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ポールには友達がいない ~残念なビートルズ(5)「ポール、日本を『ジャップ』呼ばわり?」

「フローズン・ジャップ」。
雪をかぶった美しい富士山をイメージした曲。
『マッカートニーII』(1979年)に収録されています。

ジャップですよ、ジャップ。
仮にも戦中生まれのポールですから、ジャップが日本人の蔑称であることくらい知っていてよさそうなのですが、天才ポールはまったく気にしません。
「イギリスではジャップなんて、大したことないんだ」
と語るポール。
「ジャパニーズじゃ長すぎるから、簡潔にしただけだよ」
そういえば、ジョン・レノンが「ビートルズはキリストより有名だ」と発言したとき、イギリスのマスコミも国民も「またジョンが憎まれ口をたたいているよ」と大した問題にはしませんでした。
しばらくしてアメリカの小さなラジオ局でその発言が取り上げられ、全米の不買運動につながる大騒ぎになったわけです。
そんな事件も関係して、なんだかんだがありまして、ついにビートルズはコンサート活動休止に至ります。
イギリスの大人っぷりとアメリカの子供っぽさが、よーくわかりますね。
そんな大人の国、イギリス生まれの脳天気な天才は「ジャップ」などどいう「小さなこと」は気にしません。
お詫びのコメントもありません。
仕方ないから、日本版では「フローズン・ジャパニーズ」に変更しています。
かえって、こっちで気を使ってたりして。

そう言えば、あの名曲「ヘイ・ジュード」も、Hey! Jude! なんて、いきなりニューヨークの路上で言ったら「おい! ユダヤ人!」という差別的な表現になり、うっかり重大なトラブルを呼び込むことにもなりかねません(たぶん)。ドイツでそんな落書きしたら、確実に捕まりますね。
事件もあったようで。

マッカートニーは宣伝のためアップル・ブティックのウィンドウに「Hey Jude」を自ら大書するその一方、彼は「ジュード」自体がドイツ語で「ユダヤ人」を意味するJude(ユーデ)の存在を全く知らず、かえって「反ユダヤ主義の落書き」と誤解され、窓ガラスが割られ、抗議の電話がかかって来るなどの事件も起きた。

ウィキペディア

Judeは、使い方によりますが、ユダヤ人に対する立派な侮蔑語となります。
このJudeについては、ジョンの息子ジュリアンのことだとポールは語っており、普段ジュリアンを呼ぶときのJules(ジュールズ)より、歌ったときにいい感じだったからJudeにしたと説明しています。
ジュリアンの父親のジョンは、
「え? Judeって、俺のことじゃないの? 歌の内容は、俺とヨーコのことだろ?」
と言っていたとか。

いずれにせよ、イスラエルとハマスの問題で世界中が緊張している今、試しにニューヨークで「Hey! Jude! 」なんて実験は絶対したくはないですね。

天才は、空気を読まない。読む必要もない。何を言っても、ギリギリセーフ!


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