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お言葉の安売りセール

人間、向き合わねばならないものから逃げがちになるときがある。現実逃避と言うものでしょうか。

そんな時こそ、向き合うべき人に対して真心から言葉をかけるべきなのに、それが出来なくなる。

ぺらっぺらな言葉を向けてしまったり、ふと湧き出た感情を人目を憚らず誰かに向けてみたりする。

本当にその言葉を向けるべき相手は別にいるのではないだろうか?

本当に心から言葉をかけてくれる人は、伝える相手の気持ちを考えて、相手を慮って言葉をかける。時や場所を選んで言葉をかけるもの。相手の気持ち、人目もきちんと気にして発言するでしょう。

様々な人と接していると、自分に向けてくれた言葉でも、やり取りをしていて心から向けられた言葉じゃないなと感じることがある。

自分を何も知らないであろう人から、向けられた言葉って響かないじゃない。段階を踏んで仲良くなって初めて響く言葉を向けてもらえるものじゃない。

言葉って、積み木みたいなもので、信用の積み重ねの上に立てるからこそ、次の言葉をかけられるのだと思う。信用が積み重なれば、言葉の積み木も段々と重量を増してくるものなのではないかと。
それをTPOも弁えずに向けられてしまった暁には、もうこれは貴方のデリカシーバグっちゃってませんかとか感じてしまう。

その場で湧き出た感情に任せ、簡単に好意や称賛の言葉に頼っちゃいけない。ちゃんと向き合うべきものにかけておやりなさい。真心から出ていないものはお言葉の安売りセールに見えてしまう。賞味期限も先が見えてしまう。足の早い言葉を叩き売っちゃあ言葉にも失礼ってもんだ。特売価格398円也。

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