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色彩の教科書(7)色と時間~暖色は時間を短く感じさせる

色は人の時間に対する感覚にも大きく影響を与える。暖色と寒色の間で起こる感覚の違いだ。
まず、赤やオレンジなどの暖色は、時間を短く感じさせる力がある。つまり「もう2時間くらいたったかな」と感じても、実際は1時間しかたっていない、そんな感覚のズレを人間に感じさせる。つまり、結構長い時間がたったな、と思っているのに、実際はそれほど時間が経過していないということ。実は結婚式場なども、赤いじゅうたんや温かみのある色の内装などを使って、この暖色と時間の感覚の効果をうまく使っている。週末に集中する過密スケジュールの中で、お客様が追い立てられるような感覚を持つことなく、テキパキ時間通りに式を進行させていく上で、赤などの暖色が大切な役割を果たしているのだ。
逆に青に代表される寒色は、時間を長く感じさせる。つまり「もう2時間くらいたったかな」と感じていても、実際には4時間もたっている、そんな感覚のズレだ。つまり、人間の受ける感覚より、実際の時間の経過が早い。これは単調な作業などを行う現場では好ましい感覚で、実際に工場などの内装は薄緑や薄青色などの寒色系が常識になっている。実験では、寒色に囲まれると時間の経過に対する感覚が約半分になるとも言われている。

・会議室などは暖色系が多い。時間をたっぷり使って充実した会議、と思っても、そんなに時間がたっていない。

・単純作業を行う現場では、退屈が伴う。しかし、寒色のなかでは時間の経過が早く、瞬く間に終業時間がやってくるような感覚。

・  普通の仕事の現場では、時間が早すぎても遅すぎても困るので、中間の色。それでは刺激が少なすぎるので、椅子やパーティションの色、観葉植物などで適度に刺激を与えている。


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