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大人のフリ

深夜0時30分。
マグカップ1杯分の湯を沸かすのに3分。
お湯を入れてから10分。
私は猫舌だから、冷ますのに5分。
その間に目薬をさす。
昔は目薬が怖くて、母親に頼んでいた。
今では10秒もかからない。
コンタクトもそうだった。
昔は眼球を触ることが怖かったのに、今ではもう慣れてしまった。

この時間もそうだ。
初めてこのお茶を淹れた時は、タイマーで時間を測った。
そのくせ1分ごとに確認して、まだかまだかとパックを見ていた。
成長するって、少し寂しい。
昔は楽しめた事が、楽しくなくなる。
楽しくない、というか、普通になる。
これが大人になるって感覚なのだろうか。
でも、悪いことだけじゃない。
ただお茶を眺めていた時間が、文字を書く時間に変わった。
ちょっぴり大人な時間。
コーヒーも紅茶も飲めない私は、黒豆茶を飲んで大人ぶる。

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