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声を聴く場をはじめます
「在野研究所 キキセン」というものを始めようと思います。
たくさん人が集まらなくていいから、細く、長く、じっくり続けたいと思っています。
少し長くなりますが、まずはわたしの気持ちと、葛藤と、今やろうとしていることを聴いてもらえたら嬉しいです。
キキセンのことも知ってもらえたら、とても嬉しいです。
わたしの真ん中のこと
誰かがたった1人で苦しんでいる — あるいは苦しんだかもしれないと思うと、たまらなく悲しい。
もしそういう人がいるなら、1人でも多く見つけ出して、わたしがその叫び聴きたい。欲張りだけど、本当は全部の叫びを聴きたい。
同時に、隣にいるあなただって叫んでいるかもしれないと思う。
よく耳を澄ませ、じっと待たないと、聴こえてこないというだけで。
どうかわたしに話して、と思う。
話したって何も解決しないだろうけど、ほんの少しでも悲しみが和らいだらいい。
そんな思いだけが先行している。
思いだけはあるから、いつも焦っている。
もっと聴かないと、どんどん聴かないと。
でも現実は、そんなに上手くいかなくて。
ほんの少し帰宅が遅くなるだけで、ほんの少し嫌なことがあっただけで、自分以外の声は一瞬で聴けなくなってしまう。
もし誰かの叫びが届いていても、耳栓をしているわたしには聴こえない。
「今のわたしに、そんな余裕はないの」
後になって、ふと、自分が耳をふさいでいたことに気づく。愕然とする。
またやってしまった、と思う。
誰かが叫んでいただろうか。助けを求めていただろうか。
もう二度と、声を出してはくれないだろうか。
わたしは、耳を塞げてしまう。
その特権がある。いつだって安全な場所に逃げられる。
だからこそ、常に耳を澄ませていたいのに。聴こえてくるまで、じっと待っていたいのに。
どうしてこんなに難しいんだろう。
それなら、仲間を探そうか。「難しいね」「大変だね」「でもここまで来られたよ」と、励まし合える仲間を。
「キキセン」は、他者の叫びを聴くことに特化した場です。
叫びを聴くためには、よく聴こえる耳と、聴こえてくるまでじっと待つ忍耐力が必要。あと、あなたの叫びが聴かれる場所も。
もしあなたが、わたしと思いを共有してくれるなら、まずは一緒に調べることから始めたい。
そこから1人で考えて、みんなで考えて、お互いに聴き合おう。
そうしたらきっと、「あの人の声も聴きたい」「なぜそう思うか知りたい」と、調べたいことが増えていくはず。
まっさきに現場へ行って、困っている人に肩を貸す人がいます。
声を挙げて抗議する人が、それを支える支援者がいます。
専門の研究者がいます。
人の思いを表現に乗せ、広げる人もいます。
わたしたちは、たぶん、どれにも及ばない。
でもこの社会を作っているのは、わたしたちのような「どれにも及ばない」人びとです。
だから、今できることから、少しずつ。
キキセンのこと
名前の由来
「耳栓(ミミセン)をはずして、聴くことに専念して」ということです。
いつか聴くことの専門家になりたいな、みたいなあこがれの気持ちもこめていいます。
キキセンは「在野研究所」を冠していますが、まだ本格的な研究機関ではありません。
しかし、キキセンがやろうとしている「調べて⇒考えて⇒自分なりに表現する」クリエイティブな営みは、充分に研究的だと思っています。
全体的なこと
キキセンでは、隔週の日or月or火曜日にオンラインで集まって、1~2時間ほどいろいろなことを調べたり考えたりします。
テーマは、それぞれ持ち寄ります。
今戦場にいる人のこと、権利のために戦っている人のこと、病気を持っている人のこと、お金がなくて苦しい人のこと、自分を好きになれない人のこと……
今の話だけじゃなくて、すでに亡くなった人のことも考えたいです。
同時に、場に居合わせた自分たちの声も聴き合いたいです。
普段考えること、悩むこと、嬉しいこと……
そんなあなたが、問いに対して何を思うのか。
進め方
まずはみんなで同じ文章や映像などに触れて、そこからおのおの好きなように調べたり考えたりします。
その後、問いを持ち寄って、対話を始めます。
そしてまた最後に、1人でじっくり考える時間を取れたらと思っています。
普段はZoomで開催するつもりですが、たまには映画の上映会なんかもできたら面白いですね(そのときは東京が会場になりそうです)。
ミュージアムへ足を運んだり、図書館で調べ物をしたり……
いろいろ試しながらやっていきましょう。
「参加したいよ」という方へ
「参加したいよ」と思ってくださった方、(条件が合わずに参加できないとしても)本当にありがとうございます。
参加したい方や興味があるので相談したいという方は、Googleフォームに回答するかたちでご連絡ください。
キキセンは、いつからでも参加可能です。
あなたと一緒に、声を聴き、考え、少しずつ言葉を紡げることを心待ちにしています。
主催者 ゆづ