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置き去り猫を助けたい!㉒

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パタンと閉まった扉

いつものように銅像を決め込み、カモちゃんと根比べしていた朝。私は密かに決めていました。今日、やると。日によっては1時間待ってもカモちゃんがハウスに入らない日があり諦めることもありましたが、今日は何時間でも粘ってやると決めていました。

この日もカモちゃんは警戒心強めな日だったようで、30分待ってもなかなか入らず。そんな時に外飼いユキちゃんがやって来てしまい、もう少しでハウスに入りそうだったカモちゃんは「シャアァーーッッ!怒」といって逃げてしまいました。タイミング悪る過ぎです。

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ユキちゃんにお隣に帰ってもらいがっかりしながら戻ってくると、なんとカモちゃん、ハウスに入ってごはんを食べていました。ユキちゃんが来たことで動揺したのか、私が忍び足で近づいても気づいてない様子。

私はそっと手を伸ばし、ハウスの扉をパタンと閉めました。
2月8日、カモちゃん、捕獲...!

カモちゃんは焦った様子で一度だけガタッと中で動きましたが、それからはじっと息を潜めているようでした。扉を抑えている自分の手がブルブルと震えていることに気づき、やっと、ついに、2ヶ月越しでカモちゃんを捕獲できたことを実感したのでした。

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別猫のようなカモちゃん

ハウスごと猫部屋に入れ、そっと扉を開けると勢いよくカモちゃんが飛び出してきました。外だと思ったそこは、見覚えのある部屋。カモちゃんの顔に絶望の表情が浮かび、(また...騙された)そう言っているように見えました。今度こそ心底嫌われただろうな、また空気砲を浴びる日々か...と覚悟していましたが、不安そうにするだけでまったく威嚇してきませんでした。まるで別の猫になったように大人しいカモちゃんにとても驚きました。

落ち着いてもらうためにしばらく猫部屋を離れ様子を見に戻ってくると、隠れ場所として用意していたキャリーに自ら入っていたのでそのまま病院へ。心配していたのはウイルス検査の結果です。10月の時点でせっかくエイズ・白血病ともに陰性だったのに、脱走したことで陽性になっていたら残念過ぎます。

結果は、両方陰性。ほっと胸を撫で下ろしました。

忘れもしない12月7日、カモちゃん脱走後の猫部屋で悔し泣きをした日を思い出し、またここでお世話ができることを本当に嬉しく思いました。怖い思いをたくさんさせてしまった分、今度こそ幸せな道につなげてあげなくてはと改めて気を引き締めた日となりました。

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カモ対策のあれこれ

猫部屋に入ってからのカモちゃんは捕獲初日から威嚇行動ほぼゼロで、1回目の捕獲時に大活躍した犬の訓練用革手袋を握りしめ構えていた私は拍子抜けしました。ただ、夜はやはり暴れていて、驚くことに以前開いていた窓のところを執拗に探っているようでした。カモちゃんはかなり賢いので、脱走ルートを覚えていたのだと思います。

もう二度と、二度と脱走だけはごめんなので、私は捕獲後のことを考えて色々と脱走対策を考えていました。

まず1つ目は窓のストッパーを追加でつけること。前回は窓の鍵を開けられた可能性があるので、元々ついているストッパーだけでは不安です。なのでサッシ窓用補助錠というものをつけてみました。これはかなりガッチリ締まるので、たとえ鍵が開けられてしまっても窓が開くことは防いでくれそうです。

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次に実践したのが、寝る時と外出時は雨戸を閉めること。鍵と補助錠が外れて万が一窓が開いてしまっても、猫の力で雨戸を開けるのは至難の技だと思います。昼間に外出する時(ほぼなかったですが)は真ん中の雨戸を10cmほど開けて光を入れていました。

あとこれは脱走対策ではなくアレルギー対策になりますが、「Pulizia」という次亜塩素酸スプレーで毎日猫部屋と寝室を徹底的に拭き掃除していました。カモちゃんをネコリパに無事に届ける日までなにがなんでも最後までお世話をしたかったので、夫のアレルギーが出ないように掃除の鬼と化していました。それに加え「小青竜湯」という漢方も飲んでもらっていました。これらが効いたのかわかりませんが、結果的にアレルギーは薄く出る程度に留まりました。

そんなお世話の日々の中、カモちゃんが驚きの姿を見せてくれました。
㉓につづく



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