私たちの研究
つらい花粉症、それは体からのシグナル。
体はクシャミを連発し、花粉を体内から排除しようとする。
さらに、強力な鼻水バリアを構築して花粉の体内進入を防ぐ。
この生体防御反応はつまり、
体が「花粉の過剰摂取は有害だ」と暗に訴えている証左に他ならない。
その自身の声に耳を傾けず、薬に頼って花粉を体内に蓄積し続ける行為。
それは、本当に正しい選択なのだろうか。
はじめに
花粉症とは鼻粘膜に花粉が付着することによって起きる免疫反応です。ですから、「鼻粘膜に付着した花粉を一粒も残さず洗い落とすことができれば、花粉症は直ちに改善に向かう」とも言い換えることができます。この逆問題は、後に報告する研究によって不可逆性のないことが確認され、同時に三つの事実が明らかになりました。
事実①【洗浄力の突出したブラシで鼻を丁寧に洗えば、花粉症は直ちに改善に向かう】
事実②【アレルギーの反応部位は下鼻甲介ではなく、むしろ手前の鼻孔側に集中する】
事実③【遅発相反応のリズムを先回りして、予防的にアレルゲンを洗浄をすれば、花粉症はコントロールできる】
不思議なことに、鼻の洗浄後、花粉症が長時間抑制される状態が度々確認されました。しかし、その再現性にはムラがあり、故にメカニズムの解明は困難で、長年に渡り謎でした。
しかし、専用ブラシの開発が、大きな進展を生みました。短時間で安定した洗浄効果を得られるようになったことで、より緻密に、より明白に、再現性のある検証ができるようになったのです。
「遅発相反応とアレルゲン洗浄の密接な関係性」謎の解明です。
花粉症には遅発相反応という厄介な性質がありますが、この性質を逆手に取って利用すると、花粉症は簡単にコントロールできるようになったのです。
花粉症に悩むすべての人にとって、興味深い新事実がこの論文には書かれている。薬はもう要らない。
それでは花粉症の世界を一緒に紐解いていきましょう。
【花粉症の厄介な特性】
<粘液線毛輸送機能>
鼻には本来、外からの異物を取り除く仕組みが備わっています。鼻腔内奥に付着した異物は粘液と線毛運動によって30分ほどで消化管に排泄されます。これを粘液線毛輸送機能と呼びます。(1分間に5㎜~20㎜と言われます)
<クシャミは高圧洗浄機>
粘膜に花粉などの異物が付着します。体がそれを有害と判断した場合、体はクシャミや鼻水を出して、その異物がそれ以上、体内に入り込まないように免疫反応を示し、異物を体外に排出しようとします。
<IgAバリア>
アレルギー反応による鼻水には、IgAという粘度の高い分泌成分が含まれており、細菌などの付着を防ぐ性質があります。鼻孔内は粘着状態にあり、飛来した花粉は粘膜に貼り付きます。体がそれを有害と判断した場合、体はクシャミや鼻水を出して、その異物がそれ以上、体内に入り込まないように免疫反応を示し、異物を体外に排出しようとします。さらに鼻水によって鼻腔内は保護されるので後発の花粉はブロックされます。故にこの鼻水バリアは液体を流し込んだり、素手で擦り洗いしたりするだけでは容易に洗い落とすことができないのです。
<特異的生体防御機能>
要するにクシャミは高圧洗浄機であり、鼻水はマスクという訳です。有害異物から体を守る生体システム、これを特異的生体防御機能と呼びます。生命の機能としては尊い反応ですが、症状はつらく、とても許容できるものではありません。それではどうすればよいでしょうか・・・
【花粉対策】
<薬>
薬があります。強力に鼻水を止める方法です。しかしながら、安楽と引き換えにあなたの体が拒絶した花粉を大量に体内に取り込み続けることになります。薬は記憶成績を低下させたり、腎臓・肝臓・胎児への影響が懸念され、不安に感じる人は少なくありません。
<舌禍免疫療法>
医学的な治療法もあります。「舌禍免疫療法」はそもそもスギとダニのアレルギーにしか対応しません。毎日舌下にアレルゲンを忍ばせ続け、3年継続すると7割に症状の改善がみられると言われています。効能は10年と言われています。
<レーザー治療>
「レーザー治療」は下鼻甲介粘膜を焼き、変性させて反応を鈍くします。1ヵ月近くかさぶたに悩まされる人も居ると聞きますし、1~3年ごとにその手術を繰り返さねばなりません。こちらも有効率は7割と言われますが実態は乖離しているとの報告があります。どちらにしても、体が有害と判断した花粉は体内に蓄積され続けることになるのです。
<アレルゲン洗浄>
