AI俳句小説【ねえ川本くん元気かな】
今日は出雲にっきさんの【ねえ川本くん元気かなあの日2ケツした】をもとに出力した、AI俳句小説を公開します。ちなみに川本(こうもと)くんは実在しないのですが、作者の狙いは、「実在しない川本君があなたの心中に住みつく」ことだそうです。
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俺は、園爪先輩のノートを借りて、ふと目にした俳句に焦りを感じた。【ねえ川本くん元気かな あの日2ケツした】。なんだこれは。川本くんって誰だ。園爪先輩と自転車に乗ったって、二人で仲良くしたのか。俺は、園爪先輩に想いを寄せていたのに、こんなことを知ってしまったら、どうすればいいんだ。
俺は、ノートを閉じて、机に突っ伏した。頭の中には、自転車を二人乗りする川本くんと園爪先輩の甘酸っぱい会話が浮かんできた。あの日、俺が部活に行っている間に、二人はどこかで自転車に乗っていたのか。夏らしい風景や音が背景にあったのか。
「この風気持ちいいね。髪がなびいてるよ」 「そうだね。僕も心地よいよ」 「夏休みはどこに行くの?海とか山とかあるよね」 「僕はどこでもいいよ。君と一緒なら楽しめると思うよ」
俺は先輩の顔を見た。先輩は微笑んでいた。その笑顔は俺に向けられたものではなかった。先輩は川本くんのことを思っているのだ。俺は悲しくて苦しくて、胸が締め付けられるような感覚に襲われた。
「先輩……」
俺は小さく呟いた。先輩は俺の声に気づかなかった。その時、井月が話しかけてきた。
「ねえねえ、仁太郎くん。先輩の俳句、どう思った?」
井月は得意げに笑っていた。
「あの……井月さん……」
俺は困惑して答えた。井月は俺の耳元でささやいた。
「私はね、先輩の俳句、すごく素敵だと思うわ。川本くんって、あのイケメンでスポーツ万能で頭も良くて優しい男子でしょ?あの日2ケツしたって、もしかしてキスしたとか?」
井月はわざと大げさに驚いたふりをした。俺は井月の言葉に動揺した。川本くんがそんなに素晴らしい男子だというのか?先輩とキスしたというのか?俺は信じられなかった。
「そ、そんな……」
俺は声も出なかった。
井月は俺の反応を見て、満足そうに笑った。彼女は俺をからかって楽しんでいるのだ。彼女は先輩に恋心を抱いているわけではないが、俺に嫌がらせをするのが好きなのだ。
「ふふふ、仁太郎くん、顔が真っ赤よ。もしかして、先輩のことが好きなの?」
井月はさらに追い打ちをかけた。俺は井月の言葉に動揺した。俺は先輩のことが好きだった。でも、それを井月に知られたくなかった。井月は俺の気持ちをバカにするだろう。
「そ、そんなことないよ……」
俺は弱々しく否定した。井月は嘲笑した。
「嘘つけ。仁太郎くん、先輩のことが好きなら、素直に言えばいいのに。でもね、先輩は川本くんのことが好きなのよ。だから、仁太郎くんは無理よ」
井月は冷酷に言った。俺は絶望した。先輩は川本くんのことが好きなのか。俺にはチャンスがないのか。俺は泣きそうになった。
俳句サークルの部室で、井月の言葉に傷ついた仁太郎は、泣きそうになりながら席を立った。俺は先輩のことが好きだった。でも、先輩は川本くんのことが好きなのだ。俺にはチャンスがないのだ。俺は部室を出ようとした。その時、先輩が声をかけてきた。
「仁太郎くん、ちょっと待って」
先輩は俺の手を引いて止めた。俺は先輩の顔を見た。先輩は真剣な表情で俺を見つめていた。
「仁太郎くん、私に話があるの」
先輩はそう言って、俺を隅のソファに座らせた。井月は不満そうにしていたが、先輩は無視した。
「仁太郎くん、私が詠んだ俳句について、聞きたいことはない?」
先輩はそう聞いた。俺は戸惑った。先輩が詠んだ俳句について聞きたいことはない。聞きたくもない。それよりも、俺は先輩に川本くんのことを忘れてほしかった。
「あの……先輩……」
俺は小さく呟いた。先輩は微笑んだ。
「仁太郎くん、実は私、あなたに告白したかったの」
先輩はそう言って、俺の手を握った。俺は驚いた。先輩が俺に告白したかった?それは嘘だろう。先輩は川本くんのことが好きなのだ。
「そ、そんな……」
俺は信じられなかった。先輩は真剣な表情で続けた。
「仁太郎くん、私が詠んだ俳句に出てくる川本くんっていう男子、実は存在しないのよ」
先輩はそう言って、俺の目を見た。俺は呆然とした。川本くんが存在しない?それはどういうことだ?
「川本くんっていうのは、私が作り出した架空の人物なの。仁太郎くんに気づいてもらおうと思って、わざと嫉妬させるようなことを言ったりしたの」
「そうなんですか?」
「そうよ。仁太郎くんもそう思ったでしょ?川本くんとニケツしたいって」
「いや、そうじゃなくて…」
俺は、言葉に詰まった。俺は、園爪先輩に想いを寄せていたのに、彼女は俺をからかっていた。俺は、園爪先輩に真実を聞きたかったのに、彼女は嘘をついていた。俺は、園爪先輩に自分の気持ちを伝えたかったのに、彼女は笑っていた。
俺は、ノートを投げ捨てて、教室を飛び出した。俺は、園爪先輩の声も聞こえなかった。俺は、ただ校舎を去っていった。
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