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映画評「Tー34 レジェンド・オブ・ウォー」
気になってたんです、本作。
どうも映画ファン界隈がざわめいているぞ・・・これは観なければと思ったのに、諸事情あって観に行けず(言い訳)、行こうと思ったらコロナで(言い訳)、レンタル開始まもなく拝見。
下記、いろいろ書きますが、要は、必見 です!
幸先良い、ゴールデンウィークの始まりだぜっ!
あらすじ(ネタバレなし)
全露No.1メガヒット!
<新次元>戦車アクション・エンターテインメント!!
宿敵を、撃て。
あらすじというよりキャッチコピーだが、もうこれでいい。
全露No.1てのが新鮮。これが凄いのかどうかはわからないが、とにかく熱さが伝わるでしょう。
早く観ましょう。
感想(ネタバレなし)
戦車映画ってのはそれなりの数がありまして、近年だと、ブラットピット出演の「フューリー」とかがありました。
がしかし、今までの戦車映画と一線を画しているのは、
主人公が戦車
という点でしょう。
とにかく戦車。戦車対戦車。ときどき、人間。
雪原・森林・市街戦。朝・昼・夜。
いろいろな戦車の姿が観られるよー。スローモーションもたくさんあるよー。楽しいよー。
早く観てください。
まだ観ることを決めてないあなたは、このポスターと、予告編を少しだけでもご覧になってみてください。
あらすじ(ネタバレあり)
ネタバレありのあらすじを書くのが、こんなめんどい作品も珍しい。
それくらい、体感型の映画です。
個人的には映画評で避けていたんですが、公式HPから引用しましょう。
たった4人の捕虜が1両の戦車T-34でナチスの軍勢に立ち向かう ー
これだけでいいでしょう。いい意味で。
感想(ネタバレあり)
本人たちは大真面目。作劇のトーンも大真面目。でもバカっぽい。
となると、「ワイルド・スピード」シリーズのノリに近いような気もする。
だが、本作と「ワイルド・スピード」の大きな違いは、「乗り物」愛である。
「ワイルド・スピード」って、特にここんとこの作品は、もう車関係ねーな、ていう構成で、何でもあり過ぎるんですよね。それはそれで好きだし、それがシリーズを重ねているうちの進化ってこともわかってるんですが。
この作品「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」は、とにかく戦車に特化した作品である。
多用されるCG等特殊技術も、いかに、
「みんなが観たことない戦車のあーんなシーンや、こーんなシーン」
を見せる・魅せるために使われている。
おかげで、そういえば観たことがなかったフレッシュな戦車描写が満載。
相手の砲弾をくらってしまい「ゴォゥゥゥゥン!」と、重く・強く・鈍く、響く戦車内部とか
カリカリカリカリとハンドル回し、砲塔を回転させるのだが、そのときに徐々に筋肉が張ってきて辛そうっていうディティールとか
徹甲弾・榴弾・遅延信管がそれぞれどう違うのかを、執拗にスローモーションで見せたりとか
お腹いっぱいである。
中盤、戦車ロードムービー的な展開が一瞬あるのだが、そこだけ3時間で流しても許したいくらい、心地よい新鮮さだった。
立ち向かう4人の捕虜たち、紅一点の通訳女性、そして敵役のナチス将校。
このあたりの人間描写は、戦車燃えを優先。どこまでも、戦車が映えるように設計されていて、気持ちがいい。
あーもう、文章としてまとめることを放棄して、もう箇条書きにしちゃおう。
・序盤の戦車戦闘シーン。ちょっとだけ人対人の銃撃戦があるのだが、そこんとこのやる気のない感じとか、いっそ清々しい。
・人間描写も適当ではない。ロシア人はロシア語、ドイツ人はドイツ語。間に通訳が入るときの「ラグ」も、間延びしない程度に、むしろサスペンスを盛り上げるためにも入れられており、秀逸。
惜しむらくは・・・。これは私のせいなのか日本人だからなのかはわからないが、ロシア語とドイツ語の違いを、すぐに聞き取ることができないため、特に序盤の戦闘シーンでは、「あれ?これってどっち側だっけ?」と一瞬混乱する。
・量で優るナチス側も、戦車を歩兵でタカリ潰すことなどせずに、律儀に戦車で挑む姿、素敵である
・近年、ここまでファンタジック&フェティッシュなナチス描写も、もはや珍しいんじゃなかろうか。やたらと分厚い本(あれなんだ)を、若い将校に持たせて、人間ブックスタンドみたいにして、自分は「ふむふむ」と本を読んでるヒムラーとか、全てが大仰な描写でクール。
・ロシア人が本当に「ウラァー」と叫んでるの始めて見た。
等々等々等々等々。
欠点がないわけではない。
・結局、あの戦車ってどう処理したのか?感動的なお別れがあったのでは
・最後の一騎打ち、どう考えても編集荒過ぎじゃないか
とか。でも、些末すぎるし、どうやら26分の追加シーンがある「ダイナミック完全版」てのも控えているとのことで ー 。
はよ終われ、コロナ。映画館で観たいから、DVD買うのは我慢する。
追伸・まじりっけなしに感心したシーン
つかの間の休息。野郎どもは湖で泳ぎ、女子はそれを見つめる。
もう夜になったし、さあ寝よう。
ここで、当然のことながら、戦車長と女子のラブシーンがあるのだが・・・。
※この二人は、ほとんど初対面のときから目を合わせっぱなしで、無言のイチャイチャをしており、伏線はばっちりである。
少し離れたところで女子が待ち、そこに男性が現れるという定番のシーン。
ここに、唸った。
カメラは、待っている女子の方を向いており、彼女は背中に、戦車長の足音と気配を察すると・・・
嬉しそうに、かつ恥ずかしそうに、はにかんだ笑顔を浮かべるのである。
期待してたのかい!でもそうだよね、期待するよね。ああ、ちゃんと来てくれたわ、って嬉しいよね!
こういうちょっとしたシーンにも、きちんとした演出があって、おじさんは1人ニヤニヤしてしまいました。
とにかく、必見。ぜひ観ましょう。
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