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私家版 ロックかるた 「ね」

どうしても欲しくて、でも売っていない。だから、自分で作ってしまった「私家版 ロックかるた ブリティッシュ・ロック編」。
世界にたった1セット。

寝ても覚めても不仲の二人、
クリーム解散は世の必然。

クリーム。
ジャック・ブルース、エリック・クラプトン、ジンジャー・ベイカーの3人によるスーパー・グループ。
クリームという名前は「the cream of the crop」という慣用句に由来しているそうです。

The cream of the crop
最高のもの
Refers to best people or things
最良の人または物のことをいう。

語源:cropは農作物や作物の意味。クリームは作物としてとれた牛乳の中の最も良質の部分だという考えから来ている。

反対語はthe bottom of the barrel (樽の底=残り物)

英会話スクール・英会話カフェのIHCWAY「一日一英会話」より

当時、すでに最高のテクニックを持つと評価される3人が集まったのですから、クリームなのです。
文句なし、最高のバンドです。

面白いのは、このバンド結成時の逸話です。
新しいバンドを始めたいと考えていたジンジャー・ベイカーが、すでに名ギタリストとして知られていたクラプトンを誘います。
するとクラプトンは、ジャック・ブルースの加入を参加条件として提示します。
ベイカーはブルースの加入を承認。
しかし、クラプトンは知らなかったのですが、ベイカーとブルースは、犬猿以上に仲が悪いという間柄でした。

ジンジャー・ベイカーとジャック・ブルースは、同じバンド仲間だったのですが、ステージ上での喧嘩や演奏拒否など朝飯前。
ベイカーはブルースをクビにしましたが、彼は相変わらずライブ会場に現れ続けます。
最後は、ベイカーがナイフを持って「もう二度と来るな!」と、どやしつけたとか。
その相手と再び手を組めと、なにも知らないクラプトンが言うのです。

ベイカーもクラプトンの提案は拒否できません。
彼は、すでにロンドンの壁に「クラプトンは神」と落書きされている存在です。
そして、クラプトン同様、ブルースの実力を誰よりも理解しているベイカーです。
仕方ないね、クラプトンがそう言ってるのだから。
そう自らを納得させるのに長い時間は必要なかったのでしょう。

最強のスリーピースバンド、クリーム誕生です。
1966年、デビューアルバム『フレッシュ・クリーム』 (Fresh Cream) を発表。
68年には、3枚目のアルバム『クリームの素晴らしき世界』 (Wheels of Fire) で全米1位を獲得。
しかし、68年11月のロンドン公演を最後に、活動期間、わずか2年で解散となります。
ブルースとベイカーは、やっぱり仲が悪かったようですね。
その上、周りを無視して、ステージ上でも自分の音ばかりに没頭するようになってきたとか。
クラプトンは、
「自分が演奏を止めてもベイカーもブルースも気づかない」
と語っています。
もうダメですね。

解散後、クラプトンはいくつかのバンドを経験しますが、最後はソロ活動に専念することになります。
ブルースも専らソロ。
ベイカーは、リーダー気質でしょうか、いくつかのバンドを結成して活動を続けました。

人の言うことを聞かない独裁者ベイカー?
人の言うことを聞かない自由人ブルース?
……もしかしたら、そうだったのかもしれません。
クラプトンだって、結局バンド活動は長続きせず、です。
そもそも、固定されたグループの一員というのは無理なメンバーだったのかも。

この3人が一時的にせよ集まった。これが奇跡だったのかもしれませんね。

2014年10月25日、ジャック・ブルース死去。
ベイカーは「とても悲しい日だ。さようなら、俺の友人よ」とコメント。
また、ファン・クラブを通じて「素晴らしい男、ジャック・ブルースが亡くなったと聞き、とても悲しい…。この困難な時、彼の家族へ思いと祈りを」との声明が発表されました。

5年後、2019年10月6日、ジンジャー・ベイカー死去。

クラプトン、健在なり。

(つづく)


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