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赤ちゃんは食品添加物を避けた方が良い?

こんにちは、管理栄養士の奥野です。
今回は「赤ちゃんと食品添加物」についてです。

何となく、自分の子のごはんが気になる・・・

「普段、自分の食事では添加物を気にしないけれど、子どもが生まれて、何となく子どもにはあげたくないな」と感じていませんか?
私もそうでした。実際、ベビーフードとして売られている食品には添加物がとても少ないですよね。

添加物については、これまでに2つ記事を書いていますが、​具体的に添加物の「安全性評価」について触れていませんでした。

赤ちゃんと添加物を考える上では、そもそも添加物が「何をもって安全な使用方法を判断されているか」ということと、「赤ちゃんの身体の特徴」がポイントになります。

食品添加物の安全性はどのように評価されているか

添加物は厚生労働省が発出している「食品添加物の指定及び使用基準改正に関する指針」に基づき、添加物としての使用や、その使用基準が決められます。この指針の中には「こんな試験をして安全性を確認してね」ということも書かれています。

どのような試験をするかというと、「発がん性がないか」「妊娠出産に影響がないか」「体内ではどのように消化吸収されるのか」などの試験を行います。
消化によって分解されて生じた物質に対しても、上記と同じ試験を実施する場合があります。

赤ちゃんの身体について

赤ちゃんの身体は発達しきっておらず、大人と同じような仕組みや機能がまだまだ整っていません。
食べることに関しては、消化吸収の機能・腎機能が非常に未熟で、大人と同等の働きになる時期は3〜4歳頃と考えられています。

添加物は、体内で消化作用を受けますが、赤ちゃんは消化機能が未熟です。
それゆえに、添加物に限らず、普通の食材に対しても、敵と間違って認識することによってアレルギー反応を引き起こすことが多々あります。

また赤ちゃんの体内における栄養素などの吸収能力なども、はっきりとわかっていないことが多いです。(赤ちゃんを研究対象にすることは、今の時代とても難しいことなのです)

大人と比べると身体の機能が発達段階で、よくわかっていないこともあるため、赤ちゃんに関しては「添加物を避ける方が無難」と言えるかもしれませんね。 

添加物にはアレルゲンを含むものもある

添加物は食品由来の成分が用いられるケースもあり、アレルゲンを持つものもあります。

商品に含まれる食材以外に、添加物由来のアレルゲンが含まれていると、そのことに気が付きにくい場合があります。

離乳期の赤ちゃんは色々なものを食べる練習をしている時期で、体も未熟なのでアレルギー症状が出やすいです。
知らないうちに食べてしまってアレルギー症状が出たらびっくりしてしまいますよね。

添加物がどのように消化吸収されるか明確で、安全性が確認されていたとしても、食べる赤ちゃんの身体が未熟であるため、赤ちゃんは添加物に配慮すべきと考えられます。

ベビーフードに使用する添加物については、ベビーフード協議会によって必要最低限の使用にすべきと指針が出されています。

赤ちゃんには加工食品を食べさせてはダメ?


では、赤ちゃんには添加物フリーを意識し、全て手作りではないといけないか? と言うと、そうではありません。

実は赤ちゃんには、生まれてすぐに添加物を摂取する機会があります。
育児用ミルクには、母乳代替品として様々な栄養素が配合されています。栄養強化目的で配合される物質は添加物扱いです。また、溶けやすくするための添加物が使用されるケースもあります。
ですので、過度に心配し過ぎる必要もありません。
「結局どっちなんだ!」 というお声が聞こえてきそうです。

大人が食べる加工食品にはそもそも、油や塩が多いものがあり、離乳期の赤ちゃんや低年齢のお子さんには味が濃すぎたり、油が消化しにくいことがあります。
しかし油や塩に配慮されており、必要最低限の添加物使用の食品であれば、活用することが可能な物もあります。

例えば、豆腐には凝固剤という添加物が用いられますが、豆腐は離乳期におすすめの食材です。
油や食塩不使用のツナ水煮缶やサバ水煮缶、トマト缶、コーンクリーム缶などもおすすめしたい加工食品です。

どこまで気にすれば良いか? ということについては、明確に基準は無いのでとても難しいのですが、

・複合的な加工品は色々食べ慣れた1歳頃から少しずつ
・塩や油の量に気をつける

がポイントになるかと思います。例えば加工肉などは塩が多いですが、ベーコンやウインナーを入れてポトフにすることってありますよね?

私であれば、取り分けは以下のように考えます。

・離乳初期、中期……ベーコンやウインナーを入れる前、味付けの前に取り分け
・離乳後期完了期……ベーコンやウインナーを入れ、味付けしたものからベーコンやウインナー以外を取り分けて、スープを半分に埋める
・幼児期……大人と同じで良いが、味付けの濃さには気をつける

食卓全体で色々なものを楽しんで

自分が大好きな味を、赤ちゃんにも共有したいと思いますよね。

赤ちゃんは日々一生懸命に成長しています。
どんどん色々なものを食べられるようになっていきますよ。

『今日はお取り寄せご飯にしたい』
『あの冷凍食品が気になる』

大人がそのような気分の日は、赤ちゃんに同じものを食べさせようとせず、ベビーフードや作り置きなどを食べてもらいましょう。

とはいえ赤ちゃんが、大人が食べている物を欲しがって泣いてしまうこともありますよね。
それはきっと、大人がとてもおいしそうに食べていたから、赤ちゃんが食べてみたくなったのだと思います。

赤ちゃんの食事の配慮は大変で、大人と全く同じものを食べることは出来ませんが、食卓全体で考えて、色々な物を楽しんでみてくださいね。


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〈参考文献〉
・食品添加物の指定及び使用基準改正に関する指針 , 厚生労働省 , https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syokuten/960322/betu.html
・授乳・離乳の支援ガイド (2019年改定版)実践の手引き , 公益財団法人母子衛生研究会
・ベビーフード自主規格 , 日本ベビーフード協議会  , https://www.baby-food.jp/standard/standard.html#standard3






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奥野由✴︎管理栄養士・母子栄養指導士
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