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Z世代の総合商社離れ:高年収でも「やりたい仕事」に就けない その背景に何があるのか

Z世代の「年収2000万円超の総合商社離れ」4つの理由


出典:東洋経済新聞社会社[四季報2024年度版]


いま総合商社に入社したZ世代の離職率が高くなっている。なぜ、Z世代の総合商社離れが起きているのか。その背景に何があるのか。高年収が得られる大企業を辞めてまで、なぜ離職してしまうのか。この問題の背景には、いくつかの要因が考えられます。


【1】 Z世代が総合商社を離れる4つの理由

  1. やりたい仕事ができない:

    • 画一的なキャリアパス: 総合商社は、ある程度決まったキャリアパスが用意されていることが多い。そのため、個人の興味やスキルに合わせた柔軟な働き方が難しい。この点が、Z世代にとっては魅力に欠けるように感じてしまう。

    • 長時間労働: 高い成果を求められる一方で、長時間労働が常態化している企業も少なくありません。ワークライフバランスを重視するZ世代にとっては、大きな負担となります。

  2. 変化を楽しめない:

    • 安定志向: 総合商社は安定した収入や福利厚生が魅力ですが、一方で変化を恐れ、新しいことに挑戦しにくいという一面もあります。

    • デジタル化への対応: IT業界など、変化の激しい業界に比べて、デジタル化への対応が遅れていると感じるZ世代もいるようです。

  3. 多様な働き方ができない:

    • リモートワークやフレックスタイム: 新型コロナウイルスの影響で、リモートワークやフレックスタイムが注目されていますが、総合商社ではまだまだ導入が進んでいない企業が多い。

    • 副業・複業禁止: 副業や複業を認めていない企業も多く、個人のスキルや経験を活かして多様な働き方をしたいZ世代にとっては、魅力的な選択肢とは言えません。

  4. 企業文化とのミスマッチ:

    • 旧態依然とした企業文化: 長い歴史を持つ総合商社は、伝統的な企業文化が根強く残っています。年功序列や上下関係を重視する風土は、自由な発想や新しいアイデアを出しにくい環境を生み出している。

    • 変化への対応の遅さ: グローバル化やデジタル化が進む中、総合商社は変化のスピードに対応できていないという指摘があります。新しいビジネスモデルや働き方への対応が遅れていることも、Z世代の離職に繋がっていると考えられます。

    • キャリアパス: 総合商社では、ある程度決まったキャリアパスが用意されていることが多いです。しかし、Z世代は、より柔軟で多様なキャリアパスを求めています。

    • 多様性: 多様性の欠如。性別や国籍など、多様な人材を受け入れる体制が整っていない企業も少なくありません。


【2】総合商社のビジネスモデルの特徴

  • 多角化: 幅広い産業分野にわたって事業を展開しています。

  • グローバル化: 世界中にネットワークを持ち、国際的なビジネスを展開しています。

  • リスク分散: 多様な事業を展開することで、リスクを分散しています。

  • 総合力: 資金力、情報力、人材力など、総合的な力を発揮することで、大規模なプロジェクトを遂行することができます。


【3】総合商社のビジネスモデルを支えるもの

  • グローバルネットワーク: 世界各地に拠点を持ち、情報収集、物流、人材育成など、幅広いネットワークを構築しています。

  • 専門知識: 各分野の専門知識を持つ人材を豊富に抱えています。

  • 資金力: 大規模な投資を行うための資金力を有しています。

  • リスク管理能力: 不確実なビジネス環境において、リスクを最小限に抑えるための能力を有しています。


◤ まとめ ◢

Z世代の総合商社離れは、単に若者の流行ではなく、社会全体の働き方や価値観の変化を反映していると言えます。企業は、Z世代のニーズに応えるべく、働き方や組織文化を改革していく必要があります。昭和時代の考え方を引きずっている会社は、年収が高くても もはや魅力を感じていない。Z世代を中心とする若手社員は、金銭的報酬以上に、自己成長と意義ある仕事経験を重視する傾向が強まっていると言えるでしょう。




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