今年の稲刈り(2)
8月は長雨が続き、お米の出来が心配されたが、幸い稲は順調だ。父は思うように体が動かせず、やる気がでないのか、とうとう朝の味噌汁を作らなくなった。田んぼの見回りも息子にまかせっきりだ。
9月になると稲はだいぶ色づき始めた。稲穂の先の茎が緑から黄色に変わったら熟れた証拠、教えてもらったとおりチェックしてみる。あと一週間ぐらいだな?と思っていると、タイミング悪く台風がくる予報。台風前に刈ってしまうか迷ったが、うちは焦らず、台風後に稲刈りしようと父と決めた。去年までなら有無を言わさず刈った気もするが、こっちの意見にも耳を傾けてくれるようになった。
台風は大した雨にも風にもならず、被害はほとんどなかった。(くるくる詐欺だ!)しかし稲刈りの前日の夜、雨が降った。翌朝田んぼを見回ると溝に水が溢れ、田んぼが水びたしになっている。田んぼがぬかるんでいると機械が埋まって稲刈りができない。
最悪だ、水を止めるしかない。父に任せっきりだった米作り、父の変化が僕の自主性を促す。上流を辿っていくと、今は使われていない取水口から水が流れ込んでいる。その上流に丸太が捨て溝を塞ぐように詰まっている。これだ、台風で丸太が流れ込んで来たのか。
田んぼが乾くまで一日おいた日曜日、ようやく稲刈りだ。自宅から妻と長女が3時間かけて手伝いに来てくれた。手伝いとかいらんと言っていた父も嬉しそう、いるだけでオッケー、最強の応援団がやってきた。
父と母の二人でやっていた米作り、母が倒れ、父一人になり、息子が加わり、今年はその嫁、娘もきてくれた。大変だけど、大変だから、家族みんなで支え合う。
そんな感じで、父の様子も家族みんなで見守りながら、支え合っていこう。
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