最高にひっくり返った内臓(1)
「Bye-Bye Show for Never」でいちばんグッと来たのは、「FOR HiM」でのモモコグミカンパニーの「ひっくり返りそう内臓」のまさに絶唱だった。
基本的には箱推しなのだが、いろいろ掘っていくうちにモモコ推しになってしまっていた。単純にルックスや動きがかわいいとか、知性/ポンコツであったり調和/自由であったりの絶妙な同居具合とか、要素はいろいろあるのだが、いちばん惹かれたのはそのストーリーである。
初期メンのうち、ただひとり、何も持たずに加わることになったモモコ。歌えないし踊れない。初期のライブ映像を見ると、2016年くらいまでは、少ない歌割にもかかわらず、ひとりだけ口パクだったこともあったのではないかと思う。脱退を申し出たものの茨の道を続けることを選んでしまってからは、徐々に上達したと思うが、非公式映像では拍が裏返ったりずれそうになって困惑したりする様子も見たりしたし、眉をしかめて、マイクを両手で押さえてなんとかついていく様子も見たりした。同じように「素人」でスタートしたアユニと違い、いかにも不器用なモモコは転びながらもできることを少しずつ増やしていくしかなかったのだと思う。
この頃のモモコの歌唱でいちばん好きなのはこれ。
2番の歌い出しもいいし、なんといってもラスサビの「約束を守りたいんだっ!」。この必死さにノックアウトされた。
踊りに関しても、小さい体だからこそなのか、いちばん大きい動きを見せてくれる。「My landscape」「サラバかな」あたり特に好き。「リズム」では物語の「主演」を務めるまでになった。
https://www.youtube.com/watch?v=Qpk-z2eWRno
さらにその後、コロナ禍以降あたりからは貫禄すら感じさせる歌声を聴かせてくれたり、
(2サビがかっこよすぎる)
こんな難しそうな踊りにもついていけるようになった。
歌うことも踊ることも、特に好きでも得意でもなかった人がここまで来るのに、どれほどの努力をし続けたのだろう。その原動力になったのはなんだったのだろう。もっとラクな道はあったはずなのに。そこに強烈な覚悟や意地を感じ、惹かれていったのだ。
結果は不完全かもしれないけど、まずはやってみること。諦めないこと。真摯に努力すること。うまくいかないことだらけの世の中を生き延びるために大切なことをいっぱい学ばせてもらった。
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