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大型類人猿は様々な理由で物を投げる

2024年9月末 市川市動植物園

午後訪れる。オランウータン舎に直行。ポポちゃんがまだ放飼場にいた。うれしい♪ 屋内からイーバンのロングコールやキススクイークが聞こえて来る。ポポは時折様子を見に行くが、まだ放飼場にいたい様子。浜松市動物園も市川市動植物園もオランウータンたちが好きなだけ外にいられる環境になればいいなと思う。

飼育員さんを待つポポ (♀6)「人間のお母さん、まだかな?」
飼育員さんが近づくとグイーンと伸び上がるポポ「あ、来た❤️」

イーバンは、登場すると餌を素通りし、放飼場を巡回して安全を確認。そして構造物に登り、ギャラリーをぐるっと見渡し、自分より強そうな人がいないか確認する(たぶん)。コンクリートブロックの上に配置された野菜を美味しそうに食べ始める。人間に背を向けて😅しばらくして客側に顔を向ける。食べ終わると、ゴムホースを拾って構造物に登り、来園者を見渡す。どこに投げつけてやろうか目星をつけていたのだと今だとわかる😅 常連さん曰く大きな傘を持っていたり、柵から身を乗り出していたりすると、物を投げられやすいそう。この日は近くに傘を所持している人がいたらしい。園もこのイーバンの行動を鑑みて放飼場に来園者に当たったら危ない物は置かないようにしていると推察するが(あくまで推察)、来園者もちゃかしたり煽ったりしないということが必要かもしれない。

こんなイケメン・イーバン(♂推定36)が…
こんな角度から見るとマンガみたいな表情でつい笑ってしまう🤭
この角度からのイーバンもなかなか味がある
たくらみの表情

さて、この大型類人猿の物を投げるという行動について大変興味が湧いた。千葉市動物公園のサンタも土や消防ホースなどを来園者に投げたりする。サンタの場合も、イーバン同様に誇示行動だ。野生でも同種同士、他種や調査中の研究者に対してなど対象は幅広く、意味合いも時と場合によって違うが同じ行動をする。チンパンジーが物を投げる行動にはいろんな種類があることを以下の動画でわかりやすく説明している(Source: Chimpanzee Sanctuary Northwest)

以下の動画は2022年上野動物園のニシゴリラのコモモがトトに対して誇示行動をしたシーンが含まれる。ゴリラに関しても、道具を使って誇示行動をするということがわかる。

以下の動画では、2023年東山動植物園のニシゴリラのキヨマサが野菜をお手玉のようにして投げて遊ぶシーンが見られる。物を投げる行動はゴリラでも誇示行動以外でも見られることが分かる。

サル山とサル舎をぐるっとまわる。前回はマンドリルのジョディはいなかったが、今回はお外に出ていた。私を観察しにきた。しばらくジョディさんに見られて、他のサルたちやキバタンも見る。一際気になっているのがクロキツネザルのグミ。飼育下の平均寿命に達しているグミは、前回訪問したとき、渡り木の上を行ったり来たりを繰り返していて少し気になった。餌のタイミングとかいろいろあるかもしれないので、今後も訪れた際には気にかけたい個体となる。

数年前から単独になったクロキツネザルのグミ(♀24)
マンドリルのジョディ(♀34)も高齢により単独生活
ジョディにじっくり観察される
前回の訪問で3個あったカラスウリ。二日後に再度確認してみると赤いのが1個残っていた。誰が食べたんだろう、と想像を膨らます。
帰り際、大町公園で見たサギ

(この日撮影した動画は後日この記事に追加します)

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