初フォロワー
烏賀陽さんの記事を購入するためにnote登録しましたが、プロフィールなのか記事なのかわからない文章に、初フォローしてくれる危篤な方がいらしたので、何かを書くという作業を、久しぶりにやってみようかなと思います。
いったい何を書いたら良いのやら、ごくごく普通の人生とは言い難いとは言え、どこから書いたものか、物を書くってむつかしいですね。
そうか、では私が15歳だった時の話。
高校受験をするべく進学塾に通っていた私は、中3の夏、突然塾をサボるのです。1ヶ月だったか2ヶ月だったか、あまりに昔で、そこら辺は良く覚えていません。高校受験が3教科だった頃です
なんで突然サボったのか、理由も思い出せません。その頃、親の離婚話が出ていたので、それが関係していたとは思います。今でこそ、親の離婚は珍しくもありませんが、当時はまだ、離婚する家庭はごく稀でした。
それでも私自身は、幼い頃から両親の不仲を目の当たりにしてきたので、来るべき時が来たぐらいの気持ちでいたものの、やはり、とても哀しかった事を覚えています。
今は亡き私の母は、愛情も深いけれど、鬼のように怖い存在でもありました。それを承知の上で塾をサボっていたのですから、私にも良くわからないのです。
塾に出すべき月謝袋を持ったまま、私は塾に行かず、どこへ行っていたかと言うと、映画館です。今はもうありませんが、当時、駅の近くに、2階が日活ロマンポルノ、3階が普通の映画館の入った古いビルがありました。
塾の時間は夜ですから、映画を観るのも夜7時過ぎ、帰るのは10時過ぎといった具合です。15歳の女の子が一人で。映画が終わって帰る時、エレベーターに乗らずに階段を使うんですが、日活ロマンポルノの音響が外にも漏れ響いていて、変なオジサンに出くわしやしないかと、いつもビクビクしながら階段を駆け降りたものです。
当時の映画は、普通に2本立てで、サボり一発目の映画は『ある愛の詩』、強烈だったのは『ファンタズム』、あと覚えてるのは『明日に向かって撃て』…もっと観たはずなんだけど、もう思い出せません。
塾には毎回、具合が悪いとかなんとか、ちゃんと電話してサボってました。月謝1万円だったと思いますが、月謝を入れないわけですから、当然、家には塾から確認の電話があるわけです。なので、途中で母にはバレていて、私もそれを薄々感じて、烈火の如く怒られるのを覚悟しているにも関わらず、母は知らないフリをするのです。
絶対バレてると思いつつ、その日も塾に行くフリをして「行ってきまーす」と言う私に、「行ってらっしゃい、気をつけてね。」と母から言われた時、なんかこう、ものすごく胸がギューっと締め付けられて、その日がサボりの最後の日になりました。
あゝ、こうして思い出して文字にしてみると、あの時、私は枠の外に飛び出る事が怖くなくなったのかもしれません。
今日は、ここまで。