首都高と夜景の加速度
レールに見えた夜景は数え切れぬ自動車のランプだった。走っているだけでは、見えない光景。自動車を降り、高層ビルの屋上から見下ろさなければ見えない光景。見下ろして「綺麗ね」などと感想をつぶやく。グレーの雲の隙間から飛行体。ヘリポートは一定間隔で点滅している。
自分がその光景の一部になれば、出てこない感想をつぶやく。鳥の目になって、苦労を垣間見ず、ただただ有頂天・能天気になってこぼす言葉。地上の冷え切った空気の中、ぬるま湯に浸かっている。深夜のコンビニエンスストアで買った缶チュー