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色彩の教科書(3)「明度」は、重さと柔らかさ

色を見分けるための2つ目の基準は「明度」、色の明るさだ。赤や青、黄色など全ての色は、原色のほかに、様々な明るさの赤や青、黄色が存在する。この違いを明度というのだが、この明度によっても私たちが受ける印象に、大きな違いが起こる。
1つは、重さに対する印象の違い。例えば、同じ赤の椅子であったとしても、明度が高い赤(明るい赤)の椅子は、明度の低い椅子(暗めの赤)の椅子より重さが軽い印象を受ける。世の中で最も明度の低い「黒」の椅子と、世の中で一番明度の高い白い椅子を比べると、その重さに対する印象はさらに大きく異なる。
「明度」による印象の違いの2つ目は、膨張と収縮の印象の違い。
これは、二つの色を同時に使った場合に起こる現象だ。
例えば、明度の低い黒い色の背景に明度の高い白い色を配置した場合、白は膨張して見え、逆に白い色の上に黒い色を配置すると、黒は収縮して見える。これは二つの色の明度の差が大きいほど、強い印象となる。これは明度の差で起こる現象なので、もちろん他の色の組み合わせでも起こる。女性の皆さんなら、「膨張」=「太って見える」という現象も起こるので、洋服選びの時などに、とても意識する部分だろう。

明度が高いと柔らかい印象
明度が低いと硬い印象
膨張(白の部分が膨張して見える)
収縮(黒の部分が収縮して見える)


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