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置き去り猫を助けたい!⑲

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虫の見本市

ノンちゃんの野良の証。それは獣医さんもびっくりするほどの種類豊富なお腹の虫。回虫やマンソン裂頭条虫はもちろん、珍しい毛細線虫の卵までありました。パンパンに張っていたお腹は寄生虫のせいだったようです。
このお腹の虫は屈強で結局5回も検便に連れて行くことになり、「虫の子」という不名誉なあだ名ができたほどでした。

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体は汚れ、お腹は虫だらけ、約1ヶ月間もうちのテラスを離れなかったことから野良であることはほぼ間違いなかったのですが、念のために近所の交番と保健所、警察署に迷子の届け出が出ていないか聞きました。
またSNSを毎日チェックして迷子情報を探しましたが、ノンちゃんのことを探している人はいないようでした。ちなみにノンちゃんは生後半年〜1歳の女の子でした。

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カモちゃん脱走で心が折れかけていた私にとって、信頼を寄せて甘えてくれるノンちゃんの存在は癒しでした。愛猫キューちゃん(猫嫌い。置き去り猫全員にシャーの挨拶)が初めて少しだけ仲良くなれた猫でもあり、ノンちゃんとの生活はとても楽しかったです。家に慣れた頃から始まった超大音量の夜鳴きと大運動会には寝不足にさせられましたが。

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カモちゃんのペースで

一方、もう会えないかも...と心配していたカモちゃんですが、脱走の翌日に置き餌を食べている姿を目撃。さらに翌日も家の周りを歩く姿やうちの屋根の上にいる姿を見て、これは根気よくいけばもう1度保護できるチャンスがくるかもしれないと希望を持つことができました。

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餌場だったところにハウスと置き餌を設置して1週間、ごはんは毎回なくなっていて、ハウスを使った形跡も発見できてほっとしました。
ただ、私を見つけるとそれはもう必死で逃げる逃げる。よほど嫌だったんでしょうね...。それでもさらに1週間も経つと、私が遠くから見ている状態でもごはんを食べるまでなりました。

すぐに捕獲することも考えましたが、果たしてそれはカモちゃんの気持ちに寄り添っているだろうか。前回は去勢手術があったから早く捕まえなければと焦っていたけど、今回は今すぐに無理して捕まえる必要はないんじゃないか。少しでもカモちゃんのペースを尊重したい。そう考えるようになりました。

カモちゃんはここで生まれ育っているので今更遠くへ行ってしまう心配もほぼなさそうだったので、心の距離がせめてゼロに戻るまでは外でお世話しようと決めました。

エビの受難

その頃エビは、仲良しのタビマメ親子がいなくなり、さらに兄貴分として頼りにしていたカモちゃんが出て行ってしまってから態度が硬化してしまいました。
表情は険しく、常にシャーシャーいうようになりまったく触れない状態に。突然やって来た知らない猫ノンちゃんの存在もきっとストレスだったと思います。これまでほぼなかった夜鳴きもひどくなり、このままここにいるのはどう考えても良くない状態。

そこで無理を承知で里親さんになってくれる予定の友人Mちゃんにエビのお届けを早めたいことを相談すると、快く予定を調整してくれて1週間も早く迎え入れてくれることになりました。
そして12月11日、ここを離れて無事に里親さんの元へ旅立っていきました。

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ノンちゃんにお声がかかる

カモちゃんの脱走からエビのストレス爆発と心配が尽きない毎日の中に良いニュースが飛び込んできました。なんとノンちゃんの引き取りを考えているという人が現れたのです。

その方(以下Nさん)は友人の飼い猫の保護主さんが紹介してくれた方で、すでに1匹の保護猫を飼っているご夫婦。連絡すると早速次の日にお見合いに来てくれることになりました。

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はるばる神奈川から来てくれたNさんご夫婦はとても気さくで優しい方々でした。5歳になる先住猫さんは保護猫カフェから迎えたそうで、お話していると保護猫にとても理解のある方々だということがわかり安心しました。

肝心のノンちゃんは意外にもガチガチに固まってしまいほぼアピールできず。お見合いは遠くからそっと見守るだけになってしまいました。それにも関わらず、ぜひノンちゃんをお迎えしたいと言ってくれたのです。

ノンちゃんが庭先に現れたあの時、見て見ぬ振りをしないで本当に良かったと思いました。あそこで手を出していなかったら、ノンちゃんは今もたった1匹で寒空の下をウロウロしていたかもしれません。これからのノンちゃんのあたたかな猫生を思うと、少し泣けてきたのでした。

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⑳につづく

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