定期的に花粉のお掃除(鼻孔の洗浄)をしてあげたらどうでしょうか。アレルゲン洗浄は、体に負荷が少ない自然な行為であり、体の生体防御反応をアシストするものです。アレルゲン洗浄を定期的に実施すれば、体は直ちに鼻水を止めてくれます。「安全」を暗に明示しているのではないでしょうか。体は実に正直に「有害・無害」を判断します。
【アレルゲン洗浄の解説】
<基本原理>
花粉症とは、花粉が鼻粘膜に付着することによって起きる免疫反応です。ですから、「鼻粘膜に付着した花粉を除くことができれば、花粉症は治まる」と言い換えることができます。アレルギーの原因物質が無くなれば当たり前ですが、症状は直ちに改善に向かいます。この方法は花粉症であれば誰でも検証できます。
<洗浄部位>
アレルギーの反応部位は下鼻甲介ではなく、鼻の中では一番手前の鼻孔にある人が割合的に多いことが研究により明らかになっています。多くの人は鼻の裏側に液体を通す必要性はなかったのです。
鼻の入り口付近には3つのポケット状の窪みがあり、花粉はそのポケットに留まり易く最も反応が強いことが分かっています。
IgA粘性鼻水により、素手による濯ぎ洗いでは花粉は容易に落とせないが故に、アレルギーの反応部位は長年誤解されてきたままだったのではないかと考察します。高い洗浄力を実現した専用ブラシが必要だったのです。
<アレルゲン洗浄の意義>
例えば、皆さんは毎日歯を磨きます。それでも虫歯になってしまったときに、初めて病院に行き治療を行います。歯も磨かず、治療もせずに、痛み止めの薬をいきなり服用する人は愚かと言わざるを得ません。
鼻の中も同じです。アレルゲンの花粉を、鼻孔内に付着させたまま、薬を飲んでも根本的な解決にはなりません。薬によって、花粉はIgA鼻水バリアを解かれた状態で体内に蓄積され続けます。花粉の過剰摂取はリスクがないと言われますが、学説というものはよく訂正されるものです。
原因となる花粉をスッキリと取り除けたなら、それこそ体に負荷のない最善策だとは思わないでしょうか?塩に致死量があることは周知の事実です。水にも致死量があり、米にだって糖分があるので致死量があります。どんなものであっても、体にとってはほどほどが良いのです。
まして、自身の体から有害認定をされている花粉を取り過ぎることに不安は感じないでしょうか。
【遅発相反応と猶予期間の創造】
<猶予期間の創造>
花粉の許容量(コップ)の大きさは人によってバラバラですが、そのコップが花粉で一杯になり、溢れるとアレルギーを発症します。即ち、「花粉のコップを空にできればアレルギーの発生まで猶予期間が生まれる」ことになるのです。これがアレルゲン洗浄におけるコップ理論です。
アレルゲン洗浄を実施すると花粉のコップを空にすることができます。そして、再度コップが溢れるまで、花粉症は発症しません。アレルゲン洗浄は遅発相反応の理論をもってアレルギー発生まで約4~6時間の猶予期間を作ります。(花粉の飛散量により24時間以上効果が持続する場合もあります。)
<遅発相反応の耐性を獲得する>
花粉症には即時相反応と遅発相反応という2つの反応があり、これを理解しないとアレルゲン洗浄は成り立ちません。即時相反応は花粉が鼻孔内に付着して、直後から30分後にアレルギー反応が起きるのに対して、遅発相反応はそれが6~10時間と言われています。
だとすると、6時間(遅発相反応)ごとにアレルゲン洗浄をしていれば、花粉症を忘れることができるはずです。花粉量が「非常に多い日」は、鼻水が出たとき(即時相反応)だけ追加して、アレルゲン洗浄をすれば30分以内には楽になれるということになります。
遅発相反応をコントロールすること、即ち、定期的に「予防的アレルゲン洗浄」を実施することがアレルゲン洗浄を成功させる鍵なのです。
<遅発相反応とコップ理論>
即時相反応と遅発相反応の理論には花粉症のコップ理論が当て嵌まります。私の即時相反応のコップ容積は常時30分程度で、ほとんど誤差はありません。それに対して、遅発相反応のコップ容積は6~24時間以上と幅があります。当日の花粉量により遅発相反応の時間は異なり、花粉量が極端に少なければ予防的アレルゲン洗浄後、24時間以上アレルギー反応を抑えることもできます。
<睡眠中のアレルゲン洗浄>
睡眠中の自律神経は副交感神経優位の状態ですが、起床時には交感神経側に切り替わることにより、一時的に自律神経のバランスが大きく乱れ、花粉症症状が過敏になることがモーニングアタックの主な要因と考えられています。
