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『マイエレメント』に学ぶオープンマインドの重要性

8/4、ディズニー&ピクサー最新作「マイ・エレメント」
が公開されましたね!

この映画は当初、競合する映画が前倒しでリリースになった影響で
黒字化はほぼ絶望的と見られていたそうなのですが、
(ディズニー&ピクサー作品歴代ワースト2位!)
その予測から一転、なんと公開から1カ月半で「損益分岐点」に到達し、
現在の全世界興収は4億ドルを超え、黒字化に成功したそうです。

その要因の一つに「圧倒的な口コミ評価」がある
ということで興味をひかれ早速映画を観に行ってみました。

『マイエレメント』は火、水、土、風のエレメント(元素)たちが
暮らすエレメント・シティを舞台に、
火の女の子エンバーと水の青年ウェイドという
正反対の二人の恋を描いた物語です。
現代版ロミオ&ジュリエット的なものなのかなと思って観に行ったところ、
もちろんそうした要素もありますが、もっと深い愛の物語でした。

※以下ネタバレあります。※

私がこの映画から学んだことは、
立場的に上に立つ者(会社だったら上司、家族だったら親)は、
どこまでも「対話」を歓迎する努力をし続けるべきだということです。
オープンマインドであること、それを相手に認知させることが
とても重要だと思いました。

主人公のエンバーの父親は祖国が自然災害にあったことがきっかけで
より良い暮らしを求めてエレメント・シティに移住し、
何もないところからお店を立ち上げ、生活の基盤をつくり、
エンバーを育ててきました。

Photo by Natalya Zaritskaya on Unsplash

エンバーも両親が大好きで、幼い頃から、
早く立派になって父親のお店を継ぐということを公言してきました。
そしてその言葉の通り、エンバーは立派にお店を手伝ってきました。

一方で、エンバーには
お店を継ぐためにも、一人前になるためにも我慢しなきゃと思いつつ、
常識のない客などに対して癇癪を起こしてしまう癖がありました。

その癇癪の原因は、彼女自身の優しさと
両親への深い感謝と尊敬の念により、
両親に自分の本当の思いを伝えられなかったことにあったのですが、
ウェイドとの出会いにより、段々と自分の本当の気持ちに
気づいていきます。

「その両親がすべてをかけて作ってきたお店を
自分が潰すわけにはいかない、自分が立派に店を継ぐことが親孝行である」と思いながら生きてきたけれど、自分でも認めたくないが
「お店を継ぎたいと思っていない」自分がいる。
この葛藤がエンバーに自分でも抑えきれない
癇癪を引き起こしてきたわけです。

ウェイドがエンバーに、
「癇癪は悪いものではない、心がメッセージを送っているのだ」
と伝えるシーンがありますが、本当にその通りですね。

Photo by Aleksandr Ledogorov on Unsplash

自分が「実はお店を継ぎたくない」と言ったら
どんなに親ががっかりするか、
年を取ってもう無理させられないのに
さらに負担をかけてしまうのではないか、
自分が遠くに行くことになったらどんなに落胆させてしまうか、
決して親が押し付けているわけではないのだけど
エンバーの優しさ、両親に対するあまりにも深い愛と感謝の念から
話題に出すことすらはばかられると思ったのでしょう。
そんな主人公の葛藤、迷いに胸が締め付けられる思いです。

最終的には思いを伝えることができハッピーエンドなのですが、
親が子どもに愛情を傾ければ傾けるほど、その愛が深ければ深いほど、
子どもは無意識に親の意向に沿おうとしてしまうのかもしれないと
気付かされる思いでした。
(関係が良好であればあるほどに)

だからこそ、上に立つ側は相手がいつ何時も自分の本音を
正直に言えるように、対話を歓迎しているという姿勢を
見せ続けることがとても重要だと思ったのです。

移民や移民二世、マジョリティとマイノリティ、
色々なテーマが盛り込まれつつも、
見事に一つの物語としてまとまっていて、
非常に素晴らしい作品だと思いました!
(映像美は言わずもがな!)

一本で様々な種類の愛を滝のように浴びられる物語になっているので
まだ観ていないという方はぜひご覧になってみてください♪

人事コンサルタント
金森秀晃

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