私家版 ロックかるた 「け」
どうしても欲しくて、でも売っていない。だから、自分で作ってしまった「私家版 ロックかるた ブリティッシュ・ロック編」。
世界にたった1セット。
全世界での売上枚数は5,000万枚と言われており、世界で最も売れたアルバムのひとつです。
売上枚数は推計とは言え、やはりダントツはマイケル・ジャクソンの「スリラー」。それに続く2位グループと目されます。
日本においてもオリコンチャートで最高2位を記録しているところがすごい。
しかし、本国イギリスでも2位が最高なのだから、一発屋が一気にバカ売れしたというわけでもないのでしょう。
シングル・カットされた「マネー」も全米13位。大したことない。
このアルバムが、ひとつのトータルの作品として非常に高く評価され売れ続けている、ということでしょうね。
おそらく、セールストップのアルバムの中で「今も売れている」ランキングを作ったら1位ではなかろうか。
あ、イーグルスのベスト盤があった。あれも強い! 特にアメリカ市場で。どっちかなー?
いずれにせよ、いろんな〇〇記念リマスター盤がこれからも出続けることでしょう。
常に新たなファンを開拓し続ける、お化けアルバムですね。
ところで、この傑作アルバムを産み出したピンク・フロイド。
残念ながら、中心メンバーのロジャー・ウォーターズとデヴィッド・ギルモアの関係が、現在、酷い状態になっています。
この『狂気』以降、ウォーターズがバンドをリードして『炎~あなたがここにいてほしい』『アニマルズ』『ザ・ウォール』とヒット・アルバムを連発。バンドはウォーターズ中心からウォーターズ独裁の様相を見せます。
これに異を唱える他のメンバーとの亀裂は修復不可能なほど深刻なものに。
そんな流れの中で、ウォーターズが一人だけで作ったアルバム『ファイナルカット』がリリースされます。
一人で勝手に何をするのか!と怒るメンバーを残して、ウォーターズはピンク・フロイドを脱退。
バンドは自分のものと言わんばかりに、ピンク・フロイド解散を求めて訴訟です。
判決はバンド存続を求めるメンバーの勝利。
デヴィッド・ギルモアを中心とした新生ピンク・フロイドの誕生となりました。
新生ピンク・フロイドは新作アルバムやツアーにより、商業的に大成功を収めます。
ウォーターズもソロ活動をしていますが、まったく及ばず。
ウォーターズは、これが一番気に入らなかったんでしょうね。
やがて2015年、ギルモアの「自然消滅」発言で、ピンク・フロイドは事実上解散となり、以後、ギルモアとウォーターズは、それぞれのソロ活動で昔の曲を披露しています。
しかし、『狂気』収録曲のすべてを作詞したウォーターズ。
作曲にクレジットされているギルモアについて「奴に曲なんか書けない」と非難し、「私が『狂気』を作った。私のプロジェクトなんだ」と、今も主張しています。
一方のギルモアは、夫婦二人でウォーターズを「芯まで腐った反ユダヤ主義」と非難、人格攻撃になっています。
仲良くしろとは申しませんが、ね。
とほほ、ですね。
(つづく)