睡眠時間が10時間程度の人は予防的アレルゲン洗浄の理想のペースからは大きくずれてしまう訳ですが、夜間における花粉飛散量は比較的少なく、副交感神経の優位性などの要因から、睡眠時間が多いからといってアレルゲン洗浄のリズムが大きく左右されるわけではないようです。
<まとめ>
単純に考えると、アレルゲン洗浄後、新たな花粉が鼻に付いた時点で再度花粉症が発症することになります。しかし、6時間ごとのアレルゲン洗浄を繰り返すことによって、予防的な力が出現します。要するに、アレルギーのコップが空になったわけです。
その後、予防的アレルゲン洗浄を継続すると、花粉症発症までの猶予期間が都度、出現します。空っぽになったバケツに花粉が少しずつ蓄積され、バケツから花粉がこぼれるまでは花粉症を抑えられるということです。その猶予時間は当日の花粉量や個人差にもよりますが、4~24時間以上と考えられます。
(注)洗浄後30分は鼻がぐずつくことがあります。これは鼻甲介側に花粉が入り込み、線毛の働きにより花粉が消化管に排泄されるまで、30分ほどかかるとも考えられます。
<異常日> 花粉量が 「★★★★」を遥かに超える異常ともいえる花粉量
私は重度の花粉症ですが、アレルゲン洗浄をしてさえいればマスクをせず、快適な日常を過ごせています。しかしながら、年に数回は花粉量が異常に多い日があり、その日だけはいくら鼻を洗っても鼻水が止まらないことがあります。その1日だけは朝から30分おきに鼻を洗います。約10時間鼻を洗い続けると夕方には鼻が通ります。そして、この日を境に花粉症の症状が半減したかのように感じるようになります。レーザー治療のように皮膚組織が変成している可能性があります。この日を契機に鼻の洗う回数は極端に少なく済みます。
アレルゲン洗浄を成功させる為に成すべき3項
①正しい洗い方で洗浄をする。
②6時間ごとにアレルゲン洗浄を実施する。
③なお、鼻がムズムズする場合は即時相反応の対策として簡易60秒洗浄を実施する。鼻水が出る前に洗浄する。
【極論】
極端な話ですが、一日中鼻を洗い続けていたら即時相反応も遅発相反応も起き得ません。要するに洗浄回数を多く重ねた方が遅発相反応の耐性を固いものにできる訳です。
<2021年3月10日から4月8日までのアレルゲン洗浄実施の記録及び効果のまとめ>
別紙Excelの記録を要約及び考察した内容を下記に記す。3/10から3/18までは予防的アレルゲン洗浄の概念すらなく、即時相反応の対処としてアレルゲン洗浄を実施していた。要するにアレルギー反応後に都度、鼻を洗うということだ。その結果、花粉症はかなり軽減されていたが、コントロールはできていないと感じていた。しかしながら、洗浄による効果があることに疑いの余地はなかった。
3/19より、予防的アレルゲン洗浄を実施するようになる。当時、遅発相反応の原理は知らなかったが、自分の過去のデータを紐解くことにより、漠然とそんな要素がありそうだと考えるようになったからだ。
その後、上述に関する調査を続け、遅発相反応という言葉が存在することにに辿り着く。そこで漠然としていた断片的な考えが繋がり、全てが腑に落ちた。遅発相反応の耐性を獲得した時、花粉症はコントロールすることができるようになった。
別冊
【2021年花粉飛散量とアレルゲン洗浄効果の記録】
https://second.iimonoblog.net/wp-content/uploads/2021/12/実施の記録.pdf
出典:環境省ホームページ (https://kafun.env.go.jp/)
追記
花粉量が★~★★★までは花粉に反応してから鼻を洗っても対処できます。しかし、花粉の飛散がピークになり、極端に花粉が飛び交う異常日がやってきます。この日は鼻をいくら洗っても鼻水が止まりません。その1日だけ30分おきに鼻を洗うようにして下さい。約10時間鼻を洗うと遅発相反応の耐性がONになります。鼻の粘膜が変成しているのかも知れません。この日を契機に花粉症のコントロールは可能となります。1日だけ、犠牲となる日が必要なのです。
Powered by WordPress | Theme: Write by Themegraphy
花粉症対策
鼻 すっきり 爽快 StandardBrush【花粉ハウスダスト対策】 (standard2021.base.shop)
StandardBrush 鼻孔内専用洗浄ブラシ (standard-brush.com)