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『スカーレットネクサス』レビュー。ストーリーの牽引力と会話を楽しめるARPG

おはこんばんにちは。ましゅーずです。

今日は先日クリアした『スカーレットネクサス』のレビューをつらつらと書いていきます。

ゲーム概要

 『SCARLET NEXUS』(スカーレットネクサス)は、バンダイナムコエンターテインメントから2021年6月24日に発売されたXbox One・Xbox Series X/S・PlayStation 4・PlayStation 5・PC(Steam)用アクションRPGである。通称『スカネク』。本作は、機能が拡張された人間によってあらゆることがコントロールされる世界を舞台に、人間の脳を狙う「怪異」との戦いを描いた内容となっている。(Wikipediaより引用)

簡単に気持ちよくなれるバトル

 本作のバトルは主人公の「念力」という能力を中心に、シンプルでかつ程よい気持ちよさが味わえるものとなっている。近くのオブジェクトを敵に当てたり、仲間のスキルで敵の弱点を突くことで一気にHPを削り総攻撃をしかけることができる。回復が尽きたり主人公が死ぬこともあまり無いのでアクションゲームが苦手な人でも十二分に楽しさを味わえる作品になっている。

 その一方で、アクションとしての歯ごたえが無いのも確かだ。前述した主人公のスキルもただその場に配置されたものを攻撃していくだけなので、そこに「どのオブジェクトを投げるか」という選択の余地は無い。また敵の種類やパターン、弱点も決まり切っているため、プレイヤーの試行錯誤が無しで敵を倒すことができてしまう。"アクション"ゲームとしてのクオリティを求める人にとってはハマらない作品かもしれない。

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▲車もぶつけて攻撃可能だ

牽引力のあるメインストーリー。その一方で・・・

 本作はかなりストーリーの要素が多く、割く時間も長い。ただ、メインストーリーに関してはそれぞれのキャラクターに関連するエピソードや世界を大きく変えるような出来事が連続して起きるため、思わず続きが知りたくなるものになっている。本作はフェイズの間にスタンバイフェイズと呼ばれる休憩時間が存在するがそれをすっ飛ばしてでも次へ進めたくなる。

 ストーリーを進めていく中で気になった点としては、メインの物語とそれ以外の部分に矛盾を感じたことだ。例えば、序盤に敵対する勢力の人間と一緒にカフェでくつろいだり、街の人間の心理状況があまり描かれていないなど、メインストーリーを納得させるものにするためにこれらの要素がもう少し洗練されるとよいかと思った。

魅力的なキャラクター

 本作はアニメ調で描かれたキャラクターたちが非常に魅力的な作品である。まさにアニメの世界でキャラクターを自在に動かしているような感覚で、これだけでも買って損は無い。先ほど述べたスタンバイフェイズの時間にはそれぞれの仲間と「絆エピソード」と呼ばれるものを進めることで、より仲間について理解し、ともに歩む体験ができる。また、バトル中にそのキャラクターがいなくてもスキルを使えるため、まさに「一緒に戦っている」という感覚を味わうことができる。

 気になった点としては、キャラクターの性格が淡泊だった点であろうか。仲間それぞれに特徴があるのはよいのだが、それを克服していく過程など主人公の視点のみで描かれるためキャラクターの「深み」を感じ取ることができなかった。欲を言えばもう少し多面的な描写がほしかった。

その他気になった点

・アクションにおける回避が・・・
本作の回避は一般的なARPGと同じくジャスト回避や空中回避なども可能であるが、そのタイミングが悪いのとモーションの中断で回避ができないので避けるのが不可能な攻撃がいくつかあった。

・探索要素の少なさ
RPGにおける探索要素も少なかったように感じる。サブクエストはザ・おつかいクエストでやる気が起きないし、そこでもエピソードの発展も無い。サイバーパンク風に美しく描かれた街もストーリー上あまり訪れることが無いのと行ける場所が限られているため楽しむことができなかった。また、アクションのところで述べたように敵の種類が限られているため、ステージの奥に進んでレアアイテムをゲットしたい、でもその前には強敵がいる・・・という感覚も味わえなかったのでステージ内の緩急がなかった。

・会話シーンが長い
本作はアクションに加えて会話を楽しめるものではあるが、それにしても長く感じた。スタンバイフェイズで1時間以上費やすこともあったので戦闘で気持ちよさを味わいたい身としては退屈に感じてしまった。また、テイルズオブシリーズが源流であろう一枚絵で描かれる会話シーンも戦闘中は長い息継ぎのように感じてしまう。

・スケールの大きさ
本作のメインストーリーはビッグイベントが多くスケールの大きいものになっていたが、そこについていけないことがあったのも確かだ。もう少し多面的に描かれると事態の深刻さや感情移入ができていたかもしれない

まとめ

 本作はたしかに淡泊な要素がある作品であり、何か革新的なものがあるわけではない。しかし、キャラクターを中心に魅力的な部分も多くストーリーの牽引力は素晴らしかったので気になる人は手に取って遊んでいただきたい作品だ。


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