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You try Me ⇄ I trust You - 虹ヶ咲 6th Live!のよもやま話
いつもナンバリングライブ後に書いている感想noteです。
その時々の考えを残し、後日振り返るため。
端的に言えば、虹ヶ咲 6th Live!は"変わり続ける作品に試されながらも、変わらないものが何か"を証明する場だったと捉えました。
以下、6th Live!だけに留まらないトピックもありますが、ライブと向き合って頭に残った話題を残しておきます。
"あなた"を取り戻したライブ
そもそも"メタ"で捉えがちな虹ヶ咲
初期の迷走期に「この作品はどこへ向かうんだろう?」(=作り手は何を思って今の展開をやっている?)と考えていた為、以来、虹ヶ咲と接するときは必然的にメタな捉え方をしてきました。
キャストとファンは一方的に試されてきた訳です。
つまり、"あなた"として作品と物語を等身大で楽しむ私(一人称視点の私)がいる一方で、フィルターとして別階層から文脈を読み取ってから作品と物語に接している私(=メタ・第三者視点の私)がいます。
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例えば「アニメ化が予定されていなかった」話は、恐らく本来はファンが知る必要もない話です。単純に発表と描かれた物語に等身大で興じれば良いはずだった。しかし、歴代作品とは異なる位置にも関わらず予定外の展開を勝ち取ることが出来た文脈を前提とすることで、テレビアニメの特別感が強調されることになります。
もっとも、予定外の"みんなで叶えた夢"としてアニメ化が共有されたからこそ、キャストと"あなた"の連帯感は強まり、一歩一歩進みながら夢を叶えていく虹ヶ咲の特長を形成していると理解しています。だからこそ、現在もプロジェクト形式で展開する形となっているようにも感じます。
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とはいえ、そうしたメタな捉え方に囚われると、「私は解っている風の観測者」になってしまいます。それでは"あなた"とニジガクが同じ土俵(物語や目線)に立っているとは言いがたい。"交換"を行うには、渡すためにお互いが同じ土俵にいる必要があります。
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"あなた"を同じ土俵へ引きずり出したFly with You!!
ライブでは誰もが一人称になります。参加者とステージが1:1の場であり、同じ土俵に立っています。だからライブとは、私にとっては提示される物語とのタイマン勝負(対戦)です。
6th Live!のなかでとりわけ印象に残ったのが「Fly with You!!」です。
天気が変わりゆく空のなか、どこまでも進んでいこうとするニジガク。
音楽理論に明るくないためかなり抽象的な表現にはなりますが、
・Aパート・Bパートの助走とサビの飛翔感
・サビのハモり
・緩急の激しさと落ちサビソロからの没入感が特に強い
・歌詞が抽象的
緩急と飛翔感を帯びて比喩も多いこの歌は、意味を理解しようとすると"あなた"一人一人とニジガク固有のドラマティックな歩みとこれからを想起させるのに十分でした。
つまり、接する上で等身大に引き戻されるわけです。高咲侑に背中を押され、おかげで新しい仕事や自分なりに追求したい趣味を見つけた私は、6th Live!で作品から距離を置こうと今後を考えていました。最後まで見届けたい想いと同時に、作品から得た糧を吸収出来てしまったら、そこが自分と作品のゴールだとも考えていたからです。
しかしタイマン勝負の場でこれまでの歩みを思い出して見事にぎゅっと手を繋がれてしまったのでした。
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そんな「Fly with You!!」は「Love U my friend」(="あなた"への感謝)「未来ハーモニー」(=ニジガク9人にとっての歩みと今後)を取り込み昇華させたものに近く、2曲の地位を引き継ぐ表題曲なのかもしれません。
ソロ曲に没入しきれなかった不定感
ラブソングを歌う相手はニジガクによって異なりますが、幕間で侑ちゃんがリアクションして進める進行には、会場の"あなた"としては自らのポジションが分からず取り残される感覚を覚えました。
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すなわち、"あなた"に向けたライブにもかかわらず高咲侑が目立つというバランスの難しさです。高咲侑もルーツこそ"あなた"でアニガサキにおける代弁者でもありますが、物語の進行とともに独立した1人として描かれています。
この気持ちには少なからず高咲侑へ向けた嫉妬も含んでいると思います。一方で「私のラブソング編」では侑が殆どおらず"あなた"に向けた話だと捉えていたからこそ、幕間を見ると観客はただの傍観者だったのか?という不定感に繋がります。"あなた"と高咲侑の境界線で迷いが生じ、とりわけソロ曲に没入しきれなかったのは残念でした。
