪へ

舞台は沖縄から大阪(関西圏?)へ。

梅田スカイビル

第1章は、スクールアイドルGPX開幕の盛り上がりにふさわしい季節感を演出できる舞台として、新天地の沖縄を選んだように捉えています。作中で対照的に描かれたように、虹ヶ咲学園や東雲は雪が積もる灰色の季節でした。

そして第2章では再び大都市圏を舞台と選んできました。つまり、今度は2月らしい冬の景色を見られることでしょう。その季節感は物語とも絡んでくるように見え、第1章とは異なるテイストを感じられるのではないかと期待しています。

終わりに:再び13人が集結する日を願いながら

シリーズ未踏の7thを背負ったライブは、虹ヶ咲を新たな道へ導いてきたアニメを通して大切にしてきたものを分かち合う場所でした。

"振り返り"はともすれば保守的・懐古的な話になりかねないですが、次に向けて推進するための燃料として宝物を生み出し、前向きに描いてきたのが大満足でした。"昔は良かった"という考えが生まれないことこそ、作品が新たな道を歩み続けている証拠なのでしょう。そして生まれた宝物の先には、完結編第2章の新しい景色が待っています。

予定外のアニメと共に切り開いた3rd Live!
あなたの応援で虹を架けた4th Live!
夢が結実した5th Live!
ニジガクとの対話から次へ踏み出す6th Live!
これまでの歩みを胸に進んでいく7th Live!

全員集合が難しいことで有名な虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会だから、8th Live!はだいぶ遠いように感じられます。

一方で来年はマンスリーソングス(1人2曲)が発売され、それだけで24曲にものぼります。つまり次は"攻め"のライブが見られるのではないか楽しみです。

"LAND"は、動詞にすると何かを獲得することを意味します。
宝物を得た私たちが向かった先に訪れる虹ヶ咲の展開とライブがどうなるのか、とても楽しみです。だから今回はLand the treasureとしました。
思い出の宝石を胸にしまいながら、かつて作品から押された背中のその先を頑張っていこうと思いました。

書いていて意外な気づきですが、今回のようにライブの屋台骨がしっかりしすぎていると受け取るだけで満足してしまい、自分なりに膨らませて書くのが難しかったです。
最後までお読み頂きありがとうございました。

P.S.
度々6th Live!の話を引き合いに出したことにも理由があり、それだけ前回のライブで残念に感じたと書いた部分が全部カバーしていたからでした。
今回のライブはパフォーマンス以外にも驚き通しでした…。

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ざっかりー
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