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行政書士の即独立は可能か?コネなし、金なし、資格あり
行政書士試験に合格した瞬間、「これで人生が変わる」と思っていた。
しかし、現実はそんなに甘くなかった。
行政書士は資格さえ取得すれば独立できる職業だ。
実務経験がなくても、事務所を構えて名刺を作れば「行政書士」として名乗れる。
だからこそ、「資格を取ったらすぐに独立して食べていける」と思う人は多い。でも実際は、資格を取っただけでは仕事にならない。
これはどの仕事にも言えることだが、行政書士の仕事は待っていれば舞い込むものではなく、営業しなければ始まらないのだ。
僕自身、行政書士登録をしたものの営業に動けず、知人からの依頼を細々と受ける程度だった。気がつけばアマゾン配送の仕事を続けながら登録費用を回収する日々。即独立をしたものの、実務経験がない状態でどう営業すればいいのかわからず、結果的に時間だけが過ぎていった。
今振り返ると、即独立して成功する人にはいくつかの共通点がある。行政書士として本当に食べていくにはどうすればいいのか。僕の経験をもとに、行政書士の即独立の現実と成功のためのポイントを考えていく。
独立のメリットと現実の厳しさ
行政書士として独立するメリットは明確だ。
会社に縛られることなく自由に働けるし、成功すれば年収1000万円以上も夢ではない。実際、即独立して1年目から500万円以上稼ぐ人もいる。しかし、それは営業力がある人の話。多くの行政書士は最初の1年で思うように稼げず、廃業を考える方も少なくないはずだ。
僕の場合、最初の1年間はまともな収入にならなかった。行政書士としての仕事はあっても月に数件。しかも報酬額は低く、とても生活できるレベルではなかった。開業後すぐに安定した収入を得られると思ったら大間違いだ。
行政書士として独立するなら、以下の点を覚悟する必要がある。
営業が必須:知名度ゼロの状態で依頼は来ない。飛び込み、SNS、交流会、あらゆる手段を駆使して営業する必要がある。
収入が不安定:最初の半年〜1年は売上ゼロもあり得る。生活費+事務所運営費を確保していないと厳しい。
実務の知識不足:独立直後はわからないことだらけ。顧客に聞かれても即答できないと信頼を失う。
独立して成功する人は、こうした厳しい現実を乗り越える必要がある。
成功する人の特徴
行政書士として即独立し、成功する人にはいくつかの共通点がある。
① 営業ができる or 努力できる
行政書士は、仕事を取る力がすべてだ。僕は最初の1年、営業活動をしなかったために仕事が増えなかった。最初からSNSやブログで情報発信をしていたり、交流会に積極的に参加していたら、もっと早く軌道に乗せられたはずだ。
実際、開業1年目から稼いでいる行政書士の多くは、自分から動いている。SNSで毎日発信し、YouTubeで解説動画を作り、異業種交流会に顔を出し続ける。飛び込み営業をやっている人もいる。「資格があるから仕事が来る」のではなく、「仕事を取りに行く」姿勢が成功の鍵になる。
② 生活費+開業資金がある
資金がないと、焦って安い仕事ばかり引き受けてしまう。僕も当初、資金がギリギリだったので低単価の仕事を受けすぎてしまい、効率の悪い働き方になっていた。
開業前に最低100万円、できれば半年〜1年分の生活費を確保しておくべきだったと今になって思う。
③ 専門分野を持っている
「何でもできます!」は誰にも刺さらない。許認可、外国人ビザ、相続、民泊など、専門分野を決めると仕事を取りやすい。僕は最初、何に特化するか決められず、中途半端な状態で開業したせいでブランディングに失敗した。
一方で、即独立して成功した知人は、開業前から「外国人のビザ申請」に特化していた。ターゲットが明確だから、集客もしやすい。何でも屋ではなく、「この分野なら自分に頼むべき」と思わせることが重要だ。
④ 人脈を活かせる
最初の仕事を得るには、人脈が重要になる。僕は不動産会社の知人を頼って共同事務所に入ることで仕事を得られたが、開業前から士業の繋がりを作っておけば、もっと早く案件を得られていたはずだ。
特に③の専門分野を絞ることがすごく大切だと個人的には考えている。
仕事がないうちはあれもこれも手を出しがちだが、行政書士の仕事はあれもこれもできるほど簡単ではない。
慣れない業務は値段設定をミスってしまったり、業務に時間がかかってしまい時間単価にすると1000円を切ってしまうなんてことも、、、
せっかく舞い込んできた業務をつかみ取りたい気持ちは十分わかりますが、
専門の行政書士に案件を振ることをオススメします。
するとその行政書士から自分の専門分野の案件を依頼していただける流れができる。
最後に
行政書士の即独立は可能だが、成功するには営業力・資金・専門性・人脈のいずれかを持っていないと厳しい。僕自身、開業してから営業の大切さに気づいたが、それでは遅かった。
もし今、行政書士の即独立を考えているなら、「自分は何を準備できているのか?」を整理してみてほしい。資格を取っただけでは仕事は来ない。自分から動き、準備を整えた人だけが、独立後に成功を掴めるのだ。
僕の失敗談が誰かの成功のお役に立てますように。