もちろん、ライブ進行上はエンターテイナーとして高咲侑を介在させた方が盛り上がりで正解だと思います。高咲侑もまた愛されキャラだからです。だからこそ、一貫したデザインでライブをやってほしかったと思います。
NEXT SKYのライブとしては消化不良
5thアルバムを中心としたライブな故、NEXT SKYの物語を表現するライブとしては消化不良でした。衣装替え等を考慮すると今回は割り切らざるを得なかったと感じますが、各曲のパフォーマンスが良いだけに惜しいですね。
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一方で消化不良とは対照的に、コンテクストが重んじられやすく安易にセットリストへ組み込めなさそうな歌も増えました。「夢がここからはじまるよ」や「Future Parade」などです。
なかにはコロナ禍の3rd Live!でしか披露されていないものもあり、そろそろアニメに限定したライブをやってくれても良いのではないかと感じました。
ラブレターが持つ意味
何故この子が好きなのかを振り返る機会として
意識・無意識の差はありますが、書き出そうとすると必然的に頭の中で言葉を選んでいます。どう書こうか?何を書こうか?言葉はこれでいいか?一番伝えたいことは何か…。
すなわちラブレターを書くことは、自分とニジガクの関係を整理・言語化するプロセスを含んでいます。それは自分の内心や相手と対話することであり、書き出した表現には一番強い気持ちが表れるでしょう。そして何故この子が好きなのかを再認識する瞬間でもあります。
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1:1で向き合うことは気恥ずかしさを感じる一方で、ニジガクと真剣に向き合わせる機会を与える点でライブのコンセプトに何よりも根付いた企画であり、とても虹ヶ咲らしい取り組みです。
何ならそんなラブレターをきちんとマーケティングに活かしてほしいとも思います。ちなみに私はまだ全員分書けていません…。
今回のライブはプロジェクトをはじめとした俯瞰目線と等身大として接する目線がうまく融合していて、noteで挙げた不満を除けばそのバランスがとても面白かったです。
変わり続ける作品で変わらないものを見つけるきっかけとして
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今回、6th Live!ではアニガサキの「完結編」が発表されました。
その三文字にはどうしても動揺します。好きなものに大きな区切りがやってくる不安の裏返しだからです。
そして映画ではキャラクターデザインが変わるような雰囲気もあります。期せずして、変わり続けるなかでも変わらないものを見つけるきっかけになるのがラブレター企画のように思いました。
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先に書いたとおり、ラブレターには一番強い気持ちが表れるからです。その気持ちが揺らぐ自体が起きない限りは、変化があっても好きなことには変わりません。
(もちろん、他に好きな作品が生まれたりすることは考えられます)
おそらく「完結編」と書かないことも出来たんじゃないかと勘ぐります。敢えてそう表現したからには、フェスティバル広場から始まったアニメの物語にゴールや着地点を描く作り手の覚悟や意志を受け取りました。河村監督や遠藤ナオキさんをはじめ、アニガサキは歴代よりメタな話が発信されている作品です。”どう着地させるのか"をメタな目線で見守ることも、今後も作品を楽しむ目線のひとつだと再認識しました。
夢を叶えさせる物語
「完結編」の動揺に真っ先に反応したのはキャストさん達でした。
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テレビアニメ化や映画決定時のコメントでも、ニジガクキャストは次の夢や叶えた夢について、いつも力強いコメントを発信してくれます。それもまた、ラブライブ!シリーズの根幹にある「みんなで叶える物語」の一員であることを感じさせます。
ただ、これは”叶える"というソフトな表現ではなく、"あなた"とニジガクのやりとりを通して運営に夢を叶えさせる物語なんでしょう。そのきっかけがテレビアニメ化だと思いますし、みんなの声に対して試されているのは、他ならぬ製作委員会です。声を上げ続けることは大切なんだと思いました。
また、いつもキャストさんの頼もしさに涙して声援の形で応えるわけですが、再度自覚したことがあります。あなたと一緒に歩む物語でもあるから、これは"あなた"としての夢や目標ももっと頑張ろうってことですよね。
元々NEXT SKYを見た時の感想が「次にスクリーンで会うときはもう少し成長していたい」だったため、自分のなかで点と点が繋がった瞬間でした。
そんな私は、今年は仕事もお台場の魅力を伝える活動も頑張りたいです。
楠木ともりさんから林鼓子さんへ
「不完全でも楠木さんを含む13人が良い vs 心の目が要らないライブを見たい」で割り切れないまま4月を迎え、私の悩みは時間が終止符を打つことになりました。
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前提として新しいキャストさんを迎え入れて応援することは決めていましたし、そこで私にとって優木せつ菜への好きが変わる訳ではありません。むしろ、2人のキャストを持つことで1+1が3以上になるポテンシャルを秘めていることが楽しみです。
その林さんは「にじたび」の頃こそ楠木さんの歌唱を意識してる側面を感じていましたが、異次元フェスのコラボ曲の激しいパフォーマンスに新しい優木せつ菜を見られたのが衝撃でした。東京ドームは私にとって第2のフェスティバル広場になったように思います。まさにトキメキです。
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そうした流れを経て、6th Live! 千秋楽で林さんが悩みや「私がせつ菜になる!」と語ってくれたことでようやく腑に落ちました。
長らく自分の中で割り切れなかったピースというのが、せつ菜を演じる悩みと覚悟を話してくれることだったのだと思います。
林さんだから出来るせつ菜と演じる上での考え。今後も全力で楽しんでいきたいと思います。
7th Live!と虹ヶ咲
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様々なコンテクストが乗りすぎていた5th Live!があらゆる虹ヶ咲的なものを集束させたプリズムなら、6th Live!はそこから再び拡散したひとりひとりの光へ、ニジガクが寄り添い対話する場でした。
ではその先の7th Live!はどうなるのか?
当然今は何も分かりませんが、虹ヶ咲と"7"の数字には様々な縁があり7th Live!開催を決めてほしいと長らく考えていました。
・日本では虹と言えば7色で親和性が高い
・作品モチーフとして登場するレインボーブリッジは7色
・作品舞台のお台場は7番目の副都心
・2024年はPDPが発表されてから7年
縁起が良いですよね。
お台場で野外ライブしませんか???
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それはそれとして、虹ヶ咲はキャストさんの個人活動も多くライブの小回りが利かないことで有名です。シャッフルフェスティバルのような企画ライブが少ない代わりに、着実に歩んできて開いた7番目だと感じました。そのナンバーにラブライブ!シリーズ初で辿り着いたことも、結果として嬉しいですね。
終わりに:You try Me ⇄ I trust You
愛が何かはさておき、"あなた"が向ける想いにニジガクは返し、それを更に返していく。最初は小さかったスタートかもしれないけど、ゲームが始まり予定外のアニメも決まり、気づけばラブライブ!シリーズ最多のアニメタイトルを持つまでになりました。
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愛の交換は次への強い原動力となり、もっとライブが見たい!アニメが完結と言わずに続いてほしい!!と次へ繋がっていく。虹ヶ咲の面白いところは、そうしたキャッチボールを続けながら歩んでいくことです。先に書いたとおり"夢を叶える物語"ではなく"夢を叶えさせる物語"なら、もちろんアニメが完結しても次を夢見ることも大々的に出来る訳です。(矛盾はともかく)
でも、続くからにはどうしても変化していく。
それでも変わらないものなんだろう?
応援している私だってそうですし、環境も変わっていきます。
あれだけ好きでも、私にも一旦離れようと考える日も来てしまった。
愛の交換には、相手から試されることもある。それを理解し受け入れる。そして相手を信じられたら送り返すことが必要だと思いました。
だから6th Live! I Love You ⇄ You Love Meとは、私にとってはYou try Me ⇄ I trust Youでした。
(ようやく結論を書けました)
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スクスタは完結したしスクフェス2も呆気ない幕切れに。
キャスト交代もあれば私の環境も変わっていく。
でもそんななかでも、やっぱり私は虹ヶ咲という作品が好きなことに変わりない。
ならもう少し続きを見てみない?ということでした。
そんな次の完結編第一章の予告は「ーーーここまできたよ!」で始まります。単に沖縄へ行ったことかもしれないし、あるいは侑からバトンを渡された"あなた"に対して「あなたはどこまで行けそう?」(=あなたはどこまで夢や目標に進めそう?)と問いかけてるかのようです。
2024年9月6日までに自分はどこまで行けるかなぁ…。
そんなことを考えながら、感想を締めくくります。
ではでは